あの街

われわれが住んで暮らす、東京の街についてのエッセイ集『あの街』をつくっています。 連…

あの街

われわれが住んで暮らす、東京の街についてのエッセイ集『あの街』をつくっています。 連絡先:https://twitter.com/zweisleeping

マガジン

  • 『あの街』第3号

    われわれが住んで暮らす、東京の街についてのエッセイ集『あの街』第3号です。宙吊りにされて、ぼんやりとした自粛の続く21年GWリリース

  • 『あの街』第2号

    われわれが住んで暮らす、東京の街についてのエッセイ集『あの街』第2号です。東京がすっかり悪者になった2020/11/21リリース

  • 『あの街』第1号

    われわれが住んで暮らす、東京の街についてのエッセイ集『あの街』創刊号です。 どこにも行けない2020年GWリリース

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住んで暮らす東京の街についてのエッセイ集 『あの街』 第3号 はじめに・目次

住んで暮らす東京の街についての5編のエッセイを集めたnoteマガジン『あの街』第3号を本日リリースしました。 本記事には「はじめに」と、寄稿された記事の目次を掲載しております。 はじめに 私事で恐縮だが、転職して5月から新しい会社で働くことになった。 前の会社も週1度だけ出社だったが今度の会社はフルリモートらしい。東京に一応オフィスはあるが社員は日本全国に散らばって各々自宅から仕事をしているんだとか。 そういえば6年前、社会人になって上京したとき一つ目標にしたことがある

    • 三鷹台駅 見下ろせば都会 | 伊藤優

      私が東京で初めて住んだ街は、三鷹台という街だった。 この街は、私の『東京は冷たい街』というイメージを覆した。 三鷹台は、チェーン店(コンビニを除く)もなく、ちょっとしたお洒落な飲食店や個人で経営しているサンドウィッチさんなど、個性的なお店がポツポツとある小さな街である。 初めてこの街に住む日、新居でまだ見ぬ害虫が怖い私は、バルサンや掃除道具を購入するため、駅前のマツモトキヨシに寄った。 そこで、買い物かごにポンポンと物を放り込んでいた私は、商品棚と商品棚の間で、三鷹台マダム

      • 三軒茶屋駅 煉瓦色のにんじん塔 | はいはっと

        「三軒茶屋に住んでいます」と言うと、飲み屋の話題か、最近増えている客単価の高いカフェの話題を振ってもらうことが多いけれど、わたしとしては、三軒茶屋を語るにあたってもっとも欠かせないのはキャロットタワーだと思う。 東急田園都市線三軒茶屋駅から、雨に少しだけ濡れる連絡通路で直結、26階建てのキャロットタワーは、わたしが物心ついたときにはすでにそこに建っていた。調べてみたら1996年完成、わたしのひとつ歳上らしい。「キャロットタワー」という名は外壁が橙色であるところから名付けられ

        • 門前仲町駅 春のうららの歩き方 | さかい

          「春のうららの隅田川」って実在したんだ、という話。 大学に進学して住んだ場所、よくうろついていた場所、あるいは就職して最初の数年住んでいた場所は東京の西側、井の頭線や中央線の範囲がおおくて、山手線の東側はほとんど未知の場所だった。 前に住んでいた場所から引っ越すにあたって、どこでもよいから職場まで電車通勤しやすい場所、となってこの街を初めて訪れた時の印象は「なんだか私の知っている東京と全然違うな」、というもので、商店街のアーケード、立ち並ぶ個人商店、深川不動堂と富岡八幡宮が

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        住んで暮らす東京の街についてのエッセイ集 『あの街』 第3号 はじめに・目次

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        • 『あの街』第3号
          6本
        • 『あの街』第2号
          9本
        • 『あの街』第1号
          10本

        記事

          白山駅 梅雨と初秋が似合う坂の街 | 河島えみ

          この街に引っ越した3つの条件この街に引っ越した頃は暗黒時代だった。あまりにも恥ずかしくて、人にちゃんと話したことがない。2017年の春、修士論文を書き終えられないまま就職(社会人大学院生だったから、転職?)をしてしまったせいで、平日は語学系の出版社勤務、土日は大学図書館に缶詰というなんともハードな生活をこの街でスタートさせた。もう、間に合わん、アー!また留年だ!と差し迫ると、有給を前借りして平日もせっせと図書館に通っていたので、今考えれば本当に迷惑な社員だっただろうな...と

          白山駅 梅雨と初秋が似合う坂の街 | 河島えみ

          神保町駅 書物を巡る冒険 | ねこラジ

          「水道橋に住んでいるのに神保町に行ったことがないなんて、学生生活の半分を損しているぞ。」 大学3年の秋、研究室で雑談をしていると、ある先輩が笑いながら私に言った。 「え、半分も?」と私が驚いていると、先輩は目をキラキラさせながら、とんでもないお宝の在処を伝えるRPGの導き手のように続けた。 「秋の古本祭りに行ってみなよ、もうすぐだろ。」 私はその言葉に従い、早速古本祭りが開かれているという週末の神保町に向かった。 当時住んでいたマンションから大学病院を二つ越えて、御茶ノ水

          神保町駅 書物を巡る冒険 | ねこラジ

          東京のあなたが住んだ街についてのエッセイ集『あの街』第3号を出します。書きたい人募集

          このnoteのアカウントで昨年5月・11月にリリースした、住んで暮らす東京の街についてのエッセイ集『あの街』、3号もやっていきます。 手探りのまま1号、2号を企画して、企画者として幸せな言葉をたくさんかけていただきました。 街エッセイを執筆することには不思議な魅力があるんでしょう。 当初予想していなかった声で、一番うれしかったのは「普段文章は書かないけど、住んでいた街の話はぜひ書きたい」と参加連絡をいただけることでした。 文章を書くのは骨の折れることです。それを発表するのは

          東京のあなたが住んだ街についてのエッセイ集『あの街』第3号を出します。書きたい人募集

          住んで暮らす東京の街についてのエッセイ集『あの街』第2号 はじめに・目次

          住んで暮らす東京の街についての8編のエッセイを集めたnoteマガジン『あの街』第2号を本日リリースしました。 本記事には「はじめに」と、寄稿された記事の目次を掲載しております。 はじめに先日、帰省とは別で親族と地方の民宿に遊びに行きました。 「よく来たね〜、東京と比べたら寒いでしょ」 到着してすぐ、薪ストーブを囲んでコーヒーをいただきました。 その間、話題はずっとあの感染症についてでした。時期柄仕方ないことです。 「○○市でかかった人は引っ越した後、それでも誹謗中傷がひ

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          新宿駅 ぬくぬくと都会を生きる | かしぱん

          街を知るとはどういうことだろう。何を知っていれば、その街のことを「知っている」と言えるのだろう。私は大学進学を機に東京を離れて関西に行った。大学での自己紹介、出身高校の名前を言うと十中八九「あんなとこに高校なんてあるの?」と聞かれた。それが私の出身高校、都立新宿高校である。 アイデンティティは他人との差異に(も)ある。通っていた頃はあまり意識していなかったが、遠く離れてみてから私の中で存在感を増した街のことについて、書いてみようと思う。 都立新宿高校について新宿高校の敷地は

          新宿駅 ぬくぬくと都会を生きる | かしぱん

          本郷三丁目駅 カルボナーラうどんの思い出 | プリン

          大学を卒業し、学問の場とあまりかかわりのない職業についてから、あれほど親しんだ本郷の街を訪れる機会がめっきり減った。用事ができて久しぶりに訪れてみると、店が入れ替わったり、中には建物自体がなくなったりしていることに気づく。本郷を離れたからしばらく経ち、新歓で必ず使ったレストランも、明治創業のレトロな洋菓子店も、徹夜で試験勉強するときに世話になったマクドナルドも、別の店に変わってしまった。 本郷で暮らしていた間にも、なじみの店がいくつかなくなった。ルノアールがパチンコ屋になり

          本郷三丁目駅 カルボナーラうどんの思い出 | プリン

          明大前駅 病名は"寂寥性不眠症候群" | にわたかし

          明大前には明治大学がある。 名物は数万人の大学生たち。 以下、明治大学ホームページより抜粋。 和泉キャンパスは京王線と井の頭線が交差する「明大前駅」の間近に位置します。 都心へのアクセスは10分と抜群の立地条件でありながら、閑静で四季折々の草花と緑に囲まれた開放的なキャンパスです。 文系6学部の学生が、勉強、スポーツ、サークル活動など活気に溢れ、のびのびとした学生生活を送っています。 明治大学は、毎年受験者数1,2位を争うような 古い言い方をすればマンモス校である。

          明大前駅 病名は"寂寥性不眠症候群" | にわたかし

          新井薬師前駅 中野区にはすべてがある | あたみ りょう

          中野区にはすべてがある。 新井薬師前について語るときにわたしの語ることは、この言葉に集約される。「肉は肉屋で。花は花屋で。服は仕立屋で。」という生活を維持しつつ、コンビニや郵便、ホームセンターやショッピングモールの利便性を享受でき、運動施設が豊富で、渋谷・新宿・池袋には自転車で行くことができ、港区や丸の内等のオフィス街へのアクセスも悪くない。 個人店の取り合わせは独特で、ローカルな蜂蜜とジャムの専門店や味噌専門店があるかと思えば、カカオリパブリックの日本初上陸店がある。会

          新井薬師前駅 中野区にはすべてがある | あたみ りょう

          池袋駅 人間ドラマは終電を逃したあとに | ふらにー

          わたしの都民歴は今年で10年目になる。東京が他の都道府県と圧倒的に異なるのは、なんといっても複数の大都市を内包している点だ。地元愛知県には大きな街といったら名古屋くらいしかないけれど、東京には新宿や渋谷、品川に銀座など、カラーの異なる都市がいくつも点在している。 今までの東京生活でいちばん縁のある街は、間違いなく池袋だろう。学生時代は西口にあるキャンパスに4年間通っていたし、卒業したあとも大学時代の友人と会うときはたいてい池袋に集まる。社会人3年目のとき板橋に引っ越してから

          池袋駅 人間ドラマは終電を逃したあとに | ふらにー

          西台駅 さよなら、あたたかな人たち | 紡 もえ

          新卒の春、上京して住み始めた街、西台。3日後、私はこの街から出て行く。「出て行く」って言うと嫌気がさしたみたいだけど、一人暮らしから二人暮らしになるっていう幸せな理由での卒業だ。部屋は引越しのダンボールだらけになっていて、廊下は半分の広さになった。6畳の部屋は寝床だけが確保されている。管理会社に内緒で飼っている黒猫は、元気に壁を引っ掻くので、退去費用が今から恐ろしい。よく引っ掻く場所にはバリアとして角二号の茶封筒を貼っている。けれど、結局防ぎきれずにどんどん増えていくだけだっ

          西台駅 さよなら、あたたかな人たち | 紡 もえ

          調布駅 酒とメシを教えてくれた「丁度いい」街 | 小倉愴

          大学時代からの付き合いだ。 何が、と問われるとこの調布というまちの話である。 大学入学時、自分の家を友達の根城にされちゃうことに抵抗があった僕は 「大学に通いやすいが、絶妙に近くない場所」 という条件で物件サイトを検索し、このまちに行き着いた。 (もっともこの願望は、高校時代からの腐れ縁が狙いすましたかのように2駅先に住み着いたことで潰えることになるのだが) 僕が通っていた大学では、3年の進級時にキャンパスが変わるため大抵の学生はそのタイミングで文京区近辺に小さな引っ越し

          調布駅 酒とメシを教えてくれた「丁度いい」街 | 小倉愴

          町田駅 逃げるよう出た京都、流れ着いた東京都 | Nekondara

          「町田という街」を使いたいが、音が被って何やら気持ち悪いのでうまく書くことができない。音の表現として難しいことも重なってか、町田は街でないように思えてしまう。 ちょうど二十歳になったころ、京都を飛び出した。 自分のやってきたことに責任を持てなくなり、これからも辛いものにしか見えなくなり、逃げ出るように這い出ていった。お金もなく、仕事もなく、そんな状態で一体なにが得られるというのだろうか。そんなことにさえアタマを回す余裕もないくらい、追い詰められていた。 なぜぼくは町田とい

          町田駅 逃げるよう出た京都、流れ着いた東京都 | Nekondara