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「hallelujah」解説〜ただ出会えて良かったと心からの歌を〜

はじめに

先日僕が理事をしているNPO法人LES WORLDの表現教育プロジェクト「SHOW-TIME」の第一回公演が終わりました。
SHOW-TIMEは、子どもと大人の垣根を超えて、0から3ヶ月でミュージカルを作るというプロジェクトです。
今回は「おとぎ学校」という作品をみんなで作り、オフラインオンラインのべ200人以上の方に見ていただきました。

SHOW-TIMEの感想などはまた後々書くとして、今回はその「おとぎ学校」の挿入歌にもなっている僕の楽曲「hallelujah」の裏話と解説みたいなものを書かせていただきます。


①hallelujahはこんな曲!

目の前の人や、いろんな自分に、ただ「出会えて良かった」と思って見て。
そしたら前を向いて歩けるから。

そんな曲です。

2020年3月。
今もその猛威が止まらないコロナちゃんが、世界的に感染が広がり始めた頃、僕はLES WORLDの活動で南米ペルーのトルヒーリョにおりました。

本当は現地の子どもたちとミュージカル映画を作る予定でした。

しかしワークショップ2日目を終えたところで、ロックダウンになりワークショップも中止、ペルーからも出られなくなってしまいました。


エアビで宿をとっていましたが、そこから出ることも難しく1ヶ月に及ぶ11人の共同生活がスタート。

「居心地よくいられるように」と、みんなで料理したり絵描いたり運動したりする中で

ミュージカル映画を11人で作っちゃおうという話になりました。

ここで意見が割れたりなんだりして大揉めしたんです。
なかなかみんな極限状態だったので、それもあって僕も感情的になってしまって。

それで、僕は一人の子と仲悪くなっちゃってそれが1週間くらい続きました。

そこから、別の2人の子が企画してくれたワークショップを通して、みんな仲良くなって「愛してるよー」って言葉が飛び交うめちゃくちゃ素敵な空間になりました。

あのペルーでの日々で、僕は著しく人として成長したなぁと思っています。

hallelujahはその後日本に帰れることがわかって、移動先のリマのホテルで作りはじめました。

喧嘩してしまった子にかけたかった言葉、その子を通して見た自分にかけたい言葉、そして温かい空間から生みでた言葉。

それを曲にしたくて作ったものです。


②歌詞解説

基本的にストレートな歌詞ですが、その歌詞を選んだ理由とか背景を解説します。

どう解釈するのも自由ですので、あくまでanagonはこういうつもりで書いたよって感じです。


毎日に意味を見出すなんてなかなかできない日々で
後悔したい過去ばかりが大きなお城を作ってしまって

1番のAメロです。
現状の自分を表した歌詞ですね。キラキラした日常送ってる人をSNSで見るたびに、「自分は何て無意味に日々を過ごしてるんだろう」って思っちゃうんです。
それで、過去の自分を後悔する。逃げるために積極的に過去を振り返って後悔しちゃう。
そしたらその後悔の過去達が大きくなって、何個もお部屋があるようなお城になっちゃって、そこに居座っちゃう。
そんな僕を綴った歌詞です。


あの時こうしていたらとか あの時あれをやっとけばとか
変えられないことばかり変えようとして
結局今楽しくないのかい
孤独なのかい

1番のBメロです。
Aメロに対してのアンサーです。
過去は変えられないんです。なのに変えようとしちゃう。
無意味な日々って言うけど、一ミリも楽しさを感じてないのかい?って自分に問い聞かせてます。
結局「今」楽しいのか楽しくないのか。
孤独なのかそうではないのか。

孤独は辛いし、楽しくないのは辛い。
でも少しでも今そうじゃないなら、とりあえずそれでいいんじゃない?

そんな歌詞です。

hallelujah 君と歌いたいや
ただ出会えてよかったと心からの歌を
hallelujah 僕は歌いたいんだ
さぁ 手を繋ごうや

サビです。
僕らは自分との対話も、人との関係も、色んなしがらみがあって中々愛し合えない。
けど僕はペルーの生活で、
「本当は、どんな自分にもどんな人にも、ただ出会えてよかったと思うだけで、愛し合えるんだ、手を繋いで歌を一緒に歌えるんだ」
と強く感じました。

だからもっとシンプルに、色んな問題は一旦置いといて、
どんな人にも、どんな自分にも、
「出会えてよかった、ありがとう」と思ってみて欲しい。
そしてその時に歌う曲がこの「hallelujah」であったなら
、という願いを込めた歌詞です。

ちなみにhallelujahはヘブライ語で「神を讃えよ」って意味ですが、もっとカジュアルに「よかったー!」とか「やったね!」みたいな「祝福」とか「喜び」の時に使う方の意味で使ってます。



だらけてしまった昨日や 失敗してしまった一昨日や
嫌いな過去の自分や 不安な今の自分とか
でもそれがなければ今の君の幸せもきっとないんだよな
だからどんな自分も全部愛して
目の前の人たちを信じてみなよ

2番のABメロです。
これは僕の「龍と紅茶」を書いて以降強くある考え方で
「どんな過去も今の自分の幸せに繋がってる」と言う考えから書いた歌詞です。

昔の色々しんどかったことがあったから「龍と紅茶」という曲がかけて、その曲が誰かに寄り添えるものになって、その誰かがぼくを応援してくれるようになった。
辛い過去や失敗があって今の僕がある。

だからそんな過去を過ごした自分や失敗した自分も、嫌いになるんじゃなくて大切な自分なんだぜっていうのが、
「どんな自分も全部愛して」のところに込めた思いです。

そして、もう一つ僕の好きな考え方があって、それは
「目の前にある世界は自分が作ってる世界で、目の前にいる人たちは『ある瞬間の自分』である」
という考え方です。

要は目の前の人はみんな自分。

だから、自分を愛せたなら、目の前の人達くらい愛して信じてみたら、きっと目の前の世界も良くなるんじゃない?っていうのが、
「目の前の人たちを信じてみなよ」って歌詞に込めた思いです。


良くも悪くもここが君のいる場所
しんどいことだってまだまだたくさんあるさ
でも幸せになることを諦めないで
誰かと笑ってる日を増やそうや

Cメロです。
良くも悪くも」ってよく僕使っちゃうんです。
だって、この世に絶対的な正しいなんてないと思うから。
本質みたいなものはあるにしても、それが全員にとっての正解かというとそれはまた別の話。

だから、何かを言い切ったりはなるべくしないようにしてて、その結果よく使ってしまう。

話を戻すと、ここの歌詞で言いたかったのは
幸せになることを諦めないで」ってことです。

ここも僕の考え方の一つが入ってて、
人は皆『良く生き』ようとしている」という考え方です。
性善説にしろ、性悪説にしろ、「悪く生きよう」としてる人はいないんじゃないか、なら人はその人なりの「より良い生」を生きようとしているはず。

僕は、良く生きようとする限り人は美しいと思ってます。
良く生きようとする中での苦悩や葛藤も全て美しい。

だから、幸せになる(良く生きる)ことだけは諦めないで欲しい。

そして、とりあえず人と笑ってる時に不幸せな人なんていないはずだから、
人と笑ってる日を増やして行けばいいじゃん。

ここは、そんな思いで書いた歌詞でございます。


長くなりましたが歌詞解説以上になります!!


③作曲裏話

ただの自己満コーナーです。(まぁ全部自己満ですが)
実はこんなテクニック使ってたよーとか、作曲過程でこんなことしたよーみたいなのを紹介します。


・星野源の曲達のコードを参考に作曲

キャッチーだけど実はコードが難しいみたいな曲をずっと作りたくて、源さんの曲達を弾きながら、ここええなぁっていうコードを結構もらってきて書いた曲です。


・サビだけ一音上げ

サビ以外はB調ですが、サビはC調です。
何にも考えずに作ったけど、後々調べたら、転調してました。


・2番のサビ後はマーチングドラム

マーチングドラムを自分の曲にどうしても入れたくて、試しに入れてみたらめっちゃいい感じだったので入れました。お気に入りです。

・タイトルはミスチルの「hallelujah」から

大好きなバンドの曲名をそのままもらってくるっていうのを良くやるのですがこれもそうです。
こんな曲描きたいなーだけ決まってて、そこからミスチルとボンジョビの曲名見てたら、これええやんってなって決まりました。


・とにかく耳に残しに行く

これはこの曲に限らず僕が作曲で常に意識してることですが、
1回聞いただけで覚えられる、口ずさめる曲なのかどうかをとにかく意識します。
サビだけじゃなくて、それ以外の場所も思い出せるフックにする。

タイトルを忘れても、「あーあの〇〇〜♪って曲!」って言えるような曲にする。

hallelujahで言えば、ラララのところとサビをとにかく覚えやすいように作りました。


・テンポはゆっくり歩く速さで

正確なBPMは忘れましたが、人が少しゆっくり歩く速度に合うように速さを計算して作ってます。
僕は東京に住んでますが、東京は割とみんなせかせか歩く場所です。

だから、少し曲に乗ってゆっくり歩いてみて欲しいなぁと思いこのテンポにしてます。
ゆっくり歩くと色んなものが見えるし、歩く速さと同じくらいの曲ってノリやすいので、ぜひ少しノリながら歩いて聞いてもらえたら嬉しいです。



終わりに

武道館で歌えたらたくさんの人と歌えたら、めちゃくちゃ素敵になるだろうなぁと思える曲になりました。

これからもたくさんの人に愛してもらえる曲になるように、ずっと歌い続けていきたい曲です。

最後まで読んでくださりありがとうございました!

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