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国際×同性×遠距離恋愛 を経験した私の話ービザと将来問題ー

最近同性婚等々についてTwitter上などでも見聞きしますが、ふと私が経験した、「結婚できない国同士の国際遠距離同性カップルの話」ってあまり話題にならないなと思い私が過去に経験したことを書いてみることにしました。

同性婚を語る文脈では当たり前といえば当たり前ですが、日本人同士の結婚
がフォーカスされていると思います。
でも、国際同性カップルだと、異性カップルでは当たり前に得られる配偶者ビザを得られないために同じ国にいれなかったりと国際カップルだからこその問題にぶちあたったりします。
下記のニュースなどまさにその例です。
20年以上連れ添った日本人と台湾人の同性カップルの方の台湾人の方が、ビザが切れて不法滞在状態で暮らしていて強制送還されそうになったというものです。異性カップルだったら当たり前に配偶者ビザを申請できて、こんな状況にはなりませんでした。


国際同性カップルなんてyoutubeにたくさんいるじゃんと思われるかもしれませんが、日本人と外国人カップルの場合、多くのカップルが相手の国では同性婚が認められている場合が多いように思います。もちろんそうでないカップルもいらっしゃいます。

私(日本国籍)自身、すでに別れていますが数年前に留学中に第三国(自分の国でも相手の国でもない国)で出会った同性婚を認めていない国出身の同性の人と付き合っていました。その際に経験したことを語ってみようと思います。

私の場合は以下の状況でした。

期間限定留学中にオランダで出会った日本人でもオランダ人でもない某国人の同性(exさんと書きます)と付き合う→帰国すると某国・日本で離れ離れ 
同性でも異性でも変わらない点ですが、第三国で出会ってると、その後の合流が大変です。そもそもですが、ある国に長期滞在するためには学業や仕事などのビザが必要です。例えば私が某国留学でexさんと出会っていた場合やexさんの日本留学で出会っていた場合、つまり相手の国の言葉も話せたりしてその国に興味ある場合、卒業後に相手の国に現地就職したり学校に進学すればビザが降りるので合流できます。


しかし、第三国出会った場合相手の国の言葉等話せないことがほとんどなのでいきなり現地就職等は難しいと思います。ここでよく登場するのが、仕事でも学業でもないビザ、配偶者ビザです。その名の通り、自国民の配偶者に降りるビザです。ヨーロッパなどでは配偶者ではない彼氏彼女のコンディションでもビザを出している国もあります。問題なのが現状日本では同性婚が認められていないため、配偶者ビザはおりません。

例えばアメリカ人とフランス人という両国で同性婚が認められている国同士の法的に結婚している同性カップルの場合、一方が日本の在留資格があればその配偶者には「特定活動」という在留資格が降りるそうです。(※ビザ関係はどんどん変化するため、ご自分で調べてみてください)
しかし、現状、例えばアメリカ人と日本人の同性カップルがアメリカで法的に結婚していても、現状は外国人配偶者に日本の在留資格は降りません。

参考:
https://continental-immigration.com/family/douseikon/

つまり、同性婚した配偶者が日本に滞在するためには自力で就労ビザや留学ビザをとる必要がありますが、配偶者ビザと違い期限があります。つまり、仕事をクビになってその間にビザが切れたら日本にい続けられません。配偶者ビザだとそんなことがないので、パートナーの性別が違うだけで安定して一緒に国にいれるかどうかが変わります。
逆にいうとアメリカ人、日本人同性婚カップルの場合アメリカでは法的に結婚できているので日本は無理でもアメリカでは配偶者ビザがおりるのでアメリカに配偶者という関係で一緒にいることはできます。
しかし、どちらも同性婚が無理な国同士だと、この魔法のビザ、配偶者ビザをどちらの国でも使えないのです。

そして、個人的な意見ですが、同性、異性限らず、国際恋愛って時間的にも金銭的にもコストがかかる恋愛なので、同じ国同士の恋愛と比べて将来や結婚を見据えた割合が比較的高いように思います。実際経験した時は、国際遠距離ってマラソンのようなものでゴールがないとしんどいなと思いました。そしてそのゴールが結婚、あるいは結婚からの移住(配偶者ビザ)だとすると、どちらの国でも結婚できない同性カップルはゴールがありません。
たとえば異性の国際遠距離カップルで3年付き合って、結婚しようねなどと話して国際遠距離を乗り切るなどというパターンがあるかもしれません。
でも、同性カップルになるとそれができません。だから相手の国に自分が、(またその逆)や第三国に仕事などを見つけて何らかの方法でビザをとって移住しないと、ただ一緒にいるというところすらクリアできません。

ちなみに、
・渋谷区とかでやってる同性パートナーシップとかは?
 相手が日本に既に居住していたら申し込めるかもしれませんが、条件が「その市町村に居住し、かつ、住民登録があること」等なのでそもそも一番最初のハードルである、日本に来るためのビザにはなんら関係しません。
そして同性婚と同性パートナーシップは全くの別物です。

・ハワイやカナダ(特定の州)で日本人同士で同性婚してきたって聞くけどそれは?
これらは、法的な「結婚証明書」のようなものを外国人でも発行してもらえる地域のことを指しているだけで、その国では有効な証明書でも日本では全く意味をなしません。

次に考えられるのが第三国に一緒に行って合流するパターンで、実際これを私も考えたのですが、それぞれが第三国にいるのにも仕事や学業のビザが必要で、しかもそれぞれ国を動く可能性もあり、その度に国際遠距離になったりと不安定です。

ちなみに、お互いが同じ国にいる状況だと、現在の日本に住む日本人同士の同性カップルと同じような状況になると思います。
例えば、私とexさんお互いオランダで働いてて出会ったパターン
→それぞれの仕事のビザで滞在できていて、そのビザが切れるまでは一旦一緒いられる

どちらかがその国で働いていて出会ったパターン
→そのビザが切れるまでは一旦一緒いられる
でも、どちらかが母国に帰らないといけない場合、一気に不安定な国際遠距離状態になると思いますです。

まとめると結婚できない国同士の国際同性カップルの何が大変かって、
a.一緒にいるためのハードルが高い(その国に長期滞在するのにビザが必要)
b.ゴールがない
のコンビネーションだと思います。

a.一緒にいるためのハードルが高い、に関しては異性の国際遠距離カップルも同じかもしれません。
例えばオランダ留学中に出会った某国人の「異性」と恋愛し、お互い帰国した場合、しばらくは国際遠距離となります。ただ異性と同性で変わってくるのが冒頭に話した配偶者ビザの問題です。一緒にいるという目的だったら結婚すれば配偶者ビザでいずれかの国に配偶者というステイタスで滞在できる権利が生まれます。実際私の周りでも数組国際恋愛で一緒にいるために大学卒業すぐ移住したり、相手が移住してきたりして結婚しているカップルがいます。
これが同性だとその権利が発生しません。どんなに真剣でも、同性婚が認められていないので配偶者ビザおりません。また、これが例えばオランダ留学中に出会った日本人同士の同性恋愛で、日本に二人とも帰国した場合、住んでいる場所が離れている可能性はありますが、とりあえず日本国籍である限り日本には滞在できます。

一部の国では一定期間、5年や10年など住んで、就業等の項目を満たしていたら永住権を取得することができ、永住権を取得するとその国の国民とほぼ同じ権利を持つことができたりします。そしてその中には同性婚も含まれているので、どこかの国に長年住んでそれを狙うという手もあります。(例えば日本人同士でもオランダでそれぞれ永住権をとったら、オランダの法律のもと同性婚できる ※ここら辺の法律関係の条件や情報はどんどん変わっていくものなのでぜひご自分で調べてみてください)
しかし、その場合自国でもなく相手の国でもない第三国で生きていくことを前提としてのライフプランになるので、人生の早いタイミングで決めるのはなかなか難しいと個人の経験を通じて思いました。

私は異性の外国人と国際遠距離をしたことがないため、いろいろな点を抜かしているかもしれませんが、以上が私が経験したお互い結婚できない国同士の同性カップルと国際遠距離恋愛が混じった状況です。




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