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クリスチアーノ・ロナウドのドリブル。

職業的な技術の話をすると、相手の反応でわかることがある。技術を磨くことに興味がある人は具体性のある独特な話を返してくれる。

反対に「技術じゃない。大事なのは感情だから」みたいに言う人がいる。かなりいる。わかるんだけど、それってクリスチアーノ・ロナウドくらいの人が言わないと説得力がないよね。

凡人である俺は基礎技術の反復訓練をつねに続けている。洗練でも向上でもない。まだまだできないことをゼロレベルまで戻すための訓練。

ほんの一例だけど、モデルの一瞬の動きが重要な撮影があるとする。スカートがヒラッと揺れたところを撮る、とか。それをロケ現場で試行錯誤するほど怠慢な態度はない。自分の頭に明確な理想像があることと、それを実現するための技術の蓄積があって、その場では適切な微調整をするだけにとどめるのが当然の準備だ。だからカフェでコーヒーを飲んでいる時にもそういう練習を欠かさない。

たとえば、人が普通の速度で歩いているときに一番速く動いているのは、地面から離れる瞬間の後ろの足のかかと。かかとは約1/500のシャッタースピードで止まって写る。

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写真の部屋

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人類全員が写真を撮るような時代。「写真を撮ること」「見ること」についての話をします。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。