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第44回日本ハンドボールリーグ開幕戦 ゴールデンウルヴス福岡v大同特殊鋼 ゲームリポート

日本ハンドボールリーグに今シーズンから参入したゴールデンウルヴス福岡
開幕節は地元福岡うきはアリーナに大同特殊鋼を迎えた。

リーグ開幕セレモニーには
JHLの吉田実会長、うきは市の髙木典雄市長が駆け付けた。

初戦のうきはアリーナには288人のサポーターが集まった。
ハンドボールを初めて見るというサポーターも全体の2割くらいいただろうか。

ゲームは大同特殊鋼が9連続得点でスタートダッシュを決める。
一方のウルヴスはリーグ参入初戦、ホーム開幕戦からか地に足がついていない時間帯が続く。
ハンドリングエラーやパスミスなどのターンオーバーが目立った。

ウルヴスの『歴史的初得点』は14分49秒
#99 伊藤極(いとう きわむ)の右手から放たれたショットが決まった。
この日誕生日を迎えた伊藤が自らバースデーショットを決めたのだ。
ゲーム後、伊藤はボールが社会人とトップリーグで
硬さが違うことに違和感を感じていたと語った。
ボールのフィット感だけでもショットに少なからず影響が出る。
そこで結果を出していくことで伊藤本来の攻撃力が
トップリーグに対抗できる時はそう遠くはなさそうだ。

ウルヴスはその伊藤に積極的にボールを集めるが
大同特殊鋼は伝統の5:1DFではなくオーソドックスな6:0DFで封じ込めた。
日本代表の東江雄斗もカットイン、ステップ、ディスタンスと
ウルヴスのDFはポストプレイを3人がかりでも止められなかった。

前半は4-19で折り返す。

後半、大同特殊鋼はセットを入れ替えて
若いメンバーがコートに立つ。
ルーキーの佐藤快や康本侃司にもチャンスが回ってきて
ふたりともリーグ初得点を挙げる。

もちろんベンチも大きく盛り上がっていた。

一方のウルヴスは徐々に緊張感がほぐれてきたのか
ディフェンスからのファストブレイクも形としてはできる場面があったが、
フィニッシュまで結びつけることがなかなか出来なかった。
その口火となったのはかつてドイツでプレーし、日本へ帰ってきたGK稲本圭亮だった。稲本の好セーブにアリーナは大いに沸いた。

終了のホーンが鳴るまでウルヴスの選手たちは
山中基監督が開幕記者会見で話していた
最後まで「下を向かず、前を見てプレーする」ことに徹した。
大同特殊鋼の地引貴志監督も
「ウルヴスの最後までボールを追いかける姿勢は見習わなければならない」と話した。

最終スコアは11-32
点差は開いたが288人のサポーターは大きな拍手を送った。

<ゲーム後コメント>
○大同特殊鋼
・地引貴志監督
福岡は若くて勢いがあり積極的にDFを仕掛けてくるチーム
後半は修正してきたところをつかれた
自分たちも初めてなので未知の部分もある。
最後の最後まで押して戦っていたところは学ぶ部分だと思う

今シーズンは千々石選手の引退を受けて6:0DFを作って『全員戦力化』を図っている
5:1DFではなくても対応し堅守速攻できるチームにしたい。
今シーズンのキーは小澤・瀧澤(DFでは3枚目)
相手関係なく自分たちのゲームをしたかった。
5月の社会人選手権@福井の結果を受けていろいろ当てはめていったが
まだできていない部分が多い。
きょうの試合は50点。
まだ物足りないのと3人ほどけが人がいたのもある。
リーグデビューのときは「何やっているかわからなかった。開幕戦での得点は覚えている」

・東江雄斗
どんな相手かわからなかった自分たちのプレーを徹底したが後半は中だるみした。
50:50な気持ちである。
福岡は身長はそこまでないがスピードがあったり
プレーを理解している選手が多くいい印象があった。

今シーズンはここ最近プレーオフ優勝がないので王座奪還がまず目標
昨シーズンは獲れなかった個人タイトルを獲って
チームの勝利に貢献できるプレーで引っ張りたい。

・瀧澤尚也
福岡の印象は新鮮な相手だった。
キャリアの差がでたのではないかと思う。
前半でいい流れで攻守ともできたが後半はバラバラになってしまった。
自分が要所に入ることになって3:2:1DFはいいが
6:0DFがもっといい形になっている
ポイントに絞れてできたと思う。

・佐藤快
初得点は嬉しかった。
今シーズンは身長は高くないのでフットワークと駆け引きで
相手のリズムを止められるDFになりたい。
まだフィジカルで劣っている部分があるのでそこを強化したい。

●ゴールデンウルヴス福岡
・山中 基監督

多くの方の前にプレーできたことに感謝したい
大同とたたえたことに光栄に思う
率直に言って完敗。
緊張している時間が早く解けたらもっとできたと思う。
選手には場数を踏んで戦っていく中でともに成長できればと思う。
普段の練習の成果が空気に飲まれて発揮できていない。
伊藤が空を切るショットが多かったがそこを修正していけば
いい試合、いい勝負ができると思う。

正直11点取れたとは思っていない。
点数が動いたのは相手が選手を替えてきたからなので
11分余り得点できなかったのが本来のゲームだと思う
選手が代わった中で小さな成功体験があったことだけでも収穫だと思う。
その時間をいかに増やしていきたい。

練習量が少ない中で同じ土俵で戦っていることを選手たちには意識してほしい。
パスミスはメンタルではなくフィジカルの部分だと思うのでそこを強化したい。

駆け出したチームなのでひとりでも多くの方にハンドボールを見てほしい

・野口智秀主将
たくさんのお客様に足を運んでいただき感謝している。
はじめての対戦でどのくらい戦えるか確認できたのはプラス。
その差を実感しながらどのように戦えればいいのかを再確認して戦っていきたい。
自分たちでまだまだやれると思った。
大崎戦に向けてはやることは変わらない。まずは1プレー1プレーを大事にしたい。

・伊藤極(ゴールデンウルヴス福岡の記念すべき初得点・この日誕生日)
自分の職場の人たちが応援に来てくれることがうれしい。
仕事はワイワイやれているのでそこは苦ではない。
試合前から緊張が止まらなかった。
自分のショットを打たせてもらえなかった。
最初から最後まで当たり負けしていて
大同のピヴォットを3人で止められなかったので
まずはフィジカルを強化したい。

次の大崎戦では12点以上取って失点を減らしたい。

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