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ダイエットで自分は変わる(27)糖質欲のカラクリ(案)

愛すべき変人、一休和尚は人を「160センチの糞袋」と表現した。僕は彼ほどエキセントリックではないし、少しの上品さは持ち合わせているので「大きなユーハイムのバームクーヘン型うんこ製造機」程度に留めておきたい。要するに多細胞生物は一本の管のごとき構造を持っており、そのトンネルの中に食物を通して排泄することで生命を維持している。

口に入ってきた食物は唾液中のアミラーゼと混合されて、高分子の炭水化物から単糖、ニ糖、オリゴ糖を生じる。炭水化物をよく噛むと甘くなる(からよく噛みなさい)と言われるのはこのためである。同時に、咀嚼により食物はある程度の大きさにまで噛み砕かれる。

食道を通過した食物が胃に到達すると、強酸の胃液によりタンパク質の変性が起こる。これで食物はドロドロになるまで溶かされるのであるが、脂質や核酸は比較的酸に抵抗性があるため、さらに十二指腸以降での消化酵素による分解が必要となる。

以上が教科書的な消化の科学である。しかし、僕が気になっているのは膵液にもアミラーゼが大量に含まれており、炭水化物の9割は実は腸で分解されるという事実である。え?唾液のアミラーゼ要ります?ということなのだ。この辺に糖質欲の秘密が隠されているような直感が働いているのだが、勉強不足のせいで現在はまだ説得力のある仮説を立てられずにいる。

唾液のアミラーゼは唾液腺から分泌される。この唾液腺というのが曲者で、ヘビは毒を作るし、吸血するタイプの生き物は溶血性のタンパク質を作るし、ヤンキーはコンビニ駐車場の縁石などに吐きかけたりする(蚕の絹糸も同じものだと考えてもいい)。これらはすべて唾液腺の働きで、どちらかといえば自身の内的な消化に向けたものではなく、外部への攻撃・侵害などの役割を担っている。ちょっとだけ糖質まで分解しておこうか、みたいなゆるい理由で機能は進化を生き抜けない。とても変だ。

だからなんなの、という段階です。ゆるして。

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