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「転勤はよくあるんですか??」異動制度の根底にある星野リゾートらしさとは

こんにちは。あんでぃです。

『おもてなし産業をかっこよく』
を合言葉に、星野リゾートの働き方の特徴であったり、
現場で働いていて感じることなどをお伝えしていきます。

本日は、業務中にお客様から聞かれる質問。
「星野リゾートって全国で転勤がよくあるんですか?」
という異動制度について。

今まで、何度質問されたことでしょう。
会話の中で、自分が関東の出身であることや、施設のスタッフはほとんどが地元の人ではないことなどをお伝えすると、大抵この質問が飛んできます。

確かに私が新卒で入社した会社では、半期に一度、異動というものがありました。
前日に肩を叩かれ、
「君、○○工場に異動だよ」
と、青天の霹靂とはまさにこのこと。
異動発表の前日は、戦々恐々としていたのを思い出します。

全国に施設がある=異動が多いんじゃないか?
という考えも確かに納得できます。


星野リゾートの人事・異動制度

採用サイトには異動制度について以下の通り記されています。

星野リゾートには定期人事異動(一定期間毎に異動する仕組み)はありません。異動は、一人ひとりが自分のキャリアについて考え、社内公募、オープンキャリア、立候補プレゼン大会などの仕組みを利用し、自ら手を挙げることで実現します。現在国内では運営施設が続々と増えており、新規開業のオープニングメンバーは、社内公募で集められます。またマーケティングや財務などの仕事はオープンキャリアという仕組みにエントリーし、選考の後異動が決まります。

そうなんです。
定期的な人事異動というのはありません。
異動に関わることは基本的に立候補制度をとっています。

新規施設ができるときも、社内で公募がかかり、応募するか否かは自ら考え行動するのが星野リゾートの人事制度の特徴なのです。


立候補制度に対する経営者の悩み

この制度を実現することって非常に難しい。
先日も、会社を経営されている方は、
「いい仕組みだよね。それができればいいんだけどね。手を挙げる社員がいるかどうか…」
と嘆いておられました。
社員にとってはいい制度であることは間違いない。
でも、誰もいなかったらどうするの?
と悩む経営者の姿が容易に想像できます。

組織をある方向に変化させていきたい。
そう考えた時に、肩を叩く人事=トップダウンの人事が一番スムーズなはず。
一人一人のキャリアプランを考えて、組織を作っていくのは途方もなく長い道のりになりそうです。

しかし、その薔薇の道を進む理由はどこにあるのでしょうか。

the best workplaceを目指して

入社時にみんなで作る契りの手形

星野リゾートの人事制度の根底に、このような考え方があります。

星野リゾートで過ごす時間は良い時間だった。
誰しも会社を去るときが来ます。その時に、そう思ってもらえる会社でありたいと思っています。一人ひとりの個性を大切にしながらも、会社のVision(将来像)を共に追い求められる、自由で大人な会社を目指しています。

「一人一人の個性を大切にしながら」
「自由で大人な会社」
このような会社組織を目指し、実現することで、「星野リゾートらしさ」を作り出していく。
そのようなコンセプトが一つの形として、人事の立候補制度に表現されているのではないか、そう思うのです。

多様性が認められる組織

星野リゾートの働き方。
それはまさに、多様性のある組織ではないでしょうか。
今、私の組織にはさまざまな人が働いています。

・子育てをしながら、時間を制限して働く方
立候補を目指して、スキル習得を目指す方
・逆に長く働きながらも、マネジメント職を目指さずに、現場で働き続ける方(←私のこと)

様々な働き方を認めることは、組織にとっては非効率かもしれない。
しかし、「星野リゾートらしさ」を実現することが、効率よりも優先されるべき大切なことなのだと思います。

私がこの人事制度をどう感じているか?

立候補をベースにした人事制度が必ずしもどの組織にもいいものであるとは正直思っていません。
スピード感が組織運営において大切である場合など、トップダウン型の人事制度が必要な組織もあることでしょう。

ただ、この人事制度は一つの形であって、その根底にある組織風土が大切だと感じています。
自分が求める居場所の組織風土が、自分に合っているのかどうか?
職場を選択する上で非常に重要なんだな。
そのように、10年という長い歳月を過ごしながら、改めて実感しています。

詰まるところ、この組織風土や人事制度が今の私にはフィットしていると感じています。
そして、このように「星野リゾートらしさ」をもっともっと言語化して、共鳴する仲間を作っていくこと。
このnoteを通じて、その役割の一端を担うことができればいいな、と考えています。


『おもてなし産業をかっこよく』
あんでぃでした。


▼2015年新卒入社。
外国人であり、母でもあり、頼もしい同僚でもある李さんのインタビュー記事を読んでいると、改めて「星野リゾートらしさ」を感じます。



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