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キュビスム展 美の革命 に行こう! @京都市京セラ美術館

京都市京セラ美術館で2024年3月20日から7月7日まで
「パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展 美の革命」が開催中。

パリのポンピドゥーセンター
関西国際空港をデザインしたレンゾ・ピアノの建築です

西洋美術オタクのわたくし。
僭越ながら、「うぉ〜!おもろ〜!」を3つほど!


1、なんかキュビスムが少しわかった気がする、ような•••

ブラックの個展の展覧会評で
「彼は形態を軽んじていて、景観も人物も家々もすべてを、幾何学的図式や、キューブ(立方体)に還元してしまう」
キュビスムの語源だそうです。(展覧会の説明パネルより)

わかるような、わからないような。
確かに対象をキューブにして描いている(配置している)けれども。
なぜこのような表現をしようと思ったんやろ、と謎は深まるばかり。

ピカソ 『裸婦』

この前、X(旧ツイッター)を見ていたら「人間を立体的な絵(イラスト)にするには、棒人間の腕には円柱、胴体には立方体を描いて、そこから肉付けしていけば立体的に見えます」というポストを見つけまして
(「人間 イラスト 立方体」で検索するといろいろ出てきます)

これだ!!

特にレジェの『縫い物をする女性』がわかりやすいかな、と思いました。

例えばこの作品の腕は円柱で表現されているけど、この円柱に少し肉付けしたり、服の皺を足すと、立体的な腕の表現になると思いませんか?

私たちが目にする人間のイラストもキューブから肉付けされていったと思うと、キュビスムが高尚な概念や絵画技法ではなく、「人間を描く」のスタート(本質)なのかもしれないと親近感がわきます。

2、シャガール好きかも

シャガールの作品が少し苦手で。。。
作品に出てくるロバ?っぽい家畜の目がなんか怖くて。。。

これはたぶん牛だけど、ギョロッとした目が苦手。。

ブラックやピカソの初期キュビスム作品は画面が黒茶色で、色彩を楽しむとかはあまりなくて。。。(ほんまにすみません。)

3つともジョルジュ・ブラックの作品

そこからシャガールエリアに行くと

マルク・シャガール『墓地』

色鮮やかで目が楽しいのです。
これまで「シャガール展」のようなシャガールに特化した展覧会で作品を目にすることが多かった私。今回のようにキュビスムの流れで作品を観ると、色彩が美しくて、思いきった作品なんだなと思いました。
絵の具に黒が混ざっているから、鮮やかだけど少し仄暗くて、なんか好きかもってなっちゃいました。

3、私のイチオシ作品はこれだ!

今回の展覧会で私のイチオシ作品はこれでした。

レオポルド・シュルヴァージュ 『エッティンゲン男爵夫人』

当時のパリには東欧(ロシアとか)から芸術家がたくさん訪れていたようです。画面を立方体で区切って構成しているところがキュビスムの影響ということなんでしょう。たぶん。

どこが気に入ったかと言いますと。
自分の好きなものを全て詰め込んだ作品だな〜という欲張りセット(笑)が面白いなと思ったのです。

画面中央を拡大

①画面中央の女性。おそらくエッティンゲン男爵夫人でしょう。
青いワンピースを着て腰掛けています。西洋美術で青いワンピースというと聖母マリア。おそらく夫人と聖母マリアを重ねて描いているのでしょう。
②夫人の顔は平面的なのに、ワンピースのドレープは立体的。中世のイコンから初期ルネサンスに向かうような印象を受けます。(ロシアではイコンがたくさん描かれてしました)
③画面上の左右にはイオニア式とコリントス式の柱頭を混ぜたようなエンタシス柱
④中央の赤い絨毯。赤い絨毯といえばマティスの室内画。
⑤画面下中央にはエッフェル塔。パリの代名詞。
画面構成はキュビスム
⑦画面周辺の人影と街並み。なんとなくシュルレアリスムのような•••
(まだシュルレアリスムの概念は生まれていませんが)

ギリシャの円柱からシュルレアリスムの予兆まで。一つの作品にこんなに詰め込むかぁ(笑)となり、イチオシ作品としました。

キュビスムの初めから終わり、その影響がよくわかる展覧会だったと思います。
キュビスムというとブラックやピカソをイメージしてしまい、その後ってあまり目を向けてこなかったので勉強になりました!

ここまで読んでいただいて、ありがとうございます!Dank je wel !


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