見出し画像

箱根でアートを楽しむ/名古屋から一泊二日の旅

旅に、目的はなくたっていい。ただ行ってみたいという気持ちだけで旅はできる。でも、旅先でアート鑑賞という目的ができると、旅はさらに楽しくなった。目指すは、素敵な美術館のあるところ。美味しいものがあれば尚良し。箱根へ行ってきた。

箱根でアートを楽しむ

温泉でしっぽりという趣味もなくノーマークだった箱根に興味がわいたのは、美術館がいくつも点在するスポットだと知ったからである。調べると、名古屋から思っていたよりも近い!そんなわけで1泊2日箱根の旅を決行することとなった。
【1日目①】
名古屋→小田原(新幹線「こだま」で約2時間)
小田原→箱根湯本(箱根登山電車で約15分)
箱根湯本→彫刻の森美術館(箱根登山電車で約35分)
まずは、彫刻の森美術館駅から徒歩すぐの「彫刻の森美術館」へ。

彫刻の森美術館

『ミス・ブラック・パワー』これが見たかった

「彫刻の森美術館」は国内外の彫刻作品の野外展示や、ピカソ館などの室内展示もある広大な敷地に広がる美術館だ。
あいにくの雨で、野外の展示をじっくりとは観られなかったけれど、箱根の山々を見渡しつつ、自然豊かな公園のような施設内を散策しながらアートを巡る。新鮮な体験だった。

『宇宙的色彩空間』
『目玉焼きのオブジェ』
『偉大なる物語』
『交叉する空間構造』
中央のらせん階段がスリル満点の『幸せをよぶシンフォニー彫刻』
『ピカソ館』で贅沢な雨宿り

歩きながら様々な彫刻作品に出会えるのは楽しい。彫刻と一言で言ってもそのスタイルは多様で、作品が現れるたびに「おおー」と声が出るほど、どれも個性的で面白かった。そんな数々の作品に箱根の自然が懐広く優しく寄り添っている。行くまでは、山だし、素朴な感じなのかなと勝手に想像していたのだけど、細部まで洗練されている素敵な美術館だ。ずっと雨で、さらにどんどん雨足が強くなってきたのは日ごろの行いの表れだろうか・・・。たぶん、晴れた日の方がもっと楽しめそう。また行きたい!

ポーラ美術館

『彫刻の森美術館』を出て、再び彫刻の森美術館駅から箱根登山電車に乗って強羅駅まで。次に向かうのは『ポーラ美術館』だ。
【1日目②】
彫刻の森美術館→強羅(箱根登山電車で約5分)
強羅→ポーラ美術館(観光施設めぐりバスで13分)
※2024/4/1より強羅駅⇔ポーラ美術館に無料送迎バスが運行開始されたそうです。

入っただけでうっとり

『ポーラ美術館』は建物自体が、アートだ。「化粧品会社だから透明感をイメージしてるのかな?」と娘が言っていたが真相はともかく、窓が多くて自然を近くに感じられて、透明感=透き通っているようなというイメージにもうなずける。

私が行った日は、企画展『モダン・タイムス・イン・パリ1925』、コレクション展『ゲルハルト・リヒター』、『ポーラ美術館コレクション選』などが開催されていた。

フェルナン・レジェ『鏡を持つ女性』
『ブガッティタイプ52(ベイビー)』

企画展『モダン・タイムス・イン・パリ1925』は、1925年ごろ工業化が進む時代で価値観が大きく変わろうとしている流れの中、アートがどう影響を受けたかというのを感じられる。アートを通してその背景にある時代を知るって、本当に面白い。どんな歴史の授業よりも興味深い。

モネ、ゴッホ、ルノワール、藤田嗣治など巨匠の作品が観られるコレクション展もとっても良かった!

ゲルハルト・リヒター『ストリップ』
クロード・モネ『睡蓮の池』

ポーラ美術館は、スタイリッシュでセンスにあふれている。でも敷居が高い感じではなく、とても居心地が良かった。ゆったりとしたソファがあったり、ミュージアムショップも充実していて、ゆっくりと楽しむことができた。館内だけでも十分楽しめるけど、広大な敷地内には建物をぐるっと囲むような「森の遊歩道」があって、屋外にもアート作品が点在している。

遊歩道から見上げる外観もステキ

雨が再び強くなってしまい、遊歩道へは少しだけ散策してすぐに戻ったけれど、もっと巡りたかったなぁ。

束の間の箱根ロマンスカー

強羅駅で奇跡的な晴れ間

【1日目③】
ポーラ美術館→強羅(観光施設めぐりバスで13分)
強羅→箱根湯本(箱根登山電車で約40分)
箱根湯本→小田原(小田急ロマンスカーで約15分)
小田原にて宿泊

午前中に食べておいてよかった!

小田原にホテルを取っていたため、ポーラ美術館から再びバスと電車を乗り継ぎ来た道を戻る。その途中、温泉街で食べ歩きをしようと箱根湯本駅で途中下車。実は、行きもお腹が空いて途中下車して食べ歩きをしていた。美術館到着が予定より遅くなったのだが、後にそれが正しい判断だったと分かる。夕方近くに再び立ち寄った箱根湯本の商店街は、売り切れ&すでに閉まった店続出だったのだ!

というわけで、本日二度目の食べ歩きはお預けになったのだが、そこであることを思いつく。箱根湯本の駅は愛知県民も憧れの『小田急ロマンスカー』の終点で、車両をよく見かけた。ということは、乗れちゃうかも?!

内装もラグジュアリーでした

乗れたーー!箱根湯本⇔小田原は、普通の乗車券+自由席券(ホームの券売機で購入、200円!)で乗れる。小田原まで約15分、束の間のロマンスカーデビューだった。

2日目は海の幸を堪能

小田原駅

【2日目】
小田原駅→小田原城(徒歩約15分)
小田原城→「ミナカ小田原」で買い物&食事→小田原駅

2日目は三島へ立ち寄って、「三島スカイウォーク」という吊り橋へ富士山を観に行く予定だったのだけど、連日の雨。こりゃあ、富士山観れないよね…というわけで、小田原を散策することにした。

駅から徒歩15分くらいの小田原城、その周辺をぐるりと巡る。小田原城は見ごたえがあるし、小田原駅からすぐの「ミナカ小田原」では、お土産も買えるし、グルメも堪能できる。足湯も楽しめる。
そしてなによりも、小田原は魚が美味しい!地魚の刺し身も、シラスも、アジフライも小田原おでんも塩辛も、ついでにプリンも!全部美味しかった。食べ物が美味しいって、最高の旅の思い出だ。

アートも電車もグルメも楽しめる街

楽しい楽しい食べ歩き

小田原駅から美術館へ行く道のりは思ったよりも時間がかかったのだが、珍しい電車に乗ることができた。箱根の山を登っていく「箱根登山電車」は”スイッチバック”という方式で、進む方向を切り替えながらジグザクと進む電車だ。思いがけなかった体験で、旅感を思う存分味わえた。

箱根は温泉だけじゃなく、スケールが大きくてセンスに溢れた美術館がある。登山電車、ロマンスカーも楽しめる。美味しいものもたくさんある。小田原も含めて、魅力に溢れた街だ。素敵な美術館へ行きたくなったから、知らない街へ訪れることができた。やっぱり目的がある旅も、いいものだ。



この記事が参加している募集

一度は行きたいあの場所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?