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私を育ててくれた言葉

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世の中には言葉のセンスが抜群に優れている人がいるもので、その人の名まえを取って「○○語録」を作りたい!と思うような人にしばしば出会います。そういう人たちの言葉に私は育ててもらった… もっと読む
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記事一覧

私を育ててくれた言葉~その5「笑顔はすべてを凌駕する」

ずいぶん前、何人かの男性に、「こんな女性と仕事をしたい」というテーマで寄稿してもらったことがあります。 男性目線で、できる女性の条件とは何かを語ってもらう企画だったのですが、どのコメントも「ふむふむ、なるほど」とためになることばかり。なのに今、その中の一つも思い出せないのだからあきれてしまいます。 でも、ただ一つ、覚えている一文があります。それは、出版プロデューサーのY氏の原稿だったのですが、1)美人であること、2)気が利くこと、といった項目がいくつか並べられていたと記憶

私を育ててくれた言葉~その4「人間関係は最悪になったときから始まる」

だいぶ前にブログにも書いたネタで恐縮ですが、もとの上司K氏のことは忘れることができません。 当時、私はまだ20代の生意気盛り。その頃のことを思い出すと気絶しそうに恥ずかしいのですが、K氏を思いっきり怒らせてしまったことがあります。 「なんなんだこの女は!」と怒鳴りつけられ、さすがに悪かったと思って、夜になってご自宅に電話しました。 するとK氏は「わざわざ電話なんかしなくていいのに」と笑っていましたが、次の日に会社に行くとこう言いました。 「人間関係っていうのはね、最悪

私を育ててくれた言葉~その3「この子を育てることが一番の社会貢献」

F子さんは海外でも活躍するフリーランスのプランナーです。会うと元気が出たり、新鮮な視点を与えてくれるので、ときどきむしょうに会いたくなる人です。 40も後半に入ったころ、「これをするために私は生まれてきたんだ!と思えるような、意味のある仕事をしたい」と悩んでいて、F子さんに相談するともなく相談したのですが、そのときF子さんはいつものように落ち着いた声でゆっくり言いました。 「でもねえ、子どもたちを世の中に役立つような人に育てることが、なによりのりっぱな仕事だし社会貢献じゃ

私を育ててくれた言葉~その2「半生をかけていいと思う仕事に出会えるか」

数年前、カンボジアで地雷を撤去する仕事をライフワークにしているという雨宮清さんを取材したことがあります。 中卒の労働力は金の卵と言われた時代に上京し、苦労の末、建設設備機械会社の社長になったいきさつは胸を打つものでしたが、今の仕事を始めた経緯を聞いて私はさらに感動しました。 雨宮さんは、47歳のときカンボジアで出会った少女に「日本はお金持ちの国でしょう? だったら私たちの国から地雷をなくしてください」と懇願されました。絶対無理だと思ったけど、少女の言葉が忘れられず「自分は

私を育ててくれた言葉~その1「えびでタイを釣ったと思わせる」

尊敬する先輩女性のY子さんは、まさに名言メーカーのような人なのですが、Y子さんに言われて私が実践していることの一つに、 「えびでタイを釣ったと思わせるような仕事をしなさい」 というのがあります。 ギャラがこれだけだからこの程度の仕事でいいやという働き方はするな、「え、このギャラでここまでしてくれたの!?」と相手が驚くような仕事をしなさい、という意味です。 これを聞いて感銘し、以来ずっと心がけています。 会社に属している人ならもしかしたらそういう働き方は「コスト意識が