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参考資料「“泣くこと”による心理的変化」

毎日とにかく眠くて、いつの間にか意識が飛んでいます。でもどんなに眠くても子どもの夜泣きには飛び起きるので、産後の体ってすごいなぁと感じています。(普段は大音量の目覚ましでもぴくりともしません・・・)
子どもとミルクとおむつにしか接していないのに数時間経っていた、なんてこともザラです。
でも夫が仕事の合間を縫って家事も育児も積極的にやってくれて本当に助かっていますし、日に日に可愛らしさを増す子どもの姿に愛おしさが止まりません。

さて、先日アメブロの記事にも少し書きましたが、産後はホルモンバランスの影響か、随分と涙もろくなっていました。

以前の私は「泣くこと」に対して、「弱い」「情けない」などとかなりネガティブな考えを持っていました。でも今はむしろ「泣くこと」に対してはポジティブな印象を持っています。泣き方次第では心の解放や安定につながるためです。
産後もたくさん泣かせてもらえたおかげで、不安や心配を早いうちに手放すことができました。

それでこの「泣くこと」と「心の安定、解放」に関して何かないかなと探してみたところ、「泣くことにおける心理的変化」についての研究を見つけました。

参考資料「成人期における“泣くこと”による心理的変化」

概要

この研究は女性看護師650名(分析対象300名)を対象とした調査です。
つらい体験により泣いたエピソードや、泣く頻度、泣いた時に一人だったか・他者がいたかなどを質問紙で問い、回答してもらいます。

そして
「泣くことが、自分の心理や他者との関係にどんな変化や影響を与えるのか」
「泣いた場面で周りに人がいたか、どんな人がいたかということは、自分の心の変化に影響するのか」
「人前で泣いた場合、他の人への影響と自分の心の変化との間にどんな関連が見られるのか」
ということを調べた研究です。

「泣くこと」を生活の中に

他者の前で“泣くこと”は、それ自体が困惑や恥ずかしさ等、否定的にとらえられていたが(Miceli & Castelfranchi, 2003),泣いたことが他者に及ぼす影響と自己の心理的変化とは相互に関連することが確認された(Table 4)。泣いたことに対して“他者からの慰めや援助”が受けられず、“否定的評価”を受けた場合では,泣いても何も変わらない等の“否定的現実の受容”や“消極的態度の形成”が強くなることが読み取れる。一方、“他者からの慰めや援助”を受けた場合では,泣いたことによって “解放・安堵”感が得られ,意欲が高まり、他者との絆も強くなったと認識されていた(Bylsma et al, 2008; Becht &Vingerhoets, 2002; Nelson, 2005) 。

泣いた時の、他者からの評価や反応によって、自分の心や態度の変化に違いが現れてくるということです。
泣いた時に否定的な態度をされると落ち込みますし、「泣くこと」に対して、「泣いたって仕方ない」という否定的な気持ちになったりしますね。そういう状況が続くと、自分の気持ちに蓋をして泣くのを我慢して、つらい気持ちが消化できないまま溜まっていく・・・という悪循環になることもあります。

つらい出来事が生じた際に、“泣くこと”を否定的にとらえ,泣きを抑制する,または人知れず泣くのではなく,ネガティブな感情の表曲を許容し支え合える環境を生活の中に担保することの重要性を示唆している(Becht & Vingerhoets, 2002)。

泣くことにはさまざまな効果があり、そのうちの一つとして、涙と一緒にストレスホルモンのコルチゾールなども一緒に体外に排出されるのだそうです。
「泣くこと」を否定的に考えず、バランスよく生きていくための感情表現や生理現象の一つとして、時には一人で、時には信頼できる人と共有しながら、上手に生活の中に取り入れていく必要があるのかもしれません。

自分の中にある感情を大切に

冒頭にも書いたように、今回の出産では本当によく泣きました。
ホルモンバランスの関係もあると思いますが、今回の出産が予期せぬ早産だったこと、子どもが小さく産まれてしまったことなども涙の理由です。
ただ、そうやって泣くたびに、パートナーや家族、友人、病院のスタッフさんたちが力強い励ましの言葉と共に温かく接してくれたことで、「解放・安堵」感が得られましたし、「前向きに頑張ろう」という意欲が生まれ、その後の行動のエネルギーになりました。

「泣く」というのは人としての感情表現、生理現象の一つだと思います。バランスの良い健やかな心を保つために、自分が安心して泣ける時間や場所を確保することも大切ですね。
私自身、人前で泣くのが苦手だった頃は、「一人で泣く時間」をしっかり取るようにしていました。今は家族、友人の前では泣くこともありますが、「泣くこと」を恐れる気持ちが減ってきた今は、むしろ涙すること自体が減ってきたような気がします。

「泣くこと」も含めて自分の中にある様々な感情を大切にしてあげることで、健やかな心を保つことができるのかもしれません。


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