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「センスが良い」ってなんだろう?

 センスが良いとはどういうことだろうか。服装が斬新であったり、音楽的才能に恵まれていたり、そういった人たちをセンスが良いと呼ぶことが多い。一方で、文化や芸術に限らず、思考一般についてセンスが良いとされる人もいる。彼らはなぜセンスが良いと言われるのだろうか。

 センスが悪いという言葉もある。センスが悪いとは、本来センスが良いものとされている事に対して感度が低いことを指す。もしくは「センスが良いものではないもの」を強く推していることを指す。言葉遊びになっているけど、実はそもそもセンスが悪いと言うこと自体がよくわからない。誰かのことをセンスが悪いと言うのは、その発話者のセンスの評価軸にそぐわなかっただけの話ではないだろうか、と思ってしまう。

 一方で、センスが良いという事はわかる。その時の感情は、驚きと納得だ。センスが良い人の発言や提案、創作を見ると、自分の今までの常識が壊され、新たに世界が拡張されるのを感じる。今まで見ることのできなかった世界を見ていると思える。優れた芸術作品を見たときと同じ感情だ。芸術作品が、今まで世界になかったものを作り出し、世界に新たな意味を付与するのと同じように、センスのいい人は世界に既にあるものに新たな切り口で挑み、そこに価値を生み出す。つまりセンスが良いと言う事は、今ある世界を、今までなかった視点で切り取り、しかもその切り口に説得力があるということだと思う。

 では、どうすればセンスが良くなれるのか。僕自身、センスが良いわけでは全く無いから、説得力はない。ただ、身の周りのセンスの良い人を観察していると、自分の見聞きしたものを否定ではなく、発見していく人が多いように思える。前の記事にも書いたことだが、物事の多面性に気づくことができるかというのは非常に大事なことだ。自分の身の回りにあるもの、ほとんどの人が見逃してしまうものに注意を向け、そこに価値があることを示すのだ。
 「観察の練習」という本がある。この本では、身の回りにあるものや風景の違和感に気づき、その原因を推測していく訓練ができる。この本にあるように、日々の営みの中で、周りを観察し、疑問を持ち続けることが、センスを磨く第一歩だろう。

 最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

https://www.amazon.co.jp/観察の練習-菅-俊一/dp/4909242015


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