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珍しい苗字のジュリア。

ある集まりでイギリス人女性と知り合った。たぶん30歳くらいだと思う。

とても感じがよくて、俺の2歳児相当の英語も笑わずに、ちゃんと理解しようと聞いてくれた。家はロンドンから一時間くらいの郊外の街にあるという。俺はイギリスのことをほとんど何も知らないから何度かのロンドン旅行の話をしたら、もうネタ切れになった。

スコットランドやアイルランドに行った話題は敵対心を持っている場合もあるし、ブレグジットやブレグレットも微妙だからやめておいた。それよりも、男女が初めて出会ってブレグジットでもないだろう。ダサいわ。

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「今日は早く帰らないといけないから、ここで」と彼女が言う。残念だったけど、「じゃあ、また」と握手しようとしたら、手をぐいっと引っ張られて、兵役から帰ってきた恋人に駅のホームで会ったくらいの親密さで抱きつかれ、頬にキスされたので驚いた。

バッグからスマホを取り出すと、定期的に東京に来るので連絡先を教えて欲しいと言われた。instagramを見せてくれたのでフォローした。

ジュリア。苗字はちょっと変わっていた。「あまり聞いたことがない苗字だけど、珍しい名前なのか」と聞くと、「すごく少ない。ほとんど旦那の親戚だけ」と言った。結婚してたのか。

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560字
恋愛に関する、ごく普通の読み物です。

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多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。