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写真絵本の人 小寺卓矢 料理探検の人 浦木明子音楽の人 西村 嘉洋からなる小さな小さな…

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写真絵本の人 小寺卓矢 料理探検の人 浦木明子音楽の人 西村 嘉洋からなる小さな小さな発信の場。あなぽこから世界を観て、聴いて、味わって。三人がこっちへおいでと誘ってます。

最近の記事

急に具合が悪くなる・読後独語

音楽の人、西村くんから一冊の本を渡された。 『急に具合が悪くなる』晶文社刊 重いタイトルなのに表紙はポップなイラスト。 哲学者 宮野真生子さん 人類学者 磯野真穂さん お二人の往復書簡をまとめたもの。 大人になって課題図書を渡されるのはワクワクする。音楽の人から託されたメッセージをどこまで読み取れるのか、どこまで自分事として感想が書けるのか、いざ本の世界へ。 ガンで余命宣告を受けている宮野さんと医療人類学者の磯野さん。書簡をやり取りする途中で「急に具合が悪くなるかもしれな

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      どこかの誰かの小さな祈り by料理探検の人浦木 明子

      • JAZZと料理

        このところ子育てが一段落して映画を観る余裕ができた。先週『マイルス・ディヴィス〜coolの誕生』を観た。 遡ること四十数年 中学生の私は大人の世界を垣間見たくて背伸びして自主上映のグループに参加していたことがある。訳もわからずシュールレアリズムやニューシネマ、ヌーベルバーグ系の映画をみることがカッコいいと思っていた。 そんな中で出逢ったのが『死刑台のエレベーター』 映像美と音楽と俳優の粋なことといったら、それはもう辺境の地に住む田舎臭い中学生が観るにはあまりにも刺激的な作

        • 「急に具合が悪くなる」を読んで。

          あなぽこ社おんがくの人、西村です。 とても大切な本に出会ってしまった。 晶文社の「急に具合が悪くなる」という本です。 この本は哲学者の宮野真生子さんと、医療人類学者の磯野真穂さんの10便の往復書簡で構成されます。この本を特徴づける要素の一つは哲学者の宮野さんが癌を患っていること。 前半は宮野さんの癌患者である哲学者という立場から、医療や運命論や患者というラベルを貼る、貼られる事などを医療人類学者である磯野さんの問いに対して答える。という形で論じていきます。 ところが、後半か

        急に具合が悪くなる・読後独語

          初ゲストポッドキャスト。

          あなぽこ社ポッドキャストは今回初のゲストであります。 十勝は豊頃にて活動し、ギャラリーも構えている美術家の白濱雅也さんと白濱万亀さんをゲストに迎えまして。 なんとゲストである雅也さんが自ら司会をかってでてくれ、僕らにも話題をふってくれるというどっちがゲストかわからない状態になっております。 話題は作ること、森の事、音楽の事、コロナ禍の今をどう考えるのか、など多岐にわたります。 前編、後編とありますのでお楽しみください。 https://open.spotify.co

          初ゲストポッドキャスト。

          西村くんへ返事。『アラバマ物語』感想

          西村くんへ。小寺です。映画『アラバマ物語』の感想です。西村くんからの振りもありましたので、ぼくは、大変印象的なオープニング・クレジットについて書きますね。なお、すでに自分のFacebookページに投稿済みの感想文を手直しただけものですが、どうぞご勘弁を。 (以下、ストーリー内容についての明らかなネタバレはありませんが、シーンやセリフに対する個人的な解釈をあれこれ記していますので、映画を未鑑賞の方でこれから新鮮な気持ちで鑑賞したいと考えておられる方は、閲覧要注意かもしれません

          西村くんへ返事。『アラバマ物語』感想

          アラバマ物語を観て考えた。

          以前あなぽこ社の写真絵本の人、小寺くんからそのオープニングの素晴らしさを聞き、お薦めされていた映画「アラバマ物語」を観ました。料理探検家の人浦木明子さんも、もう既に観ていたので映画を観て考えたことを書いてみようと思います。 映画のあらすじをWikipediaから引っ張ってくると、「1962年製作のアメリカ映画。人種差別が根強く残る1930年代のアメリカ南部で、白人女性への性的暴行容疑で逮捕された黒人青年の事件を担当する弁護士アティカス フィンチの物語。当時の出来事を後に成長

          アラバマ物語を観て考えた。

          私の相棒 第一ゴム「フィールドブーツ#1000」

           我が相棒、第一ゴム「フィールドブーツ#1000」(三代目)が、先日の森の撮影の際についに劣化割れし、退役。  毎日履いていたわけではなく、春から秋の間のみ、主に森歩きや菜園作業で使っていた程度だとは言え、写真撮影の立ち座りなど屈曲頻度が半端なく高い過酷条件で、一切の修理無く、なんと9年間も防水を保ちました! はっきり言って、こりゃ凄い。  第一ゴム製品の耐久性については、小売店から「第一ゴムの長靴は丈夫すぎるよ」(=次が売れなくて困る)という声が出る、との逸話もあるよう

          私の相棒 第一ゴム「フィールドブーツ#1000」

          ものがたり

          ヨッシー、小寺さんへ 「ものがたり」 ここ最近、私の周りに沢山の“想い”が あふれています 特に発酵書房を開設しようと決めてから 様々な年代の人たちの物への想いに触れる機会が増えました 捨てようと思っていた物 終活だから片付けなさいと言われた物 古くなって誰も使わなくなった物 なぜかそんな物たちが私の元に どんどん集まってきます   数奇な運命に導かれやってきた『もの』たち 眺めたり磨いたりしていると 自然に『かたり』が始まります どんな人が使っていたのか いつどこで購

          ものがたり

          【お返事】物語について語ってみる。

          音楽の人ヨッシーへ。「物語って。」との語りかけに、こちらからも自分なりに語り返してみようかな。(写真絵本の人・小寺)   ・・・・・・・   物語はつまり「もの・かたり」。   「もの」が「かたられる」。   さてさて、まずは考えてみる。   「もの」とは何だろう? それは「こと」とは違うのか?   (そういえば「こと・かたり」とは言わないな……)   ここで、「もの」の響きにじっと耳をすませてみる。何度も「もの」って音を口から放ってみる。 どうもそれは、なんか“もわっ”と

          【お返事】物語について語ってみる。

          物語って。

          もう8月! 忘れないうちに書いておかねば。 料理探検家の人に教えてもらって、NHKの番組「又吉直樹のヘウレーカ!」 を観たのです。「今、僕たちには音楽がいる!」という回でした。 何と、6月25日放送!一か月以上も前とは。あっという間に月日が過ぎてゆく。 その回はゲストがハンバートハンバートでした。 歌を歌う生き物は鳥とクジラと人間だけ、とか人間の歌の始まりは赤ちゃんが母親を呼ぶところから始まったのではないか、とか。面白い話がいくつかあったのですが、 中でもゲストのハンバー

          物語って。

          スピッツの「醒めない」について

          ポッドキャスト あなぽこ社の社員のスケジュールが合いまして、久しぶりに ポッドキャストを収録しました。 と言いますか、ポッドキャストを収録すると言う名目で写真絵本の人、料理探検家の人に 集まってもらって、お喋りさせてもらっています。 このそれぞれ傾向の違う三人で何かを対象に、モソモソと、ああでもないこうでもないと話す時間。というのが、特にこの世の中とても貴重に、豊かに感じます。 そして、それぞれの見方が僕自身に新たな興味を起こしたり、考えが深まったりして、とても良いので

          スピッツの「醒めない」について

          Yesとクリの木。

          明子さんへ、小寺です。明子さんの書いてくれた「YES」のことを今夜はずっと考えていました。またしても長々と書きますが(ぼくは短く書けない病気なのです)、明子さんへの、また同時に、やっぱり西村くんへのお返事です。 ・・・・・・・・・・・ 昨日、芽室の町の中を歩いていて、役場近くの町立保育所の園庭の隅っこに、真新しいタグがついた何かの苗木が2本、新たに植えられているのを見つけました。    「ふむ、この葉っぱは……」。クリです。クリの木です。     ああ––––。ぼくはしみ

          Yesとクリの木。

          それでも人生にYESと言いたい

          音楽の人、写真絵本の人へ この何日かテレビをつけてニュースを見ることが苦痛になっています。 心をざわつかせることや憤ることばかり。 でも、それが今同じ時間を生きているこの世界の現実です。 アメリカの友人の投稿を読むと苦しみが伝わってきて胸が苦しく熱くなります。 でもそれでもそれでも私は人生にYESと言いたいのだ、と思い至ります。 もうすぐ新しい命を迎える準備をしているのですが、頭の中にはこのフレーズが響いています。 ヴィクトール・フランクルさんの言葉。 「人生には、未

          それでも人生にYESと言いたい

          何ができるか。

          音楽の人・西村くんへ、写真絵本の人・小寺より。 前のnote投稿で西村くんが投げかけてくれた「何ができるんだろう」という問い。考えてみました。いつものとおり長くなりますが、書きます。 ・・・・・・・・ それはまず「知ること」だろうか?   でも、知る方法や機会の数、知るべきことの量、知っておくべきことの精度や確度や深度、その“ベクトル”の向きや強さなど、「知る」ということ一つとっても、いまこの時代、余りにもたくさんの〈可能性〉が自分の前に広がっているように感じられてしま

          何ができるか。

          black lives matter

          あなぽこ社音楽の人、西村です。 これは僕個人の意見ですが、ここにも載せますね。 自分を含め、無知や偏見、差別や社会格差に対して小さなコミュニティとして 何ができるんだろう。 ******* ミネアポリスで起きた警察による殺人に対する抗議デモが全米に飛び火しています。 人種差別による暴力なんて許されるわけありません。それが黒人であろうとなかろうと。 社会の構造として、奴隷として人種差別が組み込まれ分断が進んで、格差が進む。 コロナ禍と合わさって、鬱憤が溜まっていた所に怪しい

          black lives matter