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9月28日 まけんグミの日

    最近はもう何でもゲーム化したがる小学校1年生の娘と、その後を追いたい年中さんの息子が毎日何かしらで競い合っている。

    娘は娘で勝てるようなゲームばかりを考案し、息子は何だって頑張れば勝てると思い込んでいるようで(その意気込みや良し)、仕向けられた勝負には果敢に攻め込んでいく。

「じゃあ、1から10まで英語で言えた方が勝ちね」

    と、娘が言うと、息子は鼻息荒く返事をして勝負に望む。

「いいよ。せーの!"いーち"」

「はい、ブブー!空太の負けー」

    そんな勝負を挑む方が問題なのにそんなことは棚の上の方に置き、娘はドヤ顔である。

「瀬奈さん、空太の方が小さいんだからさ、あなただけが答えられるのは平等じゃないよ。もっとこう、大人も子供も同じ条件でやれるものを考えなさいな」

    私が言うと、そうだそうだ!と分かっているのかいないのか、空太も同調する。瀬奈はうーんと考えてから、どこか嫌そうな顔で答えた。

「じゃんけんしかないじゃん」

    確かに、赤ちゃんを除いてほとんどの年齢が参加できる数少ないゲーム、それがジャンケンだ。しかもジャンケンは人数の縛りもなく、2人でも10人でも(10人は少し大変そう)、りっぱな勝負が出来る。

    けれど瀬奈はどこか不満そう。


「つまんないじゃん、ジャンケン」


    瀬奈がそう言った瞬間、私の脳内に3人(?)のキャラクターが飛び出した。そうか、君たちがいたじゃない!!!ちょっと名前は忘れたけども!

    私は彼らを思い出したことを喜び、財布を持つと、そのまま空太と瀬奈を連れて家を飛び出した。

    もう夕方なのに、夕飯の準備もしていないのに、お風呂のお湯も張らずにただ、2人の手を取り出かける。どちらかとも無く子供たちは、どこ行くのか、何をするのかと不安げな顔をしているが、私は笑って返す。

「いいからいいから」

    そうしてしばらく歩き、駅前のスーパーに入り、ズンズンと売り場に向かった。そして目の前にそれを見つけるとひとつ取り、彼らの前に差し出した。

「まけんグミ!」

    知ってるでしょ?!と言う気分ではあるが、彼らはきっと知らないだろう。こういう駄菓子コーナーにはあまり来させたことが無いかもしれない。

    幸いなことにグーもパーもチョキも揃っていた。娘も息子も次第に目をキラキラさせる。

「わー!なにこれ!!」

「ジャンケンじゃん!」

「そうだよー。これでジャンケンして遊べばいいよ!で、明日のおやつにしよ」

    私も子供の頃にお小遣いで買っては友達と遊んだなぁと思い出す。1つずつ買ってジャンケンして、また別の子ともジャンケンして。気づけば新しい友達が出来たりして。

    なかなか今は外で皆でおやつもできないから難しいけど、それなら今は家族で遊べばいい。

「パパとママの分も買っちゃお!」

    急に童心に戻ったせいか無性に楽しくて仕方がない。

    大人だって子供だった。こんな平日の夕方に急に思いつきで子供に戻ったって悪くないだろう。

    レジカゴの中でグータン、チョッピー、パルルが笑っている。

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【今日の記念日】

9月28日 まけんグミの日

グー・チョキ・パーのじゃんけんの形をモチーフにしたグミ「まけんグミ」を発売する愛知県豊橋市の杉本屋製菓株式会社が制定。1990年に発売以来、年間1000万個以上を販売するロングセラー駄菓子の「まけんグミ」をさらに多くの人に知ってもらうのが目的。日付は9と28で9(グー)月2(チョキ)8(パー)日の語呂合わせから。

記念日の出典
一般社団法人 日本記念日協会(にほんきねんびきょうかい)
https://www.kinenbi.gr.jp の許可を得て使用しています。

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