柔術初心者。下からやるか上からやるか
今日も今日とて柔術が楽しい。試合のない時期にいろんな技に手を出すのも楽しいし、試合前に試合で使えるテクニックを磨くのも楽しいです。
今日の投稿は、「柔術は上からやるか、下からやるか」です。「打ち上げ花火を横から見るか、下から見るか」よりも柔術家にとっては大事なことです。
結論
最初に結論から。「下から身に付けた方が効率がいい」です。これは加古拓渡先生がラジオで言っていました。最近ようやく自分の中でも整理できたので今回記事にしました。
「柔術は趣味だから上でも下でもどっちでも始めてもいい、好きな方をやればいい」というのが一番正しい意見かもしれませんが、それでは記事になりません。効率よく技術を身に付けるにはどっちがいいか、という視点で考えました。理由は以下↓
柔術の技術体系フローチャート
こちらの図をベースに書いていきます。
1.上(トップ)を選ぶにはテイクダウンが必要
「試合で上を選ぶか、下を選ぶか」の答えは「テイクダウンできるかどうか」によって決まります。これはALMA FIGHT GYM HOMIESの細川先生がラジオで言っていました。「テイクダウンできるなら上も下も選べる」「テイクダウンできないなら下を取るしかない」
また、カルペディエム芦屋の岩崎先生は「上を取りたいときに、相手の引き込みを待つ消極的な戦いをするな」といった旨のことをブログで書いていました。加古拓渡先生も「上を取るために相手の引き込みを待つ選択肢はない」と同様のことを言っていました。上から攻めるためにはテイクダウンが必須です。
しかしテイクダウンを身に付けるのは難しいです。理由は以下
初心者が一番最初に身に付ける技術としてトップを選ぶ、というのはイコールでテイクダウンを身に付ける、ということになるのでこれはかなり難易度が高く効率が悪いです。
余談ですが、初心者あるある。
余談2。テイクダウンのメリット。この項で散々、難しいのに使えない。みたいなこと書きましたが、テイクダウンは有効な技術です
2.下はスイープできた後に上になるので両方練習できる
これは加古拓渡先生が言ってました。自分なりに図で説明します。
上から始めた場合
上の練習をして、うまくなるとスイープされなくなります。その結果ますます下の練習をしなくなります。上と下の技術の差が広がります
下から始めた場合
下から始めると基本的に上も下もすべての攻防を練習できます。
鬼のトップキープができて、絶対スイープされない、絶対テイクダウンされない、絶対下にならない自信があるなら問題ないですが、99%の人は難しいでしょう。それに上メインで攻めるとしても、ガードの技術を学ぶのはトップの攻防にも活きるので下の練習は大事です。
*追記
上も下も周りと比べてそんなに強くない場合は上から作っていってもいいかもしれません。上やってもスイープされるので下も練習できます。下からやろうとしてもパスられつづけて上の練習ずっとできない可能性もあるので。逆に上が元々強い人がずっと上ばかりやり続けると下が上達しないかもしれません。
3.技術で技が決まりやすいのが下(ボトム)
これは個人差があるのですが、
・上(トップ)のアタック
初心者の頃は手順や技術や理屈を学ばなくても、勢いとアドリブでパスできてしまうことが多い。逆に言うとクラスで習ってテクニックの理屈通りやろうとしてもできないことが多い
・下(ボトム)のアタック
パスに比べると、手順や技術によって技が決まりやすい。
初心者の頃は、技の技術、理合、手順、コンセプトを学ぶのが大事だと思います。上から学ぶとそれらが身に付かず勢いだけの柔術になる可能性があります。勢いだけではいずれ通用しなくなります。
勢いではなく技術を身に付けるためは下から学ぶ方が効果的だと考えます。
4.初心者は、下の悪いポジションからのスタートが多い
柔術の流れは、
①「悪いポジションからのエスケープ・ディフェンス」
↓
②「良いポジションを取るパス、スイープ、バックテイクなど」
↓
③サブミッション
となります。その際に一番最初に必要となるのがエスケープです。そしてそれは下から始まります。
まとめ
下からやるか、上からやるか。どっちでもいいですが、下からやった方が効率的に技術がも身に付くのではないでしょうか。初心者は得意技を見つけるのも良いですが、いろんな技術を知って柔術全体の理解を深めていくことが長い柔術人生では大事になってくると思います。そのためには下から自分の柔術を作っていくのをオススメします。
スパーの時、上で勢いだけで走ってる方は、ちょっと踏みとどまって下から丁寧に攻めるとブレイクスルーできるかもしれません。
読んでいただきありがとうございました。
2023/10/4 アンディ
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