見出し画像

市議会議員選挙 事務手続 - 東大阪市

市議会議員選挙の立候補に関する事務手続をまとめました。
立候補を検討している方は、参考にご覧ください。



1.日程

2023年9月に行われる選挙に関する日程は次のとおりです。
選挙に向けた各種イベントと間隔を参考にしてください。

  1.  2月15日 「令和5年執行の東大阪市議会議員選挙及び市長選挙について」が市のHPで公開され、選挙の概要が明らかになる。

  2.  8月1日(火)午後2時から 立候補予定者説明会

  3.  約20日間で、提出書類を全て準備する。

  4.  8月21日(月)~26日(土) 提出書類の事前審査

  5.  9月11日(月) ポスター掲示場の設置場所及び一覧が市のHPで公表

  6.  9月11日(月)~15日(金)の間に、投票所入場整理券(「投票用紙」ではない)が世帯主あて郵送されてくる。

  7.  9月17日(日) 告示日(立候補者が選挙管理委員会に立候補を申し出る日)。候補者名簿は、立候補届出の受付終了後に市のHPで公開

  8.  9月18日(月・祝) 新聞の朝刊に載る。選挙公報をHPで公開。紙媒体は投票日の前日までに各世帯へ順次配布

  9.  9月18日(月・祝)~23日(土) 期日前投票。投票所でも選挙公報を配布している。

  10.  9月24日(日) 選挙期日及び開票。開票は午後9時から

  11.  9月25日(月) 当選人への当選証書の交付(市長午後1時30分。市議午後2時)

  12.  10月9日(月・祝) 選挙運動費用収支報告書提出期限

  13.  10月11日 供託物返還手続開始(予定)


2.立候補予定者説明会

立候補予定者説明会は、選挙管理委員会が主催し、立候補を予定している人を対象に行われます。
平日の昼間に実施されるため、その時間に仕事をしている人は参加できません。

私は2023年8月1日(火曜日)に開催された説明会に出席しました。
説明会会場の受付で、用紙に住所・氏名等を記載し、担当者に渡します。そして、担当者から資料を受け取り会場の中に入ります。

説明会の開催時間は、午後2時開始で午後4時まででした。
4時以降は市長立候補者向けの説明会です。
私は午後1時40分頃に会場に到着しましたが、会場内は既に7割ぐらいは席が埋まっていました。

質疑応答はありません。説明を受けるだけです。

配付資料の情報量が多いため内容を読み間違えたり、誤解をしてしまうリスクはあります。説明会では誤り易い箇所を担当者が口頭で説明しますので、参加した方が良いでしょう。
例えば、提出した書類の誤記入を、その申請の現場で修正をする場合に備えて「申請時には印鑑を持参するように」との注意喚起を受けました。

配付資料には、前回の選挙(2019年)の結果の詳細が記された冊子が含まれています。
そこには、落選した人も含めた候補者全員の通称名及び戸籍上の氏名、生年月日及び年齢、番・号やマンション名・部屋番号まで含めた住所、職業、投票数及び投票率が記載されています。

説明会の終了後、その説明会に参加した人達の情報(氏名、新人・現職の区分、住所(丁目まで)及び所属党派)が記載された1枚の紙が配付されますので、希望する人は持って帰ることができます。
この配付資料を見ると、59名の立候補予定者が説明会に参加していたことがわかります。
議員定数38人に対して59人の立候補の場合、競争率は約1.6倍です。

私は政党政治には関心がありません。
提出する書類の「所属党派」欄に「なし」と書いたところ、その場で担当者から「無所属ですよね?」と確認されてしまいました。所属党派がない場合には「無所属」と書くようです。

市議会議員選挙 配付資料一覧


3.報道機関向け情報提供

立候補予定者説明会における配付資料の中に、市の「広報課からのお願い」があります。
記者クラブへ情報を提供する呼びかけです。

「広報課からのお願い」 その1


「広報課からのお願い」 その2


「広報課からのお願い」 その3

説明会の翌週に、市役所の広報課から電話があり、調査票を提出するようお願いされました。

調査票に記載する情報は、立候補者の経歴が主になっています。
政見を記載する欄はありません。政見は選挙公報に記載します。
なので、私は調査票の提出を断りました。記者クラブへの電話番号などの提供は許可しました。

すると、東大阪市政記者クラブから、約1週間おきに、電話で、計4回も、提出するようお願いされました。
4回も電話をするということは、無理強いをしているということです。
4回目の電話で、私のプロフィールを電話で伝えました。

記者クラブに情報を提供したくない場合には、市役所の広報課に電話番号を提供しないように伝えた方が良いでしょう。


4.供託金の支払手続

供託金の手続は、平日の昼間に、法務局と郵便局で行います。下の画像を参照してください。
「供託書・OCR用」の書類は、説明会で配付されます。
「供託書正本」は事前審査で提出します。

(画像)供託申請の流れ


5.点字版選挙公報

点字版 選挙公報 原稿作成要領は次の画像のとおりです。事前審査で提出します。

(画像)東大阪市 点字版 選挙公報 原稿作成要領(2023年9月)


6.事前審査

立候補の届出に際して書類上の不備をきたさないようにするため、全ての提出書類を選挙管理委員会において事前に審査します。
事前審査の期間は、月曜日から土曜日までの6日間です。
本件では、説明会が8月1日(火曜日)で、事前審査の開始日が8月21日(月曜日)なので、事前審査は説明会から概ね20日後に開催されることになります。
この20日間の間に、全ての提出書類を作成準備しておく必要があります。

事前審査で提出する届出に関する書類は、全て立候補予定者説明会で配付されます。供託証明書と戸籍に関する証明書は自分で調達します。

事前審査は、他の候補者と同一の部屋で、異なる担当者の下で受けることになります。
私は水曜日と木曜日の2回午前11時頃に行きましたが、いずれも他の候補者がいました。
「点字版選挙公報原稿」はその場で担当者が声を出して読み上げます。その場に居合わせたライバルの候補者に聴かれてしまいます。

私は選挙公報の原稿をCD-Rで持参したものの、Illustratorにおいてアウトライン化を施していなかったため、その場では不受理となり、選挙公報の原稿だけを修正の上、翌日に提出しました。

選挙管理委員会の担当者は、「合格」した書類(下記の「7.事前審査で提出する書類」参照)を袋に入れ、袋に封印をし、立候補者に渡します。立候補者はこの袋を持って帰ります。袋の封印を破ってはいけません。
封印したままの袋を、そのまま、告示日に提出するのです。

選挙公報の原稿及び候補者の写真は、この事前審査において提出したことになっているため、告示日に提出することはありません。


7.事前審査で提出する書類

事前審査で「合格」した書類などは次の画像のとおりです。供託証明書などはここに掲示していません。
これらは、選挙管理委員会がコピーし、私に与えた書類です。

(画像)候補者届出関係書類一覧


(画像)候補者届出書


(画像)宣誓書


(画像)出納責任者選任届


(画像)選挙事務所設置届


(画像)選挙管理委員会から連絡を受ける場所の届


8.候補者届出

私は9月17日(日)に市役所に出向き午前10時30分頃に届出をしました。
事前審査で頂いた袋をそのまま渡しただけです。
候補者届出順位は57でした。
立候補者は全員で57名でした。
ポスター掲示板にポスターを貼るときは。この番号と同じ番号の区画に貼ります。

この届出の場で「選挙運動用表示物」が入った袋をもらいます。この際、印鑑を押しますので持参しましょう。この中には、「街頭演説用標旗」や「街頭演説用腕章」などが入っています。

第57番は空欄のままだ。2023年9月18日撮影


9.供託物没収点

候補者の得票数が一定数に達した場合には、選挙及び当選の効力が確定した後(10月11日(水)以降)、供託物の返還請求をすることができます。
一定数(供託物の没収点)とは、次のように計算されます。

有効投票の総数÷議員の定数(38)÷10

得票数が前記の数に達しない場合、立候補を辞退した場合及び候補者の届出が却下された場合には、供託物は没収されます。

前回の選挙(2019年)の供託物没収点は、399.992でした。約400です。
今回の有効投票の総数が前回と同じであると仮定するならば、約400の票を得られない候補者は、供託金の30万円が没収されます。


10.選挙公報とは

選挙公報とは、立候補者全員の選挙公約等の情報が掲載された文書です。選挙管理委員会が立候補者の原稿を取りまとめ作成し全戸に配付します。
以下では、Illustratorを使った、選挙公報の原稿及び候補者の写真の作成の技術的な方法について書きます。

選挙管理委員会に提出するデータは、選挙公報の原稿及び立候補者の写真の2個です。
これらのデータは、紙媒体の他に、パソコン用のファイルででも提出できます。
詳細は、立候補予定者説明会で配付された資料に記されています。

選挙公報の原稿の媒体と立候補者の写真の媒体は同一でなければなりません。
つまり、紙媒体を使うのであれば両方を紙媒体に、パソコン用のファイルにするのであれば両方をパソコン用のファイルにして提出しなければなりません。

立候補予定者説明会で配付された資料にはCD-RW(電磁的記録媒体)が含まれています。
このCD-RWにはai形式のファイルがあります。aiとは、Adobe Illustratorのことです。
このaiファイルは、選挙公報の原稿のテンプレートです。これを元にして立候補者の情報を追加で記入し、それを指定されたファイル形式(PDF/X-1a)に変換し、CD-RWにコピーして、事前審査の際に提出します。併せて、立候補者のJPEG形式写真ファイルも同梱します。


【技術】選挙公報の原稿の作成

配付されたCD-RWのaiファイルをパソコンのディスクにコピーして、このコピーをしたファイルをIllustratorで編集します。
このファイルをIllustratorで開くと、「ダミー枠」という名前のレイヤーがあります。
このレイヤーに表示されたマス目に沿って、最上位のレイヤーに立候補者の選挙公約などの情報を描画していきます。

描画が完成すれば、Illustratorで、「選択」>「すべてを選択」し、「書式」>「アウトラインを作成」します。
アウトライン化とは、テキストデータを画像データに変換する事です。
異なるパソコンで作業をする場合、使用されているフォントがパソコンに存在しない場合があります。そうすると、当該フォントが空白になり適切に表示されません。
この不都合を避けるため、フォントを画像データに変換する作業がアウトライン化です。
このアウトライン化を施していない場合、事前審査で不受理になります。

提出するPDFファイルの画像解像度は、グレースケールの場合は350dpiに、2諧調の場合は1,200dpiにしなければならない、と「候補者のしおり」に定められています。しかし、白色と黒色だけを使って作業を進めていけば、解像度に関する仕様を意識する必要はありません。

出力するファイル形式は、PDF/X-1aです。
Illustratorのコマンドは「ファイル」>「別名で保存」です。
「ファイルの種類」で「Adobe PDF」を選択します。
「保存」ボタンを押すと「Adobe PDF を保存」ダイアログが表示されますので、そこの「Adobe PDF プリセット」で、「PDF/X-1a:2001(日本)」を選択します。


【技術】立候補者の写真データの作成

立候補者の写真のJPEGファイルの解像度の仕様は、選挙公報と同様に、グレースケールの場合は350dpiに、2諧調の場合は1,200dpiです。
写真なので中間調色(濃淡のある灰色)を含みますので、グレースケールにすれば良いのではないかと思います。

Illustratorでの作業手順は次のとおりです。

1.ai形式ファイル作成

Illustratorの「新規ファイル」>「Web」で、幅80mm、高さ110mm、裁ち落としは全てゼロに設定し、「作成」
「ファイル」>「配置」で、候補者が写った写真ファイルを取り込み
写真を「選択」し、その「プロパティ」の「変形」で基準点を左上に設定
x及びyをゼロに設定
「プロパティ」で「縦横比を維持」させて、高さ(H)を110mmに設定。幅(W)は自動的に値が設定される
「整列」にあるボタンを押して、写真がアートボードの中央に来るようにする

2.アートボードから外にハミ出した写真の部分の除去

写真を「選択」
その「プロパティ」の「クイック操作」の「マスク」をクリック
「変形」で基準点を左上に設定
x及びyをゼロに設定
「縦横比を維持」させないで、高さ(H)を110mmに、幅(W)を80mmに設定

3.JPEG形式ファイル作成

「ファイル」>「書き出し」>「書き出し形式…」
「ファイルの種類」を「JPEG」
「書き出し」ボタンを押下げ
「カラーモード」を「グレースケール」、「解像度」を「その他」「350ppi」
作成されたファイルの拡張子は「jpg」です。選挙管理委員会の要領によると、拡張子は「JPEG」なので、この要領のとおり拡張子を書き換えます。

4.付加情報の削除

作成したJPEGファイルの内部には、特段に必要のない情報がIllustratorによって付加されています。
Windowsの「エクスプローラ」でこのJPEGファイルの「プロパティ」を表示し、「プロパティ」>「詳細」>「プロパティや個人情報を削除」を実行します。
Illustratorで設定できる「解像度」の単位はppiでしたが、エクスプローラの「プロパティ」で確認するとdpiになっています。

以上

#選挙 #市議会議員選挙 #東大阪市