丸山エイミー

コミュニケーションをカタチにすることを仕事にしています。広報・PR・企画および実施運営…

丸山エイミー

コミュニケーションをカタチにすることを仕事にしています。広報・PR・企画および実施運営・執筆・コンサルティング(相談)他、外的コミュニケーションとしてカラー/スタイリングコンサルタントも。

マガジン

  • エイミーのエッセイ Life is beautiful

    日々、ちょっとした瞬間、心が動くことがあります。 忘れたくない瞬間を言葉で書き留めてエッセイにしています。

最近の記事

こわがりが終わるとき

 息子8歳、娘4歳。怖がりなのは圧倒的に息子の方である。リビングからすぐのトイレですら、一人で行くことができない。妹が「電気つけてあげるよ」と、彼の先を歩いてくれると、恥ずかしそうに、でも安心してトイレに行く。まったく怖がりも過ぎるねえと、夫と二人笑うのだが、思い返せばわたしもそうだった。  トイレでもお風呂でも、いわゆるキッチンやリビングといった、人が必ずいる部屋以外に行くのがとても苦手だった。子どもの頃はお化け、虫、暗がり、怖いものがたくさんあった。一つ下の妹も怖がってい

    • 展覧会の写真

      気に入っている写真がある。 息子と娘と一緒に写った写真である。 『単位展』という展覧会を六本木21_21ミュージアムに見に行った時の写真である。 グラフィカルな展覧会ポスターの前で親子3人。息子と娘の表情はもちろん、私もお気に入りのスカートを履いて、なんとなく気分が良かったのが写真に現れている気がするのだ。 撮ってもらった写真を見た時、きっとこういう風に子ども二人と一緒に展覧会を心底楽しむことはもうないだろうと、心のどこかで思っていたような気さえするのだ。 * * * * 

      • 恋するカレン

         娘の名前はカレン、漢字で書くと果恋である。  名前を聞かれて答えると、漢字はどう書くの、という質問になる。「果物の果に、恋するの恋」と答えると、たいてい「えー可愛い名前ー」と言われる。こちらも「うん、可愛い名前にしちゃった」と少しおどけて笑う。娘が生まれて以降、繰り返される会話である。  名前の漢字は強い。自分の漢字がどのように説明されるか、によって、その後自分の名前をある種カテゴライズしていくのではないかと思う。わたしの場合は江美の字を「江戸の江に美しい」と親が人に説明し

        • おばさん、バンバン!!

           子ども2人と家路を急ぐ。喋ったり歌ったり、私たちの帰り道はいつも賑やかだ。  信号待ちで傍にいたおばさんがこちらを見ているのに気付き、社交的な6歳の息子が声をかけた。  「今日クリスマスツリー飾るんだ」  子どもが好きなのかな、と私も何の気なしに子どもたちに向けた笑顔のまま軽く会釈をしたら、そのおばさんは「あなた、子どもを抱っこしたりするのにそんなヒールのある靴よく履いてるわね、危ない」と言った。思いもよらない言葉に一瞬、え?と笑顔のまま戸惑った。  「大丈夫ですよ。低いヒ

        こわがりが終わるとき

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        • エイミーのエッセイ Life is beautiful
          6本

        記事

          生きてんじゃねーか

           20代前半の頃、元々持っていたアレルギー性鼻炎がひどくなり、かかりつけの耳鼻科から粘膜と鼻中隔を削る手術をしてもいいかもしれない、と大学病院を紹介された。ちょうどひどい副鼻腔炎になっていて、少しでも楽になるなら早いとこ手術してほしい、とばかりに紹介状を持って病院に行った。(ちなみに昨年、有吉さんもこの手術を受けたと報道されていたと思う)  病室に入ると、先生の方から色々と説明してくれるのかと思ったら当てが外れた。 「で、何。どうしたの」 どうしたのって…と愛想のない先生にた

          生きてんじゃねーか

          限りある時間

           小学4年の息子が、学校で習った「いのちの歌」を歌いながら、「ママ、いのちってなんだと思う? いのちってなに? 」と聞いてきた。「いのち? いのちっていうのはー・・・」納得できる答えを言えるつもりの頭に反して、口からは言葉が続かない。  そんなわたしに気づいてか「あのね、いのちっていうのは、限りのある時間のことだよ」と助け舟を出すように息子が言った。「世界中の人に与えられた、動物にも虫にもだよ、神様が与えてくれた限りのある時間のこと」。  息子よ…、その通りだ。聞かれて言葉に

          限りある時間

          アルモンデ

           昨年書いていたエッセイを改めて。   「アルモンデ」ー 今話題なのだと教えられて、先日初めて知った言葉だ。 なんじゃそりゃ? と思ったが、これが料理関連のSNSで流行っている言葉だと聞けば大体想像がつく。イタリア料理のパスタの茹で加減をいう「アルデンテ」をもじって、「家にあるもんで作る料理」のことだそうで、まんま予想通りである。昨今の物価高を受け、「買い物せずとも家にあるもんで作る」意識の高まり、というのが背景らしい。ふーん、なるほど。  いや、そもそも毎日の料理なんて