アマプラでドラマ『東京ラブストーリー』を観る

アマプラで『聖☆おにいさん劇場版』、また観てしまった。やっぱりこっちもおもしろいなぁ。ええい、今日はアマプラ三昧と決めた。

次、何観ようかなと思っていたら見つけてしまったドラマ『東京ラブストーリー』。カンチ~! 以下、ちょっとネタバレ感想になるので、知りたくない人はスルーしてくださいねー。

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うひゃあ、このドラマ、1991年放映って29年前だってよ。懐かしついでに1話視聴。

おお~、坂元裕二さん脚本だったか。納得。どうりで人間模様がおもしろかったわけだね。1話冒頭からのつかみが最初からすごいわ。ドラマの導入部からくったくのない笑顔で初対面の相手にリカが「カンチ~!」と叫ばせるあたり、リカというキャラを一発で表現し、見る側をグッと鷲掴みにする。

1話から登場人物の視線やセリフの演出・描写が細かいので、改めて観てみると心理状態もすごく共感しやすいし、キャラ設定というか人物背景までしっかり練られているのは、さすが坂元さんだなーという感じ。

とくに赤名リカ(鈴木保奈美)の表情や描写が細かい細かい! 天真爛漫で明るいようでいて、実はそうではなく無理しているという性格を見事に演じていて、カンチに好きな人がいることを知っててもグイグイ迫っていくとか、不倫経験もあることから、好きになったら相手がどうであろうと関係ないという強引さの裏に、実は繊細さもあるというけっこう複雑なキャラ。

カンチもまたフラフラと複雑な心情すぎて、あんた、リカとさとみどっちよー!と最後までイライラしてた思い出。とはいえ当時の織田裕二がんばってるわー。

さとみ(有森也実)が重い女でねー。リカがあっけらかんとしている分、重さが強調されるんだけど、重い割にはカンチの存在に保険をかけつつ、三上の方に気持ちがいっているという、どっち付かずでズルい女でもあるのよね。そこに引きずられるカンチ。さらにカンチに引きずられるリカという全員片思い、一筋縄では行かない複雑な恋愛模様なのよねぇ。

2話後半なんてすごいよ。カンチが仕事のお礼にリカと食事の約束を取り付けておきながら、そこにカンチを呼び出すさとみ。さとみに交際を申し込んだ答えを聞けるとあってリカとの約束をあっさり取りやめ、リカのデスクにメモを残すも本人に読まれず(昔のドラマあるあるだよね)。今だったらSNSでサクッと連絡できる時代だけど、当時はまだ連絡手段がポケベル、固定電話、公衆電話だもんね。不便さはドラマを生み出すものね。

知らずに待ち合わせ場所でひたすら待ち続けるリカ。喜び勇んでさとみと会うカンチ。昔話で盛り上がるも、過去にあったさとみの嫌な出来事に対して対処してくれたのがカンチではなく三上(江口洋介)だったと知り、複雑な気持ちになるさとみ。その表情からさとみが三上への気持ちがあることを悟ったカンチは、さとみが交際申し出を受けようとしていたのに、自分から交際申し込みを取り下げるわけよ。そりゃそうなるわよね。さとみは三上が好きなんだもの。

表向きは自分から振ったけど、それ以前に振られたようなもの。傷心状態のカンチが一人で飲んでいると、職場の人間に遭遇。リカが待ち合わせ場所に行ったことを知り、雨の中を走っていくカンチ。もういかにもべたべたなドラマ展開よね~。こういうすれ違いといえば土砂降りの雨なわけよ~。

さとみもカンチに振られたかたちになってしょんぼり帰路につくと、そこには三上が待ち構えているわけ。ついさっきカンチから聞いた真実によってぐらついたばかりのところに、都合よくそこにいるんじゃねーよ、と思いつつ、これはあっさりさとみが三上になびくフラグ。次回予告ではもう三上と寝てたし。何だお前は!と昔も思ったけど、今も同じく反応してしまった。

リカは、待ち合わせ場所の店が閉店になっても雨の中を待ち続け、カンチが到着しても電池切れ。さとみに振ったんだけど内心振られたと思っているカンチが、リカの明るさに、好きな人に振り向いてもらえないのに一緒にいようとするその様に、どこか自分自身を投影して見えたのか、カンチはすんごく複雑な表情をするのよ。その間が長くて、これは観ているこちらもカンチとリカの心情が伝わってくる。ここで、カンチがリカになびくのかと思いきや、リカが離れていくシーンは印象的だったなぁ。ちょっとグッときちゃった。

リカの気持ちもわかるのよね。「側にいるのに遠い」とリカは一人帰っていく。それはカンチもさとみに対して感じたことであり、好きでも自分の方を振り向いてもらえないつらさ。リカもカンチもどっちもつらいわ~。でも次どうなるのおおお~とひっぱる脚本力のすごさよ。そして、この先の展開でもどっち付かずのカンチとさとみ。この二人がフラフラしつづけることでドラマが展開していくんだけどね。

29年も前のドラマだけど、今見てもなかなかおもしろいですわ。坂元さん独特の世界観。目線が視聴者と一緒というか、美男美女だけに起こる特別な世界ということではなく、美男美女キャスティングでも不思議と誰にでも起きうることだなと思わせてくれる。感情の機微は誰にでもあるものだから、そこを刺激してくるのが坂元さん脚本の魅力なんだなぁ。

あれだけヒットドラマになったのも、赤名リカの一途なキャラが世の中の片思いしたことのある女子の共感を鷲掴みにしたんだろうな~と改めて感じましたよね。最後までリカの一途さが苦しくていたたまれなくて切なすぎる! 久しぶりに見直すといろんな発見や深みが出てきて、これまたおもしろいものです。

んで、当時は気が付かなったんだけど、あの有名な小田和正のテーマ曲『ラブストーリーは突然に』がもちろん効果的に劇中で使われるんだけど、OPで流れるときは曲冒頭のギターカッティング「チャカチャーン」はカットされてて、劇中のここぞ!という場面のときにカッティングから使用しているという違いがあったし、日向敏文さんの劇中曲もなつかしーーー!ってなるねぇ。当時、ドラマのサントラ盤がブームになったのも、このドラマからだった気がするわ。

当時のファッションももちろん網羅してて、みーーんなリカとカンチが来ているような白いコート、またはさとみちゃんの茶系のコート着てたし、リカのオフィスカジュアルファッションも当時真似してたわ。紺のジャケットにタートルネックとか、薄手のセーターはパンツインのスタイルとか。そういうファッションを楽しむ&懐かしむのもこのドラマの醍醐味。今、まさに90年代ファッションが再ブームみたいなので、若い人が観たら新鮮かもね。

ということで、このあとまた続きを観るのだー。

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