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全部を賭けていた:Anizine

昨夜は下北沢のB&Bで行われた、稲田万里『全部を賭けない恋がはじまれば』の出版記念トークイベントに参加してきた。

会場に着くと、人が到達できる最高レベルの緊張で吐きそうな稲田さんが控え室にいた。いつもはフラットな田中泰延さんもどことなく緊張気味だ。ひとりの作家が生まれる夜だから仕方ない。

おめでとう

稲田さんを知ったのはnoteに書かれていた文章だった。誰かがシェアしていたのを偶然読んで、「この人はすごい才能だな」と思っていたら、できたばかりの出版社、ひろのぶと株式会社から初の著書が出ることになった。noteでも多くの人が文章を書いている。それを誰かが読む。面白いと思ったり、そうでもないと感じたりするだろう。でも確実に言えるのは「必ず才能は見つかってしまう」のだ。

今の時代は世の中に向けて作品を、というか、自分を発信できる。同じ場を使っていても見つかる人とそうでない人がいる。トークイベントで彼女は「覚悟」という言葉を使ったけど、まさにそこに尽きる。彼女自身も自分が書いた文章が立派な本として出版されるとは夢にも思っていなかっただろうけど、それは夢ではなく現実に起きる。

だからこそ与えられた場で何をするかは大事で、そこに芸能人の悪口を書いても何も起きない。

皆が小説を書けばいいかと言えばそうでもないが、どんなことであろうとも自分がやりたい未来の実現とソーシャルメディアは絶対に繋がっているのだと知って欲しい。自分の知らないところで誰かが見ている。見られている覚悟を持つ。意味のある使い方をしなければ、ソーシャルメディアを発明したグラハム・ベルは泣くだろう。

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Anizine

¥500 / 月

写真家・アートディレクター、ワタナベアニのzine。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。