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レコード会社3人の侍とは!?

こんにちは、アンドレ元部長です。

音楽業界に就職を考える若者達に向けて、まずはレコード会社という存在について、わかりやすく説明していきますね。業界人向けではなく基礎編です(笑)

制作・宣伝・営業部門の大まかな役割

プロローグでも触れましたが、レコード会社には大きな3つの部門があります。この3つの部門(機能)がうまく連携してアーティストを育成し、ヒット曲を作りあげていくのが基本です。

①制作部門・・・A&Rディレクターという制作業務を行うスタッフが所属。CDをリリースするにも、デジタル配信を行うにも、ここが出発点。全国のライブ会場へ通い詰めて新人アーティストの発掘を行ったりしますが、最近はYouTube、TikTokから新たな才能を持つクリエイターを発掘することも急増しています。その他にもCDジャケットデザインからシングル・アルバム制作作業、ミュージックビデオの制作コーディネート、アーティストの契約手続きや、スタジオでのレコーディング作業まで、作品作り全般を管轄するのがディレクターの役割です。会社によってA&R(Artists and Repertoire)と呼んだり、ディレクターと呼んだりしますが、制作全般を仕切るのが仕事。昔は制作ディレクターがスタジオで原盤制作を行っていましたが、最近はプロダクションなど第三者が制作する原盤を発掘・契約するパターンも多いです。

②宣伝部門・・・宣伝プロモーターがプロダクションのマネージャーと新曲のプロモーションプランについて話し合い、時にはアーティスト本人と直接話し合う事もあります。その計画に基づきマスメディアへのゲストブッキング、取材等を行いますが、最近はWebメディアやSNSというデジタルメディアでの展開も重要な攻略ポイントとなっています。レコード会社のプロモーターには、アーティストとプロモーションプランとコーディネートを行うアーティスト担当(アー担)と、アー担が組み立てる計画に基づき、テレビ番組へのゲストブッキングやラジオ局でのオンエア工作、活字メディアでの取材や情報掲載を行うメディア担当がいます。ちなみにアンドレ元部長はメディア担当で媒体情報や特性をしっかり勉強してからアー担を経験しました。プランを立てるにも、媒体特性を理解し、人脈が広い方が強いと思わされた先輩との出逢いが大きかったです。

③営業部門・・・デジタル部門においては、iTunes、レコチョク等のダウンロードサイトはもちろん、Apple Music、Spotify、YouTube Music、amazon music unlimited、LINE MUSIC等のサブスクリプションサービスに、様々な施策やPlaylistでの展開を交渉します。日本もストリーミングマーケットが急拡大していることから、専用のデータ解析ツールを使い、分析やデータマーケティングスキルが問われるポジションが急増中(この領域の話が一番重要です)。フィジカル営業では、セールスマンがCDショップへの受注を請け負い、店頭でのディスプレイ交渉や、インストアイベント、握手会などを仕切ります。

レコード会社の3人の侍

A&Rディレクター、宣伝プロモーター、セールスマンという肩書きを持った3人の侍スタッフがレコード会社を支えています。レコード会社でこのポジションを経験したことがある人ならば、この侍というニュアンスをわかってくれるでしょう(笑)。アンドレ元部長がセールスマンや宣伝プロモーターとしてデビューした1990年代と2021年を比較すると、マーケットがCD中心からデジタル配信にシフトしたために、3人の侍の役割もどんどん変わってきています。何がどう変わってきたのかをいずれ説明していきますが、これから音楽業界で仕事するのであれば、3つの部門、3人の侍というイメージを頭に刻んでおくと、音楽業界全体が把握しやすくなります。

アンドレ元部長は、宣伝プロモーターとしての活動が一番長かったのですが、特にサザンオールスターズのメディア担当から始まり、アーティスト担当まで、アルバム「世に万葉が咲くなり」から「葡萄」までの15年間は、30年間ぐらいの時間が凝縮された濃密な時間と経験の場でした。この辺りの話はいずれ、、、お楽しみに。。。


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