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【解説】ウクライナの侵略危機

ウクライナがロシアに侵略される。1月も終わりが近づき、北京オリンピックが始まるという時期に、何やら世界はそれ以上に物騒な話が続いている。

https://www.al.com/news/2022/01/ukraine-russia-conflict-2022-are-invasion-and-war-inevitable.html

今の時代に侵略や戦争なんて起きるわけないじゃないかと思っている人が大半だと思うが、2014年のクリミア半島併合・侵略が行われた事実を忘れてはいけない。実質ロシアに実効支配されている日本の北方領土は、すでに支配下にある為、わざわざ軍隊を送り制圧をする必要はない。

しかし、新しい地域を自国領土にする為には、実効的支配を見せつけなければならない。まさかと思われたクリミア半島はこうやって侵略された。ウクライナとロシアの国境であり、美しいビーチや若者達のサイケデリックなパーティで知られたリゾートタウンは、今やロシアの領土となり、中心部には簡単には立ち入る事は出来ない。

何故、アメリカは助けないのだろうか?と思う人もいるかもしれないが、トランプ政権以降、内部分裂が進む米国は自国の対応を刷るだけで精一杯であり、他国に干渉している余裕はない。更に、ウクライナと言ってもロシアが領土拡大を狙う地域の多くは過半数がロシア系移民、ロシア人が実際は多く住んでいる地域であり、法律や制度が違うもの、「ほぼロシア状態」なのだ。

アメリカ政府が、ウクライナに住む米国人や大使館駐在員を帰国させると発表したという事は、米国の立場としては事実上ロシアの侵攻(インベージョン)を容認せざるを得ない、又は止める事が出来ない事項として最終段階に入ったものと考えられる。そして、ロシアの侵略に備え、ウクライナ軍へと8500人のアメリカ軍を展開すると発表した。ここで一気に緊張が高まる。

At President Biden’s direction, the Pentagon is putting about 8,500 U.S.-based troops on heightened alert for potential deployment to Europe amid rising fears of a possible Russian military move on Ukraine.

Al.com

クリミア半島の侵攻の時のように、今回の侵略・領土拡大も北京五輪閉幕後に行われていると考えられている。わずか1ヶ月後、2ヶ月後の話。

一体、世界に何が起きているのだろうか?それでも米国はウクライナのNATO入りの可能性を否定する事はなかった。ロシアにとって直接的敵対効力であるNATO軍が近づく行為に対して徹底的に抗戦する姿勢を示している。

高城剛氏が話題にあげていたカザフスタンではナザルバエフ前大統領一族の度重なる政治支配により、国民の怒りが爆発し、連日抗議活動が繰り返されていた。

ナザルバエフ前大統領の一族を掘り返すと映画コンフィデンスマンJP「プリンス編」に登場するフー一族など可愛く見えてしまう程の泥々な現実を垣間見る事が出来るが、今はカザフスタンの度重なる内乱の結果、CSTOが介入したという事実に焦点を当てたい。

Collective Security Treaty Organization 通称CSTOは、日本語で言えば、集団安全保障条約機構では、何のことだか分からないが、NATOなどの大規模国際軍には及ばずとも、ロシアを含む、旧ソビエト連邦であるロシア、アルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、タジキスタンからなる
集団緊急展開軍である。部隊は約1万に及ぶと言われており、各参加国から将校が集められている。

本部をCSTOに置き、言語はロシア語、参加国の中でも最も大国であり、以前はソビエト連邦の名前の下、支配をしていた国であるロシアが実質的に主導をしている連合軍である。

この軍隊が、カザフスタンに国家治安鎮静部隊として、カザフスタン国民を守る為、軍事展開ロシア主導のもと実行された。街は突如として、各国からの軍隊が集まり町中を監視するような世界になったのだ。このミッションは2022年1月6日〜1月15日と記録づけられている。

短いように見えるが、カザフスタン国民に政府のバックにはロシア軍が付いているのだという事を徹底的にたたき込まれた形になった事には違いない。

The Collective Security Treaty Organization (CSTO; Russian: Организация Договора о коллективной безопасности, romanized: Organizatsiya Dogovora o kollektivnoy bezopasnosti; Russian: ОДКБ, romanized: ODKB) is an intergovernmental military alliance in Eurasia that consists of select post-Soviet states.

CSTO / Wikipediaより

Future Report Vol 552 Vol.1「世界の俯瞰図」

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Photo by Maxim Lugina


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