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夏の空

梅雨曇りだった空は嘘のように、
夏の空に変わっている。
退院の前日なので荷物をまとめる。

私は基本的に回りが綺麗でないと嫌なタイプなので、
荷物の片付けもすぐに終わってしまった。
淡々とやるべき事をこなしていく。

同部屋の老紳士から君が居なくなると寂しくなるなぁと言われた。
退院は悪いことではない、なんとも返事に困るものだ。
私は「そう言って頂けて、ありがとうございます。」と素直に返答した。
今日は出来うる限りの方にお礼を言ったと思う。
心残りなのは娘と同い年の少女に会えずに去ることか。

今日中に出来る事は済ませて置く。
明日は年老いた母がわざわざ1人で私を病院に迎えに来てくれる。
迷惑を掛ける訳にはいかない。
何事もスムーズに行くように、片付けていく。

しかし、タイミングが悪いことは重なってしまうもので、
入院する前から内定を貰っていた地元の信金さんから今日、内定取消の連絡を受けた。
わかっていた事だがやはり実際に直面してみると辛いものだ。

たった2カ月で大きく人生が変わってしまった。
別に何か悪い事をしたわけではない。
力尽き倒れてしまったのが悪いのだろう。

明日は雨が降るようだ。
天気は私の気持ちを現してくれているのかも知れない。

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