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第3回おりおりめぐり~亥の子餅~

11月ですね。寒くなって服装も変化したり手がかじかんだりと、少しずつ"暖"を求める季節となって参りました。
少し小話なのですが、おりおりめぐり担当のやましきは茶道を習っておりまして、11月は炉開きという一つ大きなイベントがございます。畳の上で行っていた夏のお点前(おてまえ)から畳の一部を開けて行う冬のお点前に変わるのです。これにより夏のお点前のときよりもお客様にお釜の位置が近づくことになります。暑い夏は暖を遠ざけて寒い冬は暖を近づけていくという所以だそうです。(日本人のおもてなしの心が伺えますね…!✨)実はこの炉開きも今からお話するある和菓子との縁があったことを知りましたので、ぜひお伝えしたいと思います!^^

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歳時記を見ると、11月に特に取り上げられているのがこの和菓子「亥の子餅」です。亥の子の祝いとして作られていたもので、新米にその年に収穫された穀類を小さくし混ぜて餅にして作られており、見た目はウリ坊に見立てられています。亥の子の祝いは中国から日本に平安時代に伝わった行事で、かの源氏物語にも登場するんだとか。亥の月(旧暦10月)の最初の亥の日、亥の刻(午後9~11時)に行われ、子どもをたくさん産むイノシシにあやかって子孫繫栄や無病息災を祈願し、収穫祝いを行う行事だったそうです。2021年は11月11日でした。皆さん召し上がりましたか?^^🍡

ところで、先ほどお話した炉開きとは一体どんな接点があるのでしょう。亥は陰陽五行説(万物は水、金、土、火、木の五要素からなるという思想)では水にあたり、火に強く家も火災から逃れられるとされたため、亥の月の亥の日に炬燵を出したり炉開きを行っていたそうです!

亥の子の祝いは主に西日本に浸透しており、東日本では前回の記事でも少し触れた3回目のお月見「十日夜」がそれにあたります(日程は旧暦の10月10日を指し、2021年は11月14日でした)。十日夜はお月見がメインの行事ではなく、穀類の刈り上げ祝い(収穫祝い)・豊穣祈願が目的となります。 私は家の中で亥の子餅を食べましたが、両地域の風習を取り入れて月を見ながら食べればよかったかな~と今更ながら思います(笑)

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(それにしても "いのこもち" あー、かわいい響きですね🐗🍡)

とても個人的なことになるのですが、私やましきは亥年生まれなので、昔からイノシシにはシンパシーを感じずにはいられません✨ お恥ずかしながら亥の子餅を知ったのは最近になってからですが、、、知ったからには愛していきたいと思います。これから毎年亥の子餅を食べます!^^皆さんもぜひ、無病息災祈願のおともにいかがでしょうか🐗


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