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矛と盾のリーダシップ

こんばんは。あんどーなつと申します。
私はIT系企業で主にデータ分析を仕事にしている社会人です。今年の4月で2年目になりました。

最近リーダシップには毛色の異なる2種類があるんじゃないかという気付きを得たので、共有させてください。


私は就活生から社会人1年目まで、リーダシップを取ることとは

・自らが先頭にたって物事を進めること
・無駄を徹底的に省いて効率的に物事を進めること

だと思っていました。

具体的にはお客さんとのミーティング中、話が脱線しかけたときに「それは今話していることと関係が薄いので今度にしませんか?」と問題提起をして議論を本筋に戻すことであったり、「結論からいうと本件ではAプランを採用すべきだと考えます」と結論ファーストに報告を始めることであったりをできることがリーダシップを取れることだと思っていました。

ところが先日、それとは違ったリーダシップを取る上司と一緒に仕事をする機会がありました。その上司をAさんとさせてください。

Aさんはお客さんとのミーティング中、基本的に聞き手です。
プロジェクトマネジメントを任されているにも関わらず、ミーティングの司会・進行はお客さんに任せます。
お客さんに任せるので度々、議論が脱線します。枝葉末節の仕様の違いでお客さん同士の意見の対立が起きたり、長時間の議論で疲れてただの雑談タイムになってしまったり。

そんなときでもAさんは口を挟まず黙って聞いています。
Aさんが口を開くのはお客さんから「Aさんはどう思いますか?」と聞かれたときと、ミーティングの最後お客さんが口にしたいことを全て話きった後だけです。

Aさんはミーティングの最後こうまとめます。

「今日はB~Zまで色んな話をしてらっしゃいましたがが、懸念点はDとHとXなんですね。よく分かりました」
「弊社としても同じくその3点を懸念していますし、検討すべき優先度としてはH→D→Xかなと考えていますが認識に相異はありますか?」
「ないですか。よかったです。では来週も引き続きよろしくお願いします」

『最初から懸念点を考えているなら、Aさんから「今日の議題はDとHとVにしませんか?」と一言いえばもっとミーティングの時間は短くて済むのに……』と大変失礼ながらAさんと初めてご一緒したときに私はそう思いました。

話が脱線することが多いのでAさんのミーティングが基本的に延びます。1時間の予定が2時間半になったりするときもありました。
けれど、お客さんはAさんのことをとても信頼していて、何かある度にAさんを指名して弊社に仕事を依頼してくるんだそうです。

そんなAさんのスタイルを見てふと思ったのです。
私が今まで考えていた積極的なリーダシップを「矛のリーダシップ」と呼ぶならば、Aさんのような受け身が前提の「盾リーダシップ」もアリなのかもしれないと。

Aさんとのミーティングを観察してみると、ミーティングが始まる当初はお客さんは気難しい困惑したような顔をしていることが多かったです。
けれど、お客さん同士でしっかり時間をかけて意見をぶつけて、時にまったりおしゃべりをした後は、眉間の皺が薄くなって晴れやかな顔をしていました。

マネジメント層の仕事を意思決定とするならば、私は今まで経営者に意思決定の時間をなるべくかけさせないことが価値だと思っていました。
けれど、経営者に胸中の思いを全部吐かせて、時間をかけてその悩みに向き合わせることも価値の1つなのだなとAさんから学びました。

「矛のリーダシップ」と「盾のリーダシップ」のどちらが優れているとは一概に言えないと考えています。
自分の性格やお客さんの好みにも依りますし、納期やプロジェクトの規模によってはどちらかしか使えないという場合もあると思うからです。

この2つのリーダシップを意図的に使い分けることができるようになったら、お客さんや部下、上司との関係の作り方に幅が出て、今以上に信頼を得ることができそうだなと思っています。

ベテランの社会人の方からしてみたら、当たり前のことなのかもしれません。しかし、Aさんのリーダシップの取り方が私にはあまりに新鮮だったのでまとめてみました。

リーダシップって奥が深いですね。
最後に私がリーダシップに関して考えるきっかけを持った本のリンクを置いておきます。良かったら読んでみてください。

~fin~

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