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鉄道車両デザイン共創ワークショップ 川崎車両ー 課題解決Pシーズン4 振り返り

川崎車両株式会社 濱田秀之さん・田中誠人さん

参加の動機を教えてください

かねてより人口減少時代の鉄道の課題に対する解決方法を検討しており、且つ、鉄道に求められるデザインの役割の変化も感じていたことから、今回の手法を思い描いていました。本プログラムは、そのアイデアを試す良い機会だと考え参加しました。

どんな課題に取り組みましたか

人口減少時代において、地域から愛着を持たれる魅力ある鉄道の実現に向けた、従来とは異なるデザイン手法検討に取り組みました。従来と異なり、一般利用者も含めデザインのアレンジを考えるものです。色形のデザインの検討だけでなく、対象となる鉄道へ愛着を持つ人、関係人口の増加を目的とします。方法としては、一般利用者参加型のワークショップでデザインのアイデアを考えるというものです。本プログラム内ではその企画からトライアル実施までを取り組みました。

6カ月の活動内容、活動の成果、今後の事業の展望・目標を教えてください

5月、アンカー神戸の担当者様、メンター様と面談の上、キックオフ。
まずは、企画に協力いただける鉄道事業者様を探し、神戸電鉄様に応じていただけることとなりました。
その後、企画の精緻化として、ワークショップの時期や会場、テーマについてなど詳細化を行いました。
8月には、ワークショップ参加者募集に向け、募集要項の整理を行い、募集開始。
その後ワークショップまでは、参加者への事前課題の対応。ワークショップ参加者様には、事前課題として周囲の方10名から鉄道に対する考えを集めることで巻込みを行っていただき、“二次参加者”として関わる人を増やしました。二次参加者から意見を集めることで、ワークショップ参加者様には考えを深めた上でワークショップにきていただくこととしました。
加えて、ワークショップ実施に向け、社内の協力者との打合せ、準備物などの対応を行い、10月の本番に臨みました。ワークショップは参加者皆様のご協力もあり、非常に盛り上がりました。
今後は、社内で車両デザイン開発の手法の一つとして確立していきます。

実際に鉄道車両内で行ったワークショップの様子

メンターはどのような存在で、どのような気付きを得ましたか?

メンターの秋田様には、当方の立場や状況を理解していただいた上で、出来ること、また多少無理しても実現すべきこと等様々なアドバイスをいただきました。応募しやすい募集要項の内容やワークショップを盛り上げるための発表用紙のデザインなど。中でも、ワークショップ参加者が自身の周囲から二次参加者を集め事前に考察を深める方法を提案いただけたのは一番の収穫でした。結果として合計100名以上の声をワークショップでアイデアに反映することができました。会場参加できる人数には制限があるが、事前課題を通して参加者自身が多様な価値観を得た上で参加していただけ、その結果ワークショップで出たアイデアも質が高かったです。

活動を終えての感想を教えてください

社内だけで進めようとしても上手くいかない、もしくはトライアルのワークショップ実施までももっと多くの時間がかかっただろうというのが率直な感想です。神戸新聞社の大前様、メンターの秋田様はじめ、企画にご理解、ご協力いただいた神戸電鉄様、終始協力的でいていただけた参加者の皆様のお力添えなしにはトライアルもままならなかったと想像します。今回、ワークショップ自体の効果は検証が出来たので、今後はビジネスモデルとして成立できるよう検討を進めます。アンカー神戸のプログラムは別件でも活用したいです。

事務局担当より

濱田さん、田中さんは日頃の多忙な業務の合間に当ワークショップに取り組まれ、頭の下がる思いでした。メンター秋田さんからの助言にも阿吽の呼吸で対応され、みるみるうちにプロジェクトは進んでいきました。特にワークショップの組み立てや進行について、これまで培われてきた手法や経験もあって、非常にスムーズだったと感じています。参加者アンケートの満足度の高さも、このトライアルの質の高さを物語っていると思います。ぜひ新しいビジネスモデルとして確立していただきたいです。
(アンカー神戸シニアマネジャー 大前哲)

メンター

秋田大介
株式会社イマゴト 代表取締役

神戸市職員(2023年3月に辞職し起業、専門は都市計画・まちづくり、環境・エネルギー)として、21年間様々な分野で企画・政策立案に携わる。役所の業務外で、社会課題解決を自らプレイヤーとしても行うために、ダイバーシティを目的としたNPOの設立や、防災のための社団法人の設立、まちのクリエイティビティの向上のためのアートプロジェクトの開催なども行う。
現在は株式会社イマゴトで、社会課題解決のために、産官学民のセクターを越えた共働や協業のコーディネートを行っている。
◆肩書き
 行政:総務省(地域力創造アドバイザー)
    神戸市(環境創造課長2022年度まで)
 連携:官民連携事業研究所(社会課題解決コーディネーター)
 防災:一般社団法人アスミー(代表理事)
 多様:NPO法人須磨ユニバーサルビーチプロジェクト(副理事長)
 学術:NPO法人ミラツク(研究員)
    大阪大学大学院工学研究科環境工学専攻(工学修士)
    京都芸術大学大学院学際デザイン研究領域(芸術修士)
 藝術:Kobe Mural Art Project実行委員会(代表)
 受賞:HOLG地方公務員アワード2019
    地域に飛び出す公務員アウォード2018

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