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道場の所属意識の話。~ルールは絶対。あとは自由だけど~

 今日も今日とて柔術は楽しい。と言いたいところですが里帰りから帰ってきた娘の世話で1週間以上柔術はできておりません。落ち着いたら復帰したいなあ。

 今日は道場の所属意識の話。先日パラエストラ天満の赤尾先生のツイートが話題になってました。自身も引用リツイートしました。

 自分の考えをまとめていきます。私個人の考えであり違う考えの人を非難する意図はありません。


会員の希望と感情

 会員としては自由に動けたほうがいいです。まあそうでしょう。自由に出稽古もセミナーも合同練習会も全ていけるのがベスト。会員としては制限はない方がいいです。「出稽古もセミナーもいけない道場の方がいい!」という人はいないでしょう。
 例えば筋トレジムなら、床引きデッドリフトも、バーベル落とすのもできた方がありがたいです。自分だけのことを考えるなら長時間のマシンの使用ができた方が都合がいいです。

ジムのルール

 では自由なジムが絶対いいかというとそんなことはないでしょう。筋トレジムの例でいえばマシンの長時間の使用を不快に感じる人も多いです。

多くの人が快適に過ごすためにルールがあります。

 格闘技ジムも同様です。格闘技ジムにはルールがありますが、それらは会員を制限するためではなく、みんなが快適に過ごせるためのものです。

 「スパーでの飛びつき技禁止」「ラッシュガード必須」「出稽古やセミナーは事前連絡必須」などのルールは人によっては面倒だと感じる人もいるでしょう。でも会員がケガ無く快適に格闘技を楽しむために必要です。

ジムの代表としての責任

 自身が引用ツイートさせていただいた内容にも書きました。

 例えば、Aジム所属の太郎くんが出稽古や合同練習会等で問題を起こしたとします。(荒いスパーでケガさせた。エビもできない初心者で出稽古に来て、相手の練習にならない。合同練習会でもめた。など)

 問題が起きた時、責任をとるのはAジムの代表です。迷惑をかけたジムへ謝罪したり、今後そのジムへの出稽古を禁止されるかもしれません。また、太郎くんが問題を起こしたことでAジムの評判が悪くなって新規入会が減ったり、Aジム所属の他の会員さんが風評被害を受けるかもしれません。

 会員やジムがそういった不利益を受けないためにジムの代表は出稽古のルールを設けて、ルールの周知と指導をしています。

会員としての責任=所属意識

 赤尾先生のツイートの「所属意識のない人が多い」というのはここです。自分の立ち振る舞いが所属ジムに影響を与えるという意識がない人が多いのだと思います。本人が意図せずとも出稽古先では「〇〇ジムの人」と見られます。

 「〇〇ジムにいる限りは大会での負けも許されん!いかなる時も〇〇ジムとしての自覚を持て!!」などという話ではないです。「自分は〇〇ジムの会員として見られている」という意識を持って立ち振る舞うのが所属意識だと思います。

所属意識と感謝の気持ち

 ジムに所属することで、会員は様々なメリットがあります。大会参加、セミナーや合同練習会に参加、練習相手と練習場所の確保、セコンド。メリットを享受しておきながら全く所属意識は持ちたくない、というのはナンセンスだと自分は思います。

 ジムをオープンして運営して加盟団体になるのは費用も手間もかかっています。そういったジムの努力の恩恵によって会員は大会に参加したり練習できるのです。ありがたい。「会費払っているんだからそんなの当然だ」というのも一つの意見ですが、私の考えとは相容れないです。

 少し脱線しますが、セミナーや合同練習会でフリーの人が参加できないものがあります。それの意図としては、「所属がない人はトラブルが起きた時に責任が取れない」。雑に言うと「信用できない」からです。会員はジムに所属することで信用を得ているのです。逆を言えば、ジムの代表は会員の責任を取ってくれています。

出稽古のマナー、ルール

 ルールは絶対です。所属ジムのルール、出稽古先のジムのルールを守らない人に出稽古する資格はありません。事前の連絡やビジター料はしっかりしましょう。

 出稽古は良いカルチャーだと思います。普段とは違う相手と練習することで得られる成果がありますし、そこから新たな縁が生まれることもあります。出稽古自体はよいものです。しかしお互い気持ち良く出稽古するためにもルールは守りましょう。

 問題はマナーの話。

トーナメントで当たる相手がいる道場への出稽古は?

 赤尾先生のツイートで話題になっていました。個人的にはこれは「ルール違反ではないがマナー違反」だと思います。これはもう個人の倫理観、価値観の話になるので正解はないです。「そんなにピリピリしなくてもいいじゃん」「試合で当たる可能性が全くない道場なんてほとんどない。そんなこと言ったら出稽古はできない」という意見もごもっともです。しかしトーナメントが出ている状態で当たる可能性がある道場へ試合前に行くのは自分はよくても相手がよく思わない可能性があります。出稽古を受け入れる側のジムの会員が気を遣う状況というのは好ましくない、というのが個人的な見解です。「俺は気にしないよ」は自分の中ではナシです。

 余談ですが、プロMMAやプロキックで対戦相手がいるジムへ出稽古に行くことはあり得ません。少なくとも試合前は。クレベルコイケ選手所属のボンサイジムの人が朝倉未来選手のいるトライフォース赤坂へ出稽古することはないでしょう。柔術でもこれがあてはまるとはいいませんが、格闘技にはそういう側面があります。個人的には、特にアダルトの人はここらへんはシビアになってもいいのではと思います。

代表側の立場に立って考えてみる

 極論、ルールを守って会費を払っていれば所属意識は別になくても問題はないかもしれません。

①所属ジムのクラスにあまり出ない。所属ジムのクラスよりも出稽古が多い
②所属ジムのクラスを大事にして、ジムへの愛着がある。代表やジムの仲間への思いや所属意識が強い。
③事前に相談せず無断で出稽古やセミナーや大会に出る。自由に好き勝手やりたいけど、大会は所属ジムで出させてほしい

①の人が悪いとはいいません。あと出張が多くてビジターが増えるとかはまた別。

 同じ会費をもらっているなら、みんな公平に対応しないといけないかもしれませんが、代表も人間です。①の人より②の人に気持ちが傾くのは当然でしょう。③は論外、退会させられてもおかしくないです。

 格闘技ジムの代表はみんな格闘技が大好きで会員に格闘技を楽しんでほしいと思っています。会員が格闘技を楽しめるよういろんなことをしてくれています。

 そのように会員のためにとやっている中、自分のジムを大事に思わない会員がいたらどうでしょうか。自分だったらその会員を大事にしたいとは思えません

まとめ

やっぱり俺は、所属意識を大事にしたい

 格闘技ジムのこういた所属意識のカルチャーを面倒に感じる方もいるかもしれません。「ゴールドジムとかエニタイムフィットネスに所属意識とかないだろ」「単なる会員とジムの関係なのにそういうのを求められるのは面倒」と感じる人がいるのも分かります。

 「最低限のルールは守るが、自由にやらせてもらう」「強くなるために出稽古にもガンガンいく」というスタンスもアリだと思います。おそらく今後はこういう人が増えていくと思います。

 しかし私にとって格闘技ジムは単なる練習場所やレッスンのサービスを提供してくれるだけの場所ではなく、自分の居場所、仲間との大切な空間なのです。自分の道場への愛着を持ってチームとして所属意識をもっていきたいと思っています。

ルールは絶対。それ以外は自由だけど

 道場のルールは守りましょう。絶対に。守らない人は柔術をする資格はありません。どうしてもルールが嫌なら移籍したり、フリー所属で毎回ビジター料を払って練習すればいいと思います。もしくは自分で道場を作って団体登録したり練習場所を確保したり、メンバーを集めましょう。

 ルールを守ったらあとは極論自由ですが、周りがどう感じるかは別の話。「周りはどうでもいいからとにかく強くなりたい」というのもアリです。でも好き勝手にやっていて「同じ会費を払っているのに代表は俺に冷たい。こんなのおかしい」というのは個人的にはナシです。

 思ったことをひたすら書き連ねたら長文になってしまいました。この記事を読んで出稽古の立ち振る舞いを考えたり、ジムの代表の気持ちを考えたりする機会になればうれしいです。

あと、余談ですが移籍の話と所属意識の話はまた別です。所属意識を大事にする=移籍はダメ。とは言ってないです。いろんな事情があるので。それもまたいつか書くかもしれません

2024/2/14 アンディ

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