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The Eddyで注目、女優・アマンドラ・ステンバーグの魅力

「ララランド」のデミアン・チャゼル監督のNetflixドラマ「ジ・エディThe Eddy」で主人公の娘ジュリーを演じるアマンドラ・ステンバーグの紹介記事です。

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1.アマンドラ・ステンバーグ Amandla Stenbergのプロフィール

1998年生まれ、ロサンジェルス出身
グリーンランドのイヌイットの母を持つデンマーク人の父とアフリカ系アメリカ人の母のもとにロサンジェルスで生まれ育つ。サウスセントラルの端で育ち、父親は地元で唯一の白人男性である黒人の多い環境で育ち、学校は白人ばかりの学校に通っていたと語る。
Amandlaはマイルス・デイヴィスのアルバムタイトルから名付けられた名前で、意味は南アフリカのズールー語とコサ語で「力」
4歳からモデルを始め、11歳の時「コロンビアーナ」でゾーイ・サルダナ演じる主人公の子供時代を演じ映画デビュー。
2012年、12歳でハンガー・ゲームのルー役で有名になる。キャスティングの際、原作で「暗褐色の肌と瞳」と表現されているルーにアマンドラがキャスティングされ、「ルーが黒人になるって知った後、彼女の死はそんなに悲しくなかった」などとSNS上でコメントされた。後にアマンドラは初めて人種差別に遭遇し、Nワードを言われたのはこの時が初めてと語っています。

自分がどう見られているかを考えたとき、黒人であることがわたしのアイデンティティにおいてこんなにも重要なことなんだと、あのとき初めてわかったの。そして、これからやりたいと思うあらゆる仕事に、黒人であることがこんなふうに影響するということもわかった。
気が付くと自分が、かたちばかりの黒人キャラクター(訳注:欧米の映画・テレビドラマなどでは差別的であるとの批判をかわすためにマリノリティの役を置くことがある)になってることがよくあるんだけど、それをものすごく重荷に感じることもある。自分の髪の毛が、あまりにも大きすぎるように感じてしまうことも確かにあったし、なんていうか、自分をもっと
──小さくなっておかなきゃ、って?
そう。もっと小さく、「消化」されやすくしなきゃって思った。それは、いまだに悩んでいるのだけど。
でも正直なところ、そういうものをソーシャルメディアがいろんな意味で変えてくれたんじゃないかな。だって以前なら、自分のことを代弁してくれる人がいることを感じようとするなら、映画やテレビや音楽や芸能人に頼るしかなかったわけでしょう?

引用元:https://wired.jp/special/2016/girl-power/

2015年、高校の授業で制作した「Don't cash crop my cornrows」(私のコーンロウを金儲けに使わないで)を自身のTumblrにアップしたところ拡散し、全米の話題を集める。
この動画では、白人が黒人の髪型ーブレイズ、コーンロウなど(黒人の髪質にあった髪を保護するための髪型)をするとクールと言われるのに黒人がすると就職に支障が出るということを2000年代初期のヒップホップカルチャーの流行の歴史を絡めて伝えています。また、アフリカ系アメリカ人が作った文化がアメリカで他の人種に使われる一方、いまだに起こる警官や自衛団による無実または微罪の黒人男性殺害事件についても述べています。他者が作った文化を引用するときは引用元に敬意を払いクレジットを載せようと彼女はこの動画で提言しています。「アメリカが黒人文化を愛するくらい黒人を愛したらこの国はどんな姿になるだろうか?」と締め括られます。  

2016年からニューヨーク大学在学中。
2017年、バイセクシャルと公表

2018年、改めてゲイと公表。King Princessと交際。

また、時折歌手としても活動していて2017年にはMac DeMarcoのカバー「Let My Baby Stay」をリリース。「エブリシング」や「ヘイト・ユー・ギブ」などの出演作のサウンドトラックでも度々歌声を披露しています。

活動家としての側面が注目されがちな彼女ですが、(彼女のヴィジョン抜きに彼女のフィルモグラフィーは構成されていませんが)単に女優としても才能豊かです。

2.アマンドラの魅力

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アマンドラの魅力はどの映画の映像にもハマる「画面馴染み力」と主役も張れるカリスマ性を持ちながら脇役でも主演の邪魔をせず作品全体の良いアクセントとして機能する演技をするところ。SF,ラブストリー、戦争もの、社会派青春映画、大人のドラマにもハマります。特に「16歳、戦火の恋」で演じた大人しいドイツの女の子レイナと今時のギャルい話し方をする高校生、スターのギャップは驚きました。スター性は抜群なのに脇役でも悪目立ちしないんですね。「ハンガー・ゲーム」では齢12歳にして作品の残酷なシステムを表す役を熱演し、有名になりました。そしてどの映画でも全く違う人のように見え、主演でも脇役でもその役の背後の人生を感じさせる演技ができるのが彼女の強みです。
普段の笑顔と知的な話し方、少し低めな喋り声と「The Eddy」で披露した美しい高音の歌声も魅力的です。また、童顔なので長い間10代の役を演じられるのもアドバンテージです。  


3.出演作レビュー(日本で見られる作品は網羅)

ここから私が観た彼女の出演作を時系列順にレビューします。

コロンビアーナ( 2011)リュック・ベッソン監督

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両親の命を奪ったマフィアに復習すべく凄腕の暗殺者となった女性の人生の映画。アマンドラは主人公カトレア(ゾーイ・サルダナ)の幼少期を演じました。ノースタントでこなしたパルクールでは、体操選手ばりの彼女の身体能力の片鱗が見えます。  

ハンガー・ゲーム (2012)

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この作品でアマンドラを知った映画ファンは多いのではないでしょうか。私もです。生き残りをかけたサバイバルゲームで主人公カットニス(ジェニファー・ローレンス)と行動を共にする少女ルーを演じています。彼女の迫真の演技に泣かされました。

こちらは12歳のアマンドラがスウェーデンのハンガー・ゲームファンに宛てたメッセージ。自身の父方のルーツについて語っています。  

https://hungergamesweden.blogg.se/2011/april/exklusiv-uttalande-fran-amandla-stenberg-med.html

ブルー2 トロピカル・アドベンチャー(2014)

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ブラジルを舞台にしたアオコンゴウインコの一家の冒険もの。Bruno Marsやジェネール・モネイが参加したサントラが豪華で楽しめる作品です。ブラジルの社会問題も背景に描いていて、うまい作りの作品です。アマンドラは一家の娘ビアの声優を担当。


As You are (2016) グランジムードが漂うインディ映画 

マイルス・ヨリス=ペイルフィット監督

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1994年、カート・コバーンが死んだ年。其々の父と母の同棲をきっかけに一緒に住む事になり惹かれ合うジャック(オーウェン・キャンベル「ミスエデュケーション」)とマーク(チャーリー・ヒートン「ストレンジャーシングス」)その2人とつるみ、マークと付き合う事になるサラ(アマンドラ・ステンバーグ)。  

アメリカの男の普通が破壊する関係。ある人物の不在の中、現在の事情聴取の映像と甘い思い出と暴力が入り交じる過去パートで構成されています。タバコを吸う唇に指を沿わせるシーン等友情と恋が混じる関係の描写が上手いです。本作は低予算だからDIY感ある映像だけど構成が工夫されていて鬱屈とどん詰まりの町の中にもある美が映っている画で最後まで退屈しませんでした。グランジの雰囲気が溢れている映像です。
オーウェン・キャンベルが熱演。チャーリー・ヒートンのカリスマ性が映画を牽引しています。アマンドラはここでも助演でいいアクセントです。
これが23歳の時のデビュー作のマイルス・ヨリス=ペイルフィット監督は自身もクィアと公言しています。マーゴット・ロビーの主演作Dreamlandを撮影後、「タンクガール」リメイクの監督候補。20代にして飛躍が素晴らしいので今後要注目の監督です 。その後彼が手がけたドラマシリーズGaslightにアマンドラも出演しています。

エブリシング (Everything, Everything) (2017) 

ステラ・メギー監督 アマンドラの魅力炸裂なキュートなラブストーリー

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病気のため十八年間家から出られずに過ごすマディが隣の家に引っ越してきたミステリアスなオリー(ニック・ロビンソン)にメールを交換するうちに惹かれて行き、恋に全てのリスクをかけるというストーリーです。命...人生...恋全てはリスクだけど、人生って素晴らしいなと思える作品です。原作者のニコラ・ヨーン、監督のステラ・メギー、主演共黒人女性という今のハリウッドではまだまだ珍しい作品。恋してから生命力あふれる主人公が本当に可愛い。


ネオ・ヨキオ (2017-2018)

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エズラ・クーニグ(Vampire weekend)製作

存在自体がmemeNetflixアニメシリーズ。セレブ悪魔払い士のイケメン、カズ(ジェイデン・スミス)が悪霊退散しながら恋におしゃれに浪費に大忙し⭐️な話。重い出来事があったときの息抜きにどうぞ。アマンドラは共産主義にかぶれるインフルエンサーを信奉する女の子役で1回出演。ジェイデン・スミスとVampire weekendと親交があるから出たのかな?

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16歳、戦火の恋(2018)

アマ・アサンテ監督 (ベル ある伯爵令嬢の恋)

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混血の少女とナチ将校の息子の秘密の恋。実際にナチスドイツに迫害されたアフリカ兵とドイツ人女性の間に生まれた「ラインラントの私生児」たちに着想を受けた映画。彼らは不妊手術を受けさせられ、投獄の対象となりました。他の子と同じように育てたいと言う強い母の愛、内面化した差別、「ドイツ人」として認められたいと言う主人公など現代の日本に暮らす見た目が異なる日本人の子供の境遇に通じるシーンが幾つもあります。
些細な禁止事項から迫害は加速していきます。姉が大好きな白人の幼い弟(トム・スウィート「シークレットオブモンスター」)は嫌々法律で決められたヒトラーユーゲントに参加しますがどんどん差別的な思想を持つようになり変容し、彼女自身も良いユダヤ人とユダヤ人は差別されるのがデフォルトだが親切な人は例外、という趣旨のことをいいます。母(アビー・コーニッシュ「ブライト・スター」)が彼らに言う「彼は良いユダヤ人だったから殺されなければ良かったんじゃない人間だったのよ」と言う言葉が重いです。
公開前にナチをヒューマナイズするなと炎上しましたが、この映画でナチの将校は隠れて敵性音楽のジャズを聴き、黒人の少女はナショナリストで彼女を愛する青年はロシア人なら殺すのは簡単と言います。そもそもナチスは人間だから普通の人間らしくて当たり前。差別の複雑さを描いた映画です。
「エリザベス」でアカデミー撮影賞を受賞したレミ・アデラファラシンによる端正な映像と誠実な演出、アマンドラ・ステンバーグ(the eddyと全然違う!)とジョージ・マッケイの若い2人による名演といい、広く観られるべき映画だと思いました。

ダーケスト・マインド (2018)

ジェニファー・ユー・ネルソン監督(カンフー・パンダ2)

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カンフーパンダ2のジェニファー・ユー・ネルソン監督の初実写映画。脚本がガバガバで決して良作ではありませんが駄作というにはもったいない、印象的なカットとクールなカーアクションがある魅力のある映画。アマンドラ・ステンバーグ、ハリス・ディキンソン(ブルックリンの片隅で)、スカイラン・ブルックス(ゲットダウンのラーラ)をはじめとする若手俳優たちのケミストリーが良いです。4人がバンで移動し、荒廃したモールで遊ぶシーンはチャーミングでした。東京生まれの子役ミア・チェッシは今後の活躍に期待です。

ヘイト・ユー・ギブ (2018)激推し!

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ジョージ・ティルマン・Jr監督

個人的にアマンドラの現時点でのベストアクトです。主人公の怒り、悲しみ、逡巡が非常に説得力を持って伝わってきます。警官による無実の黒人射殺事件というテーマを取り扱いながら、幼なじみの高校生を主人公にすることで普遍的な思春期の自己実現の青春映画でもあります。万人におすすめ。

タイトルはラッパー2pacの言葉”The hate give you little infants fuck everybody “お前が小さな子に植え付ける憎しみが皆を蝕むから。この文の頭文字はTHUG LIFE .
小学生の子供達に黒人の父親が警察に職務質問された時の対応を話すシーンから始まります。理不尽な世の中でも黒人であることの誇りを絶対に忘れるな
自分の権利と価値を知るんだ
主人公のスター(アマンドラ・ステンバーグ)は90年代ヒップホップとナイキのスニーカーが大好きな女の子。
低所得者が多く治安が悪い地域から兄妹で白人の多い私立の進学校に通っています。
学校ではスラングは使わず、コードスウィッチングしています。スラングは白人が使ってもクールだと私が使うとギャングだと思われるから
そんなスターが幼馴染を警官に目前で銃殺され、彼の裁判で証人になります。幼馴染がギャングの元で麻薬の売人をしていたとテレビで発言したところからチクリと地元のギャングから攻撃の標的となります。
黒人の警官が事情聴取もする前に黒人を地面に押さえつけるシーンがあります。複雑な現実の問題を複雑なまま提示した映画です。
ギャングに攻撃され負傷した黒人少年を乗せる車が黒人少年を殺し無罪になった警官に抗議する行進で進めなくなるシーンが象徴的でした。考えることが多すぎて
彼を知らなかった人たちが記号となってしまった彼の名を語る中、可哀想な子と思われたくないスターは学校では不安の中沈黙を貫きます。一方、学校をサボる口実に殺人に対するプロテストを使う白人の生徒たち。
黒人にも非があるってこの映画のレビューをみましたが白人が外出自粛の中デモを起こしても撃ち殺されてないのにジョギング中の黒人男性は殺されたニュースは見てますか?
アメリカで白人はそのうちの何人かが犯罪を起こしても個人の問題として取り扱われますが、1人の黒人が犯罪を起こすと黒人全員が犯罪者予備軍扱いされ、市民として守られません。そのため警察と黒人の間に信頼関係が生まれず、犯罪がさらなる犯罪を呼びます。黒人同士の犯罪は”black on black crime"と言われます。白人だと個人の問題なのに。
殺害した警官よりも被害者が現場と関係ない場でした事ばかり報道するメディア これはトレイヴォン・マーティンさん殺害事件の時の日本のメディアもそうでした。
殺された人はこれからできるはずだったこともできず、敵味方どちら側にとっても、直接知っていた人以外には、かけ離れた記号になってしまう。
黒人の真似をしても白人特権は変わらない
Nワードを使わなくても差別はできる。
憎まれることより憎まれることが罪だ でも連鎖は断ち切れる。”  

決して忘れず口を閉ざさない 私の過去も私のルーツも変えられない ありのままの私でいい
ありのままの私でいいと言うよく聞く言葉がこれほど説得力を持つ映画を他に知りません。  

映画としては、説明台詞がいくつかあり(これはアフリカンアメリカンでない若者に彼らから見た社会を教えるためだから仕方ないかな)少しもたつきますが、印象的なセリフがいくつもありました。ホグワーツは色で別れて挑発しあってるギャングと一緒だとか
Nikeの靴箱を宝物入れにするなど細かい小道具の使い方もよく、そして演者が子役含め全員上手いです。
デトロイト、ユーフォリアにも出演していたアルジー・スミスもいい仕事をしています。
警官の主人公のおじ役にラッパーのコモン、弁護士役にイッサ・レイ(インセキュア),主人公の彼氏役にKJアパ(リバーデイル)とスター集結のキャスト。

Netflixドラマ ジ・エディ/The Eddy 

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デミアン・チャゼル監督製作総指揮 他EP監督にウーダ・ベニャミナ(ディヴァイン)など
自分と戦ってた 人のことを置き去りにするようにこの言葉が全て。
パリでジャズクラブを経営するかつての天才ピアニスト、エリオット。殺された親友のファリド(タハール・ラヒム)が犯罪組織から借金していたことを知り、犯罪に巻き込まれていく、洒脱なジャズが軸のクライムドラマです。彼のトラブルと同時に、性的虐待と兄の死のトラウマを負う娘のジュリー(アマンドラ・ステンバーグ)もパリにやってきて、彼の人生は複雑を極めます。その複雑で苦い人生を送る人々の生活の中に慰めとしての音楽の演奏があり美しいです。登場人物は皆落ち込んだ時、仲間を励ます時に楽器を手にします。それこそが音楽、ダンスの起源ではないかというように。地に足がついた芸術の精神を描いたドラマとして好きです。いつもの絵画のようなどこをスクショしても決まる「セッション」のようなチャゼル監督作品を期待すると肩透かしするかもしれません。私は家族のごたごたの撮り方、良い意味でラフだけどエネルギーの満ちた画にケシシュ監督作を想起しました。
アフリカ、アラブ、東欧文化が入り混じったパリのジャズシーンも楽しい。ジャズクラブの独特な熱気が宿る映像と洒脱で巧みな演奏が良いです。今ライブハウスに行けないからあの熱気が懐かしく思いました。 パリのムスリムの生活等、多様な文化の表象も自然で、演者が全員うまく、家族間のイライラがとてもリアルです。会うたびに相手が絶対言われたくないことをお互い言ってしまう親子二人。このドラマの一度距離を置いた方が仲良くなれる描写も好きです。他者に接する家族を見てその人への愛を思い出すところが良いです。特にジュリーが昔の父の演奏を見るシーンは感動しました。
アマンドラは今まで聡明な良い子を演じることが多かったですが、ジュリーは荒れて理解者が一人もいないような子供です。こういう彼女をヨーロッパ映画の画面の中で見たかった!出番もたっぷりあるので彼女のファンはぜひ。

現在構想中の企画
ストレイト・アウタ・コンプトンの脚本家ジョナサン・ハーマンによる映画「悪魔の恋人」(1996)のリメイクに主演予定。
オリジナルはリース・ウィザースプーン演じる16歳の少女が訪れたクラブで出会った青年(マーク・ウォルバーグ)と恋に落ち、彼を不審に思った父親の反対にも耳を貸さず付き合うがその青年は狂気に満ちた本性を現し殺人にまで手を染めようとする
だそうです。リメイク版はこの作品をアップデートしたものになるそうです。

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個人的に出て欲しい映画
もちろん女同士の恋愛映画に出て欲しいです。「Portrait of a Lady on Fire」のセリーヌ・シアマ監督の映画はきっとぴったりだと思います。他、「テルマ」のヨアキム・トリアー監督など、北欧の監督と組んで研ぎ澄まされたホラー映画で観たい俳優です。アメリカ国内に留まらず国際的に活躍して欲しい俳優です。
個人的に多くの映画関係者を輩出するNY大に進学したことから、将来は製作側の仕事も手がける気がしています。  

喜びます