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自己肯定感・誤認・ザ・ライド🎢

初めまして!アンギラスと申します🦔

文系ポスドクを経て、仕事をしながらライブや曲作りの中でラップを嗜む者です!
YouTubeでは、ライブ映像をリリックビデオにして公開しています。

今回は、その中で『ヒトリヨガリ』というラップが出来た経緯を示しながら、アンギラスの自己紹介を少しずつしていきます。

人生初の非常勤講師という仕事を行う傍ら、とある法人で契約社員として働いていた時のこと。
日中の仕事を終えてから、研究室に行き、授業の準備や自身の研究の作業をして帰る。そんな日々を過ごしていた。

研究や仕事で目の前のことをこなさなければならないが、
非常勤講師や契約社員という現状のままではいけないという焦り。
週末の休みには「一日何も出来ていない…」と自責の念に駆られまくる日が少なくなかった。

これではいけない。
ラッパーたるものセルフボースト(selfboast, 自己賛美)をせねば。
そこで「一日でやったことを必ずポジティブに捉えて日記に書き込む」
という自分ルールを強制的に始めた。

『まんじゅうこわい』という落語の中で、
本当は好物にもかかわらず、「まんじゅうが怖い」と周りにアピールすることで周囲が悪意から、それをやたらと与えるようになる場面がある。
その現象を逆手にとって、苦しい現状を無理やりにでも肯定してやれば、
逆にそれからスッと離れられるような気がしたのだ。
まさに『逆まんじゅうこわい』作戦。

何でもいいので、事あるごとに
「論文~頁から~頁まで何とか読めた!すごい!」
「返しにくいメールを今日、返せた!すごい!」
「いなり寿司を二割引きで買えた!すごい!」
と、『トップ・ガン』のマーヴェリックくらい低空飛行していた自分の気分を鼓舞しまくっていた。

日増しに増す自己肯定感。
セルフ・ボーストまでの道のりは近い。

そう確信していた矢先。
研究、家事、気晴らしの何も出来ない日があった。

「でも、何か肯定しないと…」
考えあぐねた結果、自分を傷つけていない自分に対して
「自〇してない!すごい!」
と書き込む。

月末に、ふと手帳を見直すと、
手帳の月間の頁、右端の週末欄には
「自〇してない!すごい!」の文が並ぶようになっていた。

その瞬間、『シャイニング』で妻ウェンディが夫ジャックの原稿を見つけた時、
"All work and no play makes Jack a dull boy"
(仕事ばかりで遊ばない、ジャックは今に気が狂う)
という文字が頁全体、そして何枚にも渡って
ひたすら書かれていたシーンを思い出した。

こ、怖い…
何だか終末を感じる。
今まで右肩上がりに突き進んでいた自己肯定感は急降下し、
その瞬間、この自分ルールは廃止にした。

無理に気持ちをポジティブに高めても、本当に思っていること・感じていることからは逃れられない。
素直な自分を賛美できることがセルフボーストだと思う。
自己肯定感に至上の価値を与えず、
自分そのものを受け入れた方がいいのかもしれない。

例の手帳には「落ち込みたい時は落ち込め」と書き込んでおいた。

#アンギラス #ラッパー  #ポスドク #ヒップホップ #ラップ #自己肯定感 #エッセイ



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