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写真の部屋

人類全員が写真を撮るような時代。「写真を撮ること」「見ること」についての話をします。
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必リンク:写真の部屋

あなたの写真はなぜ「ただ撮っただけ」に見えるのか。 これを見て学んだからと言ってすべてを参考にしなくてもいいのですが、こういうことをしているのか、と知らない場合はぜひ知っておいた方がいいです。写真を見たときに何をしているからこう写っているのかがわかっている人は見なくても構いません。それでは以下のリンクへ。

ソール・ライター:写真の部屋

デザイナーになったばかりの頃、参考になりそうな雑誌広告を手当たり次第に切り抜いてファイルにまとめていたことがありました。それを見たデザイナーの同僚から「いいモノだけをストックしないと意味ないよ」と言われたのをいまだに憶えています。それから何十年か経って考えてみても、どちらが正しかったのかという答えは出ません。当時の私はまだ何もできなかったので、ほんの少しでもテクニカルなヒントになる部分があれば参考にしていたのですが、彼は「目が腐るから、マスターピースしか見てはいけないのだ」と

子どもや犬を撮る:写真の部屋

写真を撮るうえで大事なことはたくさんあります。定期購読メンバーの皆さんと考えていきましょう。例題は「子どもや犬を撮る」です。

対等な関係:写真の部屋

何をするにしても、まず「関係が対等か」と考えます。自分が相手から得たのと同じ量を相手に返せるか。もしもそこに不均衡があるのなら、どちらかが相手から何かを搾取していることになります。先日、あるアーティストの作品を観ていたところ、その人から「あなたの写真が好きです」と言われました。これをもって対等とするにはいささか僭越すぎますが、少なくともお互いを認め合っている均衡を感じました。 自分が提供できる情報が増えていくと、それに反応する相手が増えていきます。もちろん「誰かに提供するた

ノルウェー軍の寝袋:写真の部屋

写真を撮る行為にはいくつもの段階があります。まずカメラかスマホでその辺にあるモノを撮ります。カプチーノとか鉢植えとか猫とか犬とか。これが第一段階。いくら撮っても文句を言われない存在に目が向きます。 「写真を撮ること」に興味が出てくると、いいカメラやレンズを手に入れようとします。しかし何が何だかわからないのでカメラ機材のことをネットで検索したり、本を買って勉強します。『写真の部屋』を定期購読してくれている人たちはすでにご存じだと思いますが、ここに第一の分岐点があります。 機

仕事の予算について:写真の部屋

仕事を引き受けるときの基準がいくつかあります。決定権がある人と直接話せること、関わる人が少ないこと、本物が使えること、など。結局すべての理由は同じなのですが「忖度が面倒」ということです。15年近くお手伝いさせていただいたあるクライアントで言うと、年に二度の撮影は私とクライアント日本担当者の二人だけで、現地のParisのクライアントが合流し、ロケはたったの三人だけで進行していました。 それまでの共通認識があるから現場での判断が早いのですが、ここで重要なのは必ず「本物を使う」こ

RAW現像:写真の部屋

午後のカフェ。店内に綺麗な光が差し込んでいます。上のほうはごく普通の現像で、人物を明るく見せるために窓からの光は飛ばし気味です。下のほうは、中心の人物の後頭部から肩にかかる光を重視してそれ以外は落としています。窓のロールカーテンが適正からややアンダーになっています。

撮影後:写真の部屋

仕事で撮影をしたあと、承諾をもらって顔の写真を撮らせてもらうことがあります。撮影が終わってリラックスしている表情がとてもよかったりするので。 After a photo shoot for work, I sometimes ask for permission to take a portrait of the model. I like the relaxed expressions on their faces after the shoot because they

トリミングをする:写真の部屋

「トリミングをするのはいけません」という教条主義的な人もいますが、私たちが目にしている写真のほとんどがトリミングされています。昔で言うとフィルム、今で言えばイメージセンサーの比率は、雑誌やポスター、印画紙へのプリント、ウェブの表示画面とまったく同じではありませんから、フチをつけたデザイン(ノートリミング)以外では必ずトリミングされています。 また、撮った写真のどこを強調するかという目的もあります。重要なのは、撮影したときの自分と、セレクトしているときの自分では、すでに変化が

ブランディング:写真の部屋

私はアートディレクターなので、写真家に撮影を依頼する側でした。そのとき、「こういう意味を表現したいので、こう撮って欲しい」という意図を汲み取ってくれるかどうかで写真家の能力を判断していました。その解決法は「私の理想とする結果として」と限定していますから、絶対的な正解ではありませんが、中には「こう撮ったほうがカッコいいよ」と言う人もいました。それに「なるほど」と思った経験は一度もありません。 なぜなら、アートディレクターはスタートから最終地点までを何度もシミュレーションして、

二枚の写真:写真の部屋

空港での待ち時間は子どもにとっては辛いもの。大人もそうですが。ビデオゲームをやっている子どもを撮りましたが、実はこの前に、もう一枚撮っています。 それがこちら。

スケール:写真の部屋

今日は、写真とスケールの関係を。

著作権などについて:写真の部屋

noteにアップされた「写真投稿アプリ」についての投稿を読みました。自分の写真にカメラメーカーのロゴなどをつけてアップするアプリだそうですが、それが無断の商標使用になるのかどうか、についてです。 私は最初に言っておくと「自分が撮る写真とカメラには何も関係がない」というスタンスを取っています。たとえば撮影に行く際、用途と特性が違うSONYのカメラとHASSELBLADを持って行く場合もあり、最終的にどちらかの写真を選んで使うようなことがあります。そのときに「私はSONYで撮っ

変化しないものだけを:写真の部屋

私は毎日呆れるほど写真を撮っていますが、撮っていない時期が20年くらいありました。高校生の時はモノクロのプリントを毎日徹夜でやっていましたがデザインの仕事を始めてからは一切撮らなくなりました。勤めていた会社には写真部があって多くのフォトグラファーが在籍していましたし、外部の優秀な写真家に撮ってもらうこともありました。そんな環境にいて自分で写真を撮る気になどなりません。篠山紀信さん、坂田栄一郎さんたちがずっと上の先輩で、同時期の職場にはホンマタカシさんがいました。 なんでも野