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スパーしたくなる人とは? 「同じやられ方をしない」 あとルールとマナーは守ろう

  今日も今日とて柔術は楽しい。育児のペースがつかめてきました。週1,2のスパー、毎日の家トレ、週2の15~20分のジムでのウェイト、教則鑑賞と打ち込みリスト作りなどでなんとかやっています。道場に同カテゴリーの仲間がいて打ち込みに付き合ってくれているのでめちゃくちゃ助かっています。

 今日はスパーしたくなる相手(スパーしたくない相手)について。前半は最低限のルールとマナー、後半は練習相手として組みたくなるようなスパーの考え方について

自己犠牲の接待スパーをしろいう話ではなく、スパー相手にしたくなる練習をしていれば自分の成長にもつながるって話です


1.ルールとマナーを守る

1-1 ルール

 とりあえずこれです。ルールは絶対。これを守らない人は柔術をやる資格はありません。道場内のルールも含みます。特に安全に関わるルールは守りましょう

・一般的なルールとされるIBJJFルール
→ヒールフックや外掛け、カニばさみ等の禁止技を行わない
・飛びつき
→白帯は反則。練習では全帯で禁止している道場が多い。
・その他道場ルール
→動画撮影禁止、インナーのラッシュガード必須、など

2-2 マナー

 ここは明文化するのが難しい部分ですが、一般的にアウトとされる部分を。危険だったり、効果的ではない嫌がらせ的攻防はマナー違反です。

<危険系>
・ニーオンザフェイス(ちなみに手足を顔の上に置くのは反則)
・タップする間もないガン極め
・タップしない
・顔グリグリ系
・肘や膝ガンガン当てる
・必要以上の痛め技、いやがらせ
・階級差、女子相手、キッズ相手、初心者相手、マスター相手にガチスパ
・けが人相手にがガチスパ
→逆に相手に気を使わせるレベルのケガしているときはスパーを休むのもマナーかも。そこは関係性による。

技にもよりますが、勢いと力でガン極めするよりコントロールを意識したほうがいい練習になります。

<不快系>
・におい系、衛生系。洗濯しない、ニンニクめっちゃ食べて歯を磨かない、びちょびちょの道着で二部連
・ラッシュガード無しの腹や胸で顔を抑え込み
・女子相手に尻胸に必要以上に触る
・挨拶しない、挨拶がいいかげん
・メイクや整髪料がキツイ
・出血している傷がある

 選手連などであらかじめ同意の上だったら、試合さながらの強度でガンガンガチスパするのもアリです。一般クラスでは思いやりをもって適度な強度で。ここらへんの強度の話は言語化が難しいので道場の先生や先輩に聞くのが一番です。

2.いい練習相手になる

 1.ルールとマナーを守るのは大前提として、いい練習相手になるポイントを書いていきます。

2-1 打ち込みの受け上手になる

 スパーの話から少しズレますが、打ち込みの技の受けが上手い人は技を理解している人です。自然なリアクションや技が入る適切なシチュエーション(体勢、位置取り、重心など)を理解して、受けがうまく取れる人はいい練習相手になります。「スパーでそんな動きしねえだろ」ってならないようにしましょう

2-2 同じやられ方をしない。相手のリアクションを引き出す

 加古拓渡先生がこれについては言及していて、今回の記事で一番書きたかったことです。自分の中でこの考え方はとても大事にしています。「同じやられ方をしない、相手のリアクションを引き出す」の考え方は格上相手でも、格下相手でも、同格相手でも同様です。「スパーは情報収集」です。同じような攻防を何度も繰り返すよりも少しのアップデートでもいいので変化を付けていろんなリアクションを収集しましょう。

・格上相手
→格上相手にやられるのは仕方ないです。でも同じやられ方をしないように別のディフェンスを試してみましょう。格上相手はそれに対する新たな対応を見せてくれます。これが相手の練習にもなりますし、自分の練習にもなります。
とにかく何度も同じやられ方をしないように。悪い状況で固まるのはあまり練習になりません。カメでひたすら耐えたり、バックで腕をひたすらしがみついてエスケープしなかったり。試合ならそれでもいいですが、練習なら何かしら動いて展開を作った方がデータ収集ができます。悪いポジションで固まってもうまくならないです。
→格ゲーのCPUでひたすらガードだけしていたり、同じコマンドしかしない相手だとあまり練習できません。いいCPU(練習台)になるつもりでやるとお互いの練習になります。ぶっちゃけ格上には勝てません(ネガティブになっているわけではなく勝てない相手というのは存在します)。そういう相手にムキになってもケガのリスクが上がるだけです。

・同格相手
→同格相手はそこまで考えなくてただガチスパするだけでもいい練習になります。でも強いていうなら、同じ技ばかりやらずいろいろ試したいです。同格相手だとついついやられたくなくて固い展開や得意の形ばかりやりがちですが、同格相手とのスパーは精度の高いデータが収集できるので色々試しましょう。

・格下相手
個人的に格下相手との練習のやり方が一番成長に差がつくと思っています。自分より弱い相手に得意技をガンガンかけるのはあまり成長につながりません。試合前はそれもアリですが、年中同じことばかりやっていてもうまくなりません。
→格下相手には精度の低い技や新しい技をトライしましょう。なめたプレイをするわけではなく、それがお互いにとっていい練習になります。
→同じ技でも細かいアップデートを試してみましょう。
→格下相手に受ける場合も同じやられ方をしないように。ディフェンスのやり方を変えて別のアタックを引き出してあげたいです。いわゆる「マグロ」のようにされるがまま、ちゃんと技が入ってないのにダンスの様に倒れたりするのもNGです

・その他
→軽量級や女子相手にはボトム中心で、体重をかける技や体格差が出やすい技は控えて出力は調整して、極めは優しく
→パワーのある初心者やガンガンくる若い子やMMA志望の子はテンションを合わせないとケガするので多少こちらも力を入れましょう。
→練習はお互いのためのものなので必要以上に受ける必要はないですが、始めて1か月未満の初心者などは受けてあげた方がいいと思います。自分の練習にならないかもしれませんが、だれもが最初は初心者なので。

2-3 相手のちょうど良い障害(ハードル)になるのは柔術の義務

 この考え方が好きです。格上相手なら頑張って動いていい練習台になる、同格相手なら競い合う、格下相手なら相手に合わせて強度を調節して自分の練習をする。どんな相手でも相手にとって丁度良い障害(ハードル)になることを意識しましょう。低すぎても高すぎてもダメです。

 技術のラリーを続ける、技術のキャッチボールを続ける、というイメージもいいと思います。相手と同じ強さの球を返すことを意識しましょう。

3.まとめ

相手がいないと柔術はできない

 相手がいないと柔術はできません。相手がいないと強くなれません。「自分が強くなれればそれでいい」というスタンスも100%否定はしませんが、それでスパーするのを嫌がられたら結果的に自分も強くなれないです。相手に感謝してスパーすることは結果的に自分のためにもなります。

 また、2.でも書いたように「相手にとっていい練習=自分にとっていい練習」になることが多いです。柔術とは相手をコントロールする格闘技です。相手の強さや動きや狙いを読むことは成長につながります。相手のことを考えていいスパー相手になることは自分の練習になるのです。

 読んでいただきありがとうございました。参考になればうれしいです。

2024/3/30 アンディ

追伸。

 これはけっこういろんな人が言っているのですが、、、スパーでの技術のキャッチボールが上手な人はいわゆる”床上手”だと思います。自分だけが気持ちよくなるのは、短期的にはいいですが、中長期的に見るとお互い満足するのは難しく、結果的に自分の満足度も下がると思います。

 自分勝手なスパーをしているヤツにイラっと来たら頭の中で「あいつ絶対セックス下手クソだろ」と思ってやりましょう




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