見出し画像

カナブゥ〜ンパニパニック

カナブンが死んだ!!!!
冬なのに、きゅうりが香ったから。死んだ!
だからカナブンの死は夏を象徴する。

僕らは雪だ!要するにゴミだ!雪はゴミでできている!それを知らずに喜んだお前、ゴミだ。まさに雪だ!

雪は夏に生きられない。きゅうりの香りで夏かと錯覚しパニックに陥る。逃げ惑う自らの体温で溶け、死んでいく。自殺だ。

そんなことが起こった。


「くっさ!!」1人が叫ぶ。「カナブンの臭いだ!」すると脅威の速度で伝染した。1人から2人へ。2人から8人へ。
皆一斉に立ち上がり臭いのもとを探し始める。
発端となった彼が上着を脱ぎ、叩き出した。「俺が踏んだかもしれない」
「たしかにそっちから臭う」「絶対お前だ」

洗脳されている!!!!ここは実験場だ!!!

急に臭うわけがないのだ。臭いは暫く漂っていたはずだ。意識をした途端すごい変わりようだ。
踏んだかも、と言いつつ上着をまさぐるその姿、ツッコむ者は誰もいなかった。
大抵初めに臭いに気づいた人が、原因の近くに居るだろうから彼の方面から臭うのは当然だろう。
これは洗脳だ!我らは監視対象だ!誰かが我らをみてほくそ笑んでいる!

きっと真空で私が「屁ェこいた」とほざけば、彼らは臭いと言うのだろう。試してみたい。

カナブンの死体は見当たらなかった。つまり臭いの原因は無くなっていない。にも関わらず、1人が電話に出たことをきっかけに全員静かになった。以降臭いと言う者は1人も出なかった。
臭いは消えたのか?おそらく初めから臭っていないのだ。集団パニック。きっとこうやって人生を終える人もいるんだろう。馬鹿らしくなる。


洗脳をしよう。おでんを食べるとおしっこがおでんの臭いになるぞ。

これでおでんを食べる前に「おしっこの臭いがする」とデリカシーのない発言をする人が出たら本望である。おしっこがおでんの臭いですからね。


追記:カナブンの臭いと言いますが、正しくはカナブンの死体の臭いですよね。
我々田舎暮らしはともかく、都会BOYたちは豚のニオイを知っているんでしょうか。
豚と言っても野生の豚ですよ。焼き豚ではありません。でも豚のニオイと聞いて浮かぶのは焼き豚の匂いでしょう。焼肉のタレの匂いかもしれませんね。
愛するあの人の匂いもそうです。完全な皮膚のニオイではありません。いい匂い、それは柔軟剤はたまた香水ですから。あの人の香水が好きと言った方が正しいんです。香水はつける人によって香り方が違うそうですからそれを踏まえれば"あの人の匂い"なのかもしれませんね。
だからおしっこはおでんの臭いと言うのも、おでんスープの香り。ウチは昆布だしです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?