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「自分はアイドルのような、影響を与えられる人になりたい」- 鈴木 將希さんへインタビュー

2018年に高専を卒業してから4年の月日が経とうとしています。多感な年代を共に過ごしたクラスメイトは、いつの間にか遠いところへ。そんなクラスメイトの今の姿をお伝えします。

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今回のクラスメイトは鈴木 將希 (24歳)。高専専攻科に進学し、その後デザイナーとして働いている彼にzoom取材をした。

「コーチングはポジティブなきっかけを与える手段」

編集(以下、編):お越しいただきありがとうございます。自己紹介をお願いします。

鈴木 將希(以下、鈴):鈴木 將希です、仕事ではwebデザインとコーディングをしています。ここが仕事場だったら続けて最近のトピックを話しているね。

編:ははは、最近熱中しているものはある?

鈴:最近はNetflix中毒になっているね。今はペーパーハウスを観ているかな。だけど、Netflixってランダム再生がないんだよね。観たいものを自分で選択しないといけない。だから疲れてる時なんかはABEMAを見てることが多いかな。ABEMAって24時間アニメが流れてる番組があるから楽なんだよね。

編:そんな番組あるんだ知らなかった。選択と言えば、最近大きな選択をすることはあった?

鈴:大きな選択といえば、コーチングを受講したことかな。3日で10万かかるコースを受けたんだ。

編:それはマルチ商法ではないよね?

鈴:あはは、違うよ。一時期仕事で相手の求めているものをうまく引き出しきれないことがあって、この悩みを解決したくてTHE COACH Academy*に参加したんだよね。これは大きな選択だったと思う。

*THE COACH Academyは体系的に学べるコーチングスクール

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編:コーチングを受講して得たものはあった?

鈴:コーチングの考え方や取り組み方はもちろんだけど、別の学びもあったかな。講座でコーチングを受けた時に「自分が不安に思っていることをチームメイトに話して良いんだ」と気づいて。それ以来は職場では自分をさらけ出して、オープンに意見を交せるようになったかな。

編;それは大きな変化だね。自分から学んで、仕事へ実践してみて気づいたところもあるかもしれないのだけど、君にとってコーチングってどんなもの?

鈴:難しい質問だな。まず、行動を促すには気づきが必要だと思っていて。さっきの話の場合だと、「不安は話して良い」という気づきは「職場での動き」がよくなるきっかけのようなものなんだ。だから、コーチングはそんなポジティブなきっかけを与える手段なのだと思う。

「毎日やることは全てにおいて近道」

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編:君がデザイナーになる選択肢ってどのように生まれたの?

鈴:デザインはもともと興味があって。コロナ禍になる前にデザインの勉強会に通っていたのだよね。そこで、銀行員や高専機械工学科からデザイナーになった人と話すことだできたんだ。彼らの話を聞いていたら、その時まで感じていたデザインスキルへの心理的なハードルが下がったような気がする。勉強すれば自分もデザイナーになれると思った。それからはポスターやUIのトレースなどを続けて、デザインの勉強を頑張ったね。

編:そして、デザイナーになったと。ちなみにDaily UIやDaily Grafic Traceなどを行っていた認識なのだけど、君にとって毎日することはキーポイントだったりするのかな?

鈴:まず、前提として、デザインを勉強していなかった身として、絶対にDaily Grafic TraceやDaily UIはやらないといけないという使命感があった。それはそれとして、毎日することは全てにおいて近道なんだ。

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編:なぜ毎日することが近道なんだろう?

鈴:何かを習得しようとした時に有識者へ効率の良い方法を聞いてしまうことはよくある話だけど。もし本当に効率の良い方法ならば、みんなその方法をとってしまうのだよね。すると、その方法は他との差別化ができなくなってしまうから、効率がよくないんだ。むしろ、一番最適解は皆がやっていないことを毎日やること。この方法だと、毎日継続できる人がまず少ないから差別化できる。一見遠回りにみえるけど、これが一番の近道。自分は最短距離を目指すタイプだから毎日やることは重要視しているかな。

「自分をデザインする」

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編:ところで、君はyohjiの服を買ったりとこだわりのあるイメージなのだけど、君にとってファッションって何?

鈴:ファッションは自分に自信を与えてくれるものだと思う。それこそ、yohjiのバルーンパンツを履いている時とか、自分が普段よりすごい人になったようにみえるのだよね。これは自分をデザインするようなもので、最近だと髪型をマッシュからセンターにしたのだけど、これはデザイナーっぽく見えることが狙いなんだよね。

編:自分をデザインするってどういうこと?

鈴:学生の頃、yohjiのバルーンパンツを履いて移動している途中に小学生の女の子から、「いいな。私もあんな服着たい」って言われたことがあって。これは少し照れくさかったけど、第三者からすごいって思われることは自分の自信につながるよね。あと、自分の理想の姿に導く最適解は、はじめに一つのことを極めて、その後そこから派生させることが重要だと自分は考えていて。そのはじめの一つのことを極めるためには全てにおいて一貫していることが重要なんだ。だから、自分は理想の自分と現状の自分にギャップがある時、ファッションを駆使して今の自分をデザインして、雰囲気から一貫性を持たせて自分を補うんだ。

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編:そこまで言語化できているのだね。

鈴:自分は法則を見つけるというか、具体的なことを抽象化して考えることが好きなんだよね。抽象化したことを他のことに使えないかなっていつも考えている。さっきの一貫性の話はゲームで強くなるために、まずは一つのキャラクターを使いこなせるようになってから、他のキャラクターを練習するのことを抽象化したものだったりするね。専攻科の時にも日頃問題に思うことをクラスメイトと話し合って、対話を通じてこういう具体化したり抽象化したりしていたな。懐かしい、また話したいな。

 「自分はアイドルのような、影響を与えられる人になりたい」

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編:今回のインタビューで話していた「きっかけ」とSNSの肩書きの「きっかけデザイナー」は関連しているのかしら?

鈴:関連はある。だけど、この「きっかけデザイナー」は他の影響が大きいかな?

編:他の影響?

鈴:自分はアイドルの長濱ねるさんの影響を受けていて。アイドルだから勇気や元気を貰うのはもちろんだけど、彼女のストイックさを尊敬するといいますか。

編:そのストイックさって具体的にはどのような感じなんだろう?

鈴:彼女は特別な経歴の持ち主で欅坂46へ加入時はひとりだけアンダーグループ*だったんだ。ファーストシングルのPVに出れなかったり、メンバーの補欠要員としていつでも交代できるように、メンバー全員の振り付けを覚えるなど目まぐるしい努力をしていて。そのストイックな姿勢は尊敬するし、自分も頑張ろうと思えたんだよね。まあ、彼女ほどストイックな生き方はできませんけど。

*アンダーグループは本来、選抜に選ばれなかったメンバー(アンダー)の集団をさす。本文では、欅坂46が例のため妹分という意味合いが近い。

編:あらら

鈴:だけど、今もそれが自分の根本部分かな。自分はアイドルのような他人に影響を与えられる人になりたい のだと思う。自分が彼女がきっかけで行動できたから、次は自分から他の人にきっかけを与えたい。この流れを波及させていけると良いよね。

 「外に出ろ」

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編:仕事に慣れてきて、会社で行う表現と個人としての表現のギャップはあると思うのだけど、これについてはどう考えている?

鈴:それは最近の一番の問題だね。だけど、今はデザインの仕事ができているから、学生の時に比べて、理想の姿と今のギャップは縮まっているかな。だけど、自分のやりたいデザインの仕事や「きっかけ」をつくるための行動はまだ起こせていないね。次に挑戦することはなかなか決まらないけど、また何かコツコツ毎日こなすことになるのだと思う。

編:何か候補とかあるの?

鈴:うーむ。まず、自分が解決したいことでデザインが最適であるかはわからないのだよね。それこそ、「きっかけ」づくりはコーチングの方が解決策としては近いかもしれない。答えを出すにはもう少し自分を深ぼる時間が必要そうだ。

編:ちなみに3~5年後はどうなっていたい?

鈴:自分の目標に対して、直接関われるような仕事についていたいね。そして、社内で働くだけではなく人の目に触れるところで活躍したい。

編:最後の質問なのですが、高専時代の自分に何か一つ伝えるとしたら何を伝える?

鈴:「外に出ろ」ですかね。自分が学生時代にハッカソンに出たことで視野が広がって、いろんな気づきがあって、選択肢も広がったと思う。だけど自分は遅かったなっていう自覚もあるかな。だから、選択の幅を広げるために、早く外に出ろって言いたい。だけど、それが難しい気持ちもわかる。それを言いたいがために今後活躍したいな。

編:何か言い残したことある?

鈴:何か成し遂げたっぽいインタビューができてよかった。私生活も仕事も頑張りましょう。まあ、そこまで考えすぎなくても良いとは思うのだけどね。

編:この度はインタビューを受けてくれてありがとうございました。

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鈴木 將希 (Masaki Suzuki)
1997年生まれ。
八王子で生まれ育ち、東京工業高等専門学校 専攻科卒業後、
都内でWEBデザイナーとして働く。
「きっかけデザイナー」としても活動する。

Twitter:@belloftree
Instagram:@belloftree


All images via Shion Fukushima
Text by Akinori Nitta
Content Direction & Edit: Akinori Nitta, Shion Fukushima, Yo Horiuchi

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