プレ紙_日建-01

[前編]ノートPCって何を買えばいいの?

今回は建築学生のノートパソコンに絞って解説していきます。

※個人的な意見ですので一参考程度に見てもらえると幸いです。

■はじめに


建築学生は高いPCを使ってる人が多いですよね。
PCであれこれやりたいと思うとものすごくお金がかかります。私も学部3年の半ばに自分のPCを買いましたが当時26万円くらいした気がします。ものすごく頑張りました。

最近ではLumionやOctaneRender、TwinmotionなどGPUレンダリングが流行っています。
この辺りはGPUが無いと動かないソフトなので最初にあんまり考えずに安いPCを買うと動かなくて使うのを諦めるということがよく起きます。
今後何がしたいか、次の学年で何がしたいかをよく考えて買わないと買いなおしとなるケースがかなり多いので要注意です。

よくあるケースとして
・macbook Airを購入し卒業設計寸前で買い替え
・学校指定のPCを購入し卒業設計寸前で買い替え
・CADソフトのアップデートにともない、PCが要求スペックを満たさなくなり動かなくなる

などなど、こういったケースが多発します。

特に学生生活の中で
・技術力が上がりやりたいことが出来ない
・手を出したいソフトに手が出せない

等毎年のように起きてきます。これらは表現力を大きく損なうだけでなく悔しい思いをすることになります。

当記事ではPCを買う際の簡単な参考になればと考えています。
そこそこマニアックな内容になりますので、よくわからないという人はこの結論だけ見てもらえればいいです。
後編ではもう少し掘り下げて書いていきます。


■簡単な用語と選びかた・目安


書いてることが少しマニアックになるので先に結論を書きます。
ここだけ読んでいただいてかまいません。詳しくは後編で解説しますので気になる方だけ読んでいただければと思います。

CPUやGPUなどややこしいですが基本の事だけ書いていきますので、ここだけは面倒ですが読んでいただけると良いかと思います。

CPUについて
CPUというパーツがあります。型番が沢山あって最初見たときにはよくわからないと思いますが一つだけ覚えてほしいことがあります。
例えば、i7-9850Hという型番のCPUの場合
末尾のHが付いているものがCADなどのソフトに向いています。世代によって違いますがなんとなくHやHK、HQ、KがついていたらOKという認識で大丈夫です。
まずはこれを覚えておいてください。

逆にUやSが付いている場合は性能は低いけどバッテリー長持ちなPCとなりますので、CADやフォトショ作業に向きませんので買う際は注意してください。

後Mac限定の考え方ですが
本気で設計をするなら
Macbookpro 15inchのグラフィックボードを積んだもの一択です。

ストレージ容量
容量は500GBを目安に購入すると良いかと思います。
大体の学生が500GB+1TBの外付けHDDという構成になるかと思いますので、外付けHDDを持ち歩くのが面倒というかたは思い切って1TBにすると良いと思います。

■結論

やりたいこと別PC分類
ソフト等含めてやりたいこと別に書いていきます。
該当するものがあればそれを選んでもらえればと思います。

①Lumionを使いたい
OS:windowsのみ
CPU:i7,i9,xeonの6core以上のもの
GPU:RTXで予算が許す限り数字が大きいもの
メモリ:16GB~32GB

②ArchiCAD,Rhinoが使いたい
OS:mac,windows
CPU:i5であれば4core,i7であれば6core以上のもの
GPU:無くても動くけど可能ならQuadroシリーズを積んだもの、だめならRTX
メモリ:8~16GB

③イラレとフォトショだけでいい
OS:mac,windows
CPU:i5以上
GPU:Quadro,RTXどちらでも
メモリ:フォトショガチ勢なら16GB、ゆるゆる勢なら8GBでも足ります

④論文を書きたい
OS:どちらでも
CPU:i3以上
GPU:研究内容によって必要
メモリ:8GB

解説
①Lumionはソフトの中でもかなり重たい部類になります。最近は大手ゼネコンや組織設計でも導入されていてかなり認知度があるソフトだと思います。
こちらはGPUレンダリングのソフトですのでかなり予算がかさみます。ついでにmacにはソフトが非対応(2019年現在)なのでwindowsしか選択肢が無いという状況になります。
かなり気合を入れた予算構成になりますので相応の覚悟と事前リサーチが必要です。
予算が大暴れになりますがゲーム用PCの方が傾向として安くなるので18万~くらいの予算感だと思います。
本気でするなら30万くらいになります。

②この辺りは3DCADを使う人がメインとなります。多くの学生がこの辺りのPCを買うことになると思います。GPUもCPUもガバガバなのは特に無くても動いてしまうからです。
例えば、4~5年前の13inchiのmacbookpro等で15階建ての建物を家具込みでモデリング出来てましたので、今のPCなら大概動くと思います。一方で本気で設計をしたい、一位を狙いたい、ソフトの機能をフルに使いたいという人は恐らくi7で全部モリモリになると思います。
とりあえずそこそこでいいよ、って人はi5でGPU無しで問題ないかと思います。
14万円くらいから25万円くらいの予算感かと思います。大体20万円前後になるかと思います。

③こちらはフォトショの内容によります。特にレイヤー数が多くなる方、手書きをスキャンしてフォトショで色塗りをしたい方はメモリが16GB必要になってきます。
こちらは表現したいものの上限に合わせて予算を組むのが良いと思います。
安ければ10万本気でするなら15~18万円くらいでしょうか。②の構成に近くなる事が多くなります。

④論文だけならi3があれば十分です。数100ページを越える場合は別ですが多くの場合は事務用のリーズナブルなPCで問題ないです。

以上が結論となります。
①②あたりを買う学生が多いと思いますので、ぜひお金を貯めて買っていただければと思います。
重いけど性能をとるか、軽いけど性能を捨てるか、軽いし性能も高いけどめちゃめちゃに値段が高いかの三択になると思いますので、
・なんのソフトが使いたいか
・どれくらい設計を頑張るか
・どれくらい自分に投資できるか
・重さにどれくらい耐えられるか

を十分検討していただいて購入していただければと思います。
思っているより自分の技術力は成長しますので最初の1~2万をケチって後から後悔するよりも、ギリギリまで背伸びをした方が使用期間を幸せに過ごせると思います。
自己投資になりますのでコンペの賞金で回収する!、就活で回収する!くらいの意気込みで思いっきり背伸びしたほうが良いと思います。
私は就活で回収しました。

※[後編]からはちょっとマニアックなお話になりますので読み飛ばして頂いてもかまいません。

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