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2章・葬儀屋でなく葬儀支援への導き

2-1 NPO法人設立と不思議な出逢い

2008年6月27日葬式施行可能な定款に変更されNPO法人「あんしんサポート」は設立登記、でも葬儀支援センターの文字は付けられませんでした。

全国何処にも「葬儀支援」の実態はなく、葬儀社の使う「支援」は家族に代わって施行代行する事で『弱者支援』とは全く意味合いが違います。

我々が対象とするのは『金銭面弱者』『年金生活老人』父親の葬式で知った『無信仰者』と『現葬式に疑問のある人』ですから低料金は絶対条件です。

法人申請から2か月間歩き回りましたが自信を持って紹介できる葬儀社はなく、家族の立場で「葬儀社・寺」と料金や内容交渉のほうが求められそうな印象でした。

分ったのは無責任なピンハネ紹介なら簡単、でも責任持つなら自ら施行しなければ『葬儀支援は不可能!?』な事です。

また『葬儀社は個々で全て違う』『葬儀社で施行作業以外に学ぶ事は無し』『相当遅れた業界である』など早い段階で学べたのは今後の立ち回りの役に立った。

先人が歩いた『葬儀支援』の道は無い、逆に言えば思った通りに道が拓けるのだから肩ひじを張らず「素」の自分で生きられるかもしれないのです。

法人登記後、県庁敷地内のNPO協議会事務局に助成金や情報確認を兼ねて行くと女性職員が対応してくれ暫くすると事務長も来てくれました。

事務長「話しは奥で聞いてましたが面白そうなNPOが出来たみたいですね」

俺「葬儀社紹介しようと思ったけど自信持って紹介できる所がなくて――、」

事務長「使えそうな情報があったらお知らせしますよ」

俺「宜しくお願いします」

初めての出逢いから数月後NPO祭りがあると知り、試しに参加しようと会議の場に行くと協議会事務長の富沢さんもいます。

俺「こんにちは、協議会も何かされるんですか?」

事務長「協議会は卒業して市民団体を立ち上げたんですよ」

俺「あーそうなんですか、終わったらお茶でもしませんか?」

お茶しながら聞いたのは、我々が学校給食で飲んだ脱脂粉乳はユニセフの支援だったそうで恩返しで毎月小遣いから1万円ユニセフに送金してるらしい。

協議会卒業を機に「書き損じハガキ」「切手」「海外コイン」など集め現金化しユニセフや困ってる子供達に送る市民団体を立ち上げたそうで、売名行為じゃない寄付を当たり前のように平然と言う人でした。

そんな人だからでしょう。気付けば葬儀支援センターを立ちあげた経緯や想いを熱く語る自分がいたようで後日、新聞社、FMラジオ、赤い募金など連れ周って紹介してくれました。

最初に大きな新聞記事で紹介して貰えたのは富さんのお蔭、と同時に葬式の仕事は助成金や募金分配の実績はなくNPOと言えども助成金、分配金は全く期待でき無いと教えられた事で最初から自力営業の道を覚悟できたのも良かった。

法人設立が数か月遅ければ、富さんは協議会を退き出逢いは無く、新聞記事にして貰える事も、助成金を当てにしない経営体質が必要な事も後手になるなどいくつもの『不思議な偶然の出逢い』が重なります。

女性ながら昼夜問わずの支援事業に従事し続ける千明ちぎらが僕の部屋に連れて来られたのも、52才で父親逝去の一報が届いたのも、父親の最後を看取ってくれた女性と逢えたのも全て偶然の連鎖でしょう。

葬儀支援への流れは全て偶然、それも拒否できる状況にならない強い流れが次々と重なり続けた結果なのは確かです。

2-2 天職は勝手にやってくる!?

『天職』という言葉は人生の中で何度も見聞きしまが、天職と巡り会った人以外は何となくのイメージしかできない? のではと思う自分がいます。

葬儀支援事業をするまでの自分がそうで「適職」は何度か経験してる気がしますけど「適職 ≠ 好き」という気がする。

例えば「営業職」は普通の人より結果は出ますが「嫌い」だし「包丁持てば得意」だけど調理場に立つ仕事も基本好きじゃない。

現場に出ない社長業も好きでなくって言うか性に合わない、予想外だったのは文才は無いけどブログは五千話以上書き続けてるから好きなんだろう。

52才までの人生で適職なのだろうと思う仕事はいくつも経験させて貰ったけど『天職』に巡り合う事はありませんでした。

ところが『葬儀支援事業』は自分の意思は無視され勝手に流されてく感覚のまま、逃げられなくなった事で嫌々始まった初の人生体験です。

この時点では天職など思いもしないどころか絶対嫌だと忌み嫌ってきた葬儀屋の横にある事業なのだから罰則!?とさえ思えた。

しかしこれから先を読んで頂ければ「天職!?」かと思いたくなる不思議な流れがいくつもある事に気付かれるでしょう。

天職は自分の意思に関係なく突然、それも必ずしも良い状況とは限らずとても強い流れで向こうから勝手にやってくる。

ただ「天職」に向って走る時、道は勝手に切り拓かれ、進むべき方向性に悩むことも、苦慮することもなくスムースに流れる事に気付く。

当人にその気は無くても結果として他人の役に立て、儲かりはせずとも食う事に難儀することはない。

労働省件や待遇を客観的に見れば劣悪極まりないが、当の本人達は「苦」でなく生き甲斐や遣り甲斐さえ感じるから不思議だ。

自分で書いたにも関わらず『何だそれ?』という文章ですが、これが率直な実感なのだからどうなも成らない。

だから葬儀支援事業が『天職』かもしれないと思うのだろう。

実際は天職かわかりませんけど忌み嫌ってるすぐ横にある天職に出逢えた事は誰でも経験する事では無いだろうからツキのある奴だろう。

葬儀支援の道を見つけ切り拓くのが20代、30代でなく52才からのスタートだった事にも意味があるのかもしれません。

2-3 納得の葬式と違和感?

施行依頼した初めての葬式は2才で生き別れた父親の後見人から連絡を受けた娘さんがNPOの葬儀社があると聞いて連絡をくれたものでした。

当時あんしんサポート専用の事務所もなくファミレスでの待ち合わせ、流れや内容や希望を叶えられる最も低料金な葬式プランを組みました。

暫くすると対象者逝去の一報が入り依頼先葬儀社に連絡、予約してある民間式場に連絡、片道1時間の距離にある病院からの搬送を待ちます。

葬式前日『湯かん納棺儀』と聞き悪夢のような場面が蘇りますが故人を安置した布団を挟んで納棺師と家族4人が向かい合って座り始まりました。

故人の手足を洗浄綿で拭き、足袋、脚絆きゃはん、手甲など納棺師が手伝いながら故人の身に着け納棺すると最後に真綿で紋服姿になる。

元婚礼美粧の専門家ですから若干の違和感はありますが、最初の葬式と比べたら雲泥の差で家族も称賛しておられました。

「湯かん」の言葉は同じでも初めての葬式とは全く違い全てがこの流れで2度目にして納得できる葬式を経験しました。

初年度3件から始まり6年間倍々と増え200件を超えると、ひとつの壁に突き当ります。均等に割れば月に16~17件、2日に1件ですが実際はそうはいきません。

30件近い月もあれば10件を下回る月もあり、月に20数件を超え、夜間、深夜、早朝の搬送が続くと2人では体力的に続かないと実感します。

2年目は一般葬だけは施行依頼して直葬と家族葬は自分達だけで施行した結果、後述しますが今まで感じたことの無い違和感が出始めました。

ただ違和感の素は『残る家族の生活を脅かすおびや葬式』を当然のように行う葬儀社と菩提寺の在り方で商売として捉えれば問題ないかもしれません。

しかし宗教者とは布教活動が主体であるはず、個々の檀家の財布事情も考えず高額な定価を書いたメニューを見せるのが宗教家でしょうか。

判を押したように60万円でも、50万円でも「5万円は引けます」と当然のように言う人間性そのものが宗教者ではありません。

死は誰でも迎える自然の摂理の観点からすれば金が無くてもできる葬式は必須、それが無い中で高額な葬式だけを推し進める葬儀社も倫理的に違和感を感じた。

最終的な当社設定は読経戒名で5万円が妥当と判断、ゆえに『5万円以上の高額な布施の菩提寺葬式は受けない』と2020年には徹底しました。

この時点では設立2年目でしたから頭の中は10年先でも当時は施行作業の習得が第一、こうして書くと千件以上の施行と良く書いてますが実際は2,000件に近い数字になってるかもしれませんね。

2-4 初めて単独で家族葬施行

喫茶店のマスターだという市内の方からの依頼で、都民夫婦の奥さんが亡くなり隣接市の総合病院にいるので葬式の話しを勧めて欲しいとの事。

夫婦揃って都民だから前橋市民の自分が死亡届出人となるが仕事が終わるまで行けないので宜しく頼むとのことです。

総合病院に到着すると依頼した搬送業者は来てましたが旦那さんはおらず、看護師に聞くと突然の逝去で警察が入り話しを聞かれてるようですと言われた。

1時間ほど待機してると、疲れ果てた顔の旦那さんらしき人が戻ってきたので故人を乗せ街中のビル最上階の自宅に搬送。

ビル管理をしてるそうで最上階までは狭いエレベーターで運ぶ事になる。搬送業者と2人で椅子に座ったような姿勢にして運ぶと部屋の布団に寝かせ安置する。

この部屋での家族葬希望、夫婦でなく俗に言うパートナーの同居人、申請者のマスターから夫婦都民と聞かされており、市民が届出人なら誰でも無料火葬の前橋斎場が良いと翌々日の午後の火葬を予約した。

一旦事務所に戻り葬具一式を車に乗せ高崎に戻りエレベーターで何度も往復して運び、白幕張り、屏風、祭壇など準備が終わる頃は故人の親戚も来ていた。

顔当て布を外すと倒れた時に打ったのかアザが浮き出ている。初老ですが元は美人さんのようで千明にコンシーラを買ってくるよう伝え死亡届出書の記入と葬式説明、コンシーラが届くとアザを隠し化粧、思った通り美人さんです。

翌日来たマスターに死亡届出書を記入して貰い前橋市役所に電話しますが、高崎からは閉所時間に間に合わず、予約完了してるから提出は明朝でと言われる。

今までの死亡届出も全て代行業者ですから、死亡届の提出も初めて、全てが初めて尽くしでぐったりするほど疲れた身体で事務所に戻る。

自分達だけで行う初の家族葬、施行や移動の流れと請求書、死亡診断書コピーなど全て準備が終わると夜10時過ぎ自宅に戻り少し興奮した中で眠りにつきます。

翌朝、前橋市役所が開く8時30分、死亡届を提出、受付番号札を持って待機してると受付した担当者に呼ばれます。

担当「届出人ですがいくら調べても故人と繋がらないのですが・・・」

俺「えっ? 繋がらないって親族じゃないってこと?」

担当「はい、御親族ではないですね。このままだと火葬許可が発行できません」

俺「届出人は同居者も良いんですよね?」

担当「はい、問題ありません」

俺「市民外5万円払えば火葬できますよね?」

担当「はい、でも故人は都民でなく高崎市民ですよ」

俺「えっ、故人は高崎市民なのですか?」

担当「はい、間違いありません」

俺「すみません。少し待ってください」

高崎斎場に電話して火葬予約確認すると最終午後3時の火葬がひとつだけ空いてると言われ火葬予約、前橋の火葬をキャンセルすると自宅に向かう。

途中車内から電話で届出人となる同居人の記入事項を確認し認印の用意と、火葬場が午後3時高崎斎場に変更した旨を全員に伝えて貰い、何とか葬式に支障を出さず無事終了することができました。

幸いにも当日予約できましたが、故人と届出人になる予定者の関係をしっかり確認せずマスターの言葉を鵜呑うのみにしたのは全て自分の責任、駄目なら市民外火葬料5万円は当方で負担する覚悟でした。

この経験で『人の死後に発生する様々な法律や手続きの知識は必須』と身を持って教えられました。僕が人の死に関わる様々な法律に詳しいのは、この経験が活かされているのでしょう。

葬儀支援センター運営は成功より失敗からの学びが圧倒的、今回もですが不思議と致命的な失敗、最悪な状況に成らず済んだ経験は数知れません。

搬送依頼が重なっても上手く時間がずれたり、我々の手が空かない時は終幕を待ってくれてたの? など千明は「不思議」と良く口にします。

我々2人だけがバタバタして冷や汗をかいた葬式も済んで自宅の片づけを始めた午後5時過ぎ、それまで眺めてるだけの親族が寄ってこられました。

親族「お疲れさまでした」

俺「あ、お疲れさまでした」

親族「昨日からずっとお仕事を見せて頂き火葬場の件も聞きました。我々の無知が招いたアクシデントも適切な対処で問題なく済んで本当にありがとうございました。とても助かりました」

俺「いえいえ、僕がちゃんと確認しなかったからなので気にしないでください」

親族「ところで、あんしんサポートさんは神奈川にもありますか?」

俺「すみません。前橋の1か所だけです」

親族「そうですか、地元にあれば我々の時もお願いしたいと思ったんですよ。葬式の間、ずっと故人や我々の事を一番に考えて対応してくれる姿勢を見てると心が温かくなれて、自分達の知ってる葬儀屋さんと全く違うね。良い葬儀屋さんにお願いしたねって喪主に話したら、費用を聞いて更に驚いたので、どうしてもお礼が言いたくて邪魔してすみません」

突然、それも予想外の言葉に感動して泣いちゃいそうでした。自分達だけで行う初めての家族葬3日間はアクシデントもあり予想以上に疲れました。

でも家族目線はちゃんと伝わるのも分ったし、最後は笑顔と感謝の言葉に『頑張って良かったぁ』と心から思えた初めての家族葬になりました。

2-5 目標は5万円火葬支援パック

葬儀支援センター最初の目標は『葬祭費5万円だけで可能な火葬葬式パック』を創る事だと教えてくれたのは老人達でした。

設立4年目までは月2~3件で暇でしたから市民活動支援センターに行っては老人達と話したり、葬式の講演会をしたり知識を得たりと吸収と宣伝の時期でした。

70代、80代は病気と葬式の話題が多くヒントになる話しは無いか雑談に混ざると葬式は金が掛かる話題になり1人のお婆ちゃんから予想外の言葉が出た。

老婆「うちの爺ちゃんが死んだ時、役所から7万円貰ったよ」

俺「えっ、人が死ぬとお金貰えるの?」

老婆「うん、国民健康保険から7万円」

すぐ市役所に行って確認します。

俺「すみません。人が死ぬと国保から7万円貰えるって本当ですか?」

担当「あー、はい葬祭費ですね」

俺「そうそうそれです。誰でも7万円貰えるんですか?」

担当「国保に加入されてれば、でも来期から5万円になりますけど」

俺「えっ、下がるんですか? なんで?」

担当「我々は決められた事をするだけで理由は分りません」

俺「確かに、ありがとうございました」

老人達と話す機会が多く、老人の考えてる事、不安や実態も少し分ってきた。

『死後費用の心配をしながら生きてる老人が多いこと』

『なぜか100万円あれば死ねると思ってる人が多いこと』

『年金は毎年下がり続けていること』

『独居老人は予想以上に多いこと(2020年700万人)』

『遺族年金は思ってるより少ないこと』

しかしこうして我々が話してる老人は、時間的にも、体力的にも、金銭的にもある程度余裕があり周囲と同調できる人です。

生活だけで精一杯の人、病気等で外に出られない人など、死後費用の心配をしながら日々生きてる人も多いだろう。

もし国保葬祭費5万円だけで骨壺に納まれたら、死後費用は一銭も無くても安心してられるってことじゃねぇ!?

『5万円火葬支援パック』が実現できれば、弱者中心の葬儀支援センターとして最高の目標と分った瞬間でした。

今はネットで『棺』も『骨壺』も買える時代ですが当時はネット検索しても何処でいくらかも分りません。葬儀屋さんに聞いても笑って誤魔化すだけで葬具は何ひとつとして原価さえ分りません。

葬儀屋以外の業者さんに聞いたり、業者名が分ると電話で確認したり、直接行って話を聞かせて貰うなどして、ようやく仕入れ先の目途がつき火葬だけの葬式に必須項目と原価を書き出してみました。

『2010年当時、火葬に必要な全項目』
① 病院、施設までお迎え業者料金
② 搬送用シートと顔当て布
③ 48時間分のドライアイス15㎏
④ 主流の山型フタ付6尺布棺、棺布団、枕
⑤ 枕飾り一式(経机、防火マット、蝋燭と火立て、香炉と灰、線香、りん、ランプ、渦巻線香、末期の水一式)
⑥ 安置布団の上掛け布
⑦ 火葬予約と死亡届出(コピー1枚)
⑧ 利用斎場まで霊柩搬送業者料金
⑨ 7寸白骨壺と箱
⑩ 3日間の全人件費

こうして2022年の今、書き出しても5万円は無理!? としか思えません。

当時は霊柩車も無く「病院等お迎え搬送」と「斎場まで霊柩搬送」2回で専門業者への支払いが5万円+税が掛かりました。

上記の全てを税込5万円など夢のまた夢、原価10万円を切る事もできません。

大手葬儀社営業と家族の立場でのやり取りを数回した結果、家族より10万円、20万円と安くなり、当社が受け取る支手数料の数倍は明らかに浮きます。

ですがそれほど有難いと思われず、中には自分の知ってる葬儀屋を紹介したい親戚もいれば、菩提寺を紹介したい親戚にとって我々は邪魔な存在と分りました。

日本人は人的サービスは無料と思う人も多く、結果だけを見て自分でも交渉ができると思う人もいると分り、これでは事業に成らないと確信、5万円火葬支援パックの完成が絶対条件となったのです。

2-6 初めての直葬施行

設立2年目の夏、このままでは5万円火葬は絶対にできないと腹を括り、無理は承知で経営する美容室前の看板半分を使って『火葬だけのお葬式89,000円+税』と大きく書き出します。

千明「代表、気持ちは分りますけど実際にはできませんよ」

俺「分ってる。だけど今のままじゃ絶対にできねぇ、公表しちゃえばやるしかねぇから、依頼が入るまでに完成させれば良い」

千明「確かにそうですけど――、」

美容室の看板で葬式依頼する人はそうそういないだろうし、看板を見る人も少ないだろうとの予測は外れ掲示して間もなく直葬依頼が入るのですから人の目は思ってるより鋭いようです。

初めての葬式で得た利益で購入した1万円ほどの経机、次の葬式で購入した線香具1セットなど、直葬で使用する葬具の大半は揃ってたので業者さんから「棺」1本、搬送シート1枚と必要品を揃えて病院お迎えで自宅安置します。

前橋斎場はマイクロバス霊柩車が6,110円で利用できたラッキーもあり終わってみると人件費など出ませんが、葬式依頼がある度に食べたご褒美のラーメンが食べられる利益が残ってました。

当時は一般葬ばかりで初めての新聞記事は会葬者150名(食事50名)ほどの公営斎場一般葬は100万円でお釣りがあり、一般葬儀社の4割料金と書かれてましたから、一般は200万円ほどだったのでしょう。

価格設定は「原価+諸経費+利益=売価」が極々普通の考え方ですが葬儀社勤務経験もなく葬儀屋がしたい訳でもありません。

国保からの葬祭費が5万円だから5万円火葬を創ろう。150名会葬なら1万円の香典60人、5,000円40人、群馬特有の新生活香典3,000円50名くらいだろうから100万円弱なら赤字に成らないと考えた。

そんな設定基準だから葬儀社の平均費用など全く知らず新聞記事を見て『一般葬儀社の4割かぁ』と思ったのを覚えてます。

集金した中から『斎場使用料』『祭壇用生花』『食事50名』『全返礼品』『納棺師』『後飾り自宅祭壇』更に『施行代として葬儀社』に支払うと手残り数万円、幸楽苑で290円のラーメン2つ、餃子と炒飯セット1つを二人で分けて食べるご褒美は精神的な満足感もあって旨かった。

わずか1,000円にも満たない褒美、残った数万円で葬式に必要な葬具をひとつ、又ひとつと買い足して行く2~3年は食える食えないのレベルでさえ無かったけど不思議と不安も不満もありませんでした。

只々『家族の心からの笑顔』と『助かりました』の言葉に満足してたのだから当時から根本的に『自己満足』で趣味感覚の支援活動だったのです。

初めての直葬は人件費や利益は無いけど赤字もなく、遺体搬送できる車両があれば5万円火葬支援パックは可能と分りました。

無謀と言われても突き進んだ事で進むべき道筋に光が差しガッツポーズ!そうと分れば霊柩車取得大作戦の開始です。

2-7 霊柩車取得奮戦記

葬儀支援センター設立2年目の夏、初めての直葬依頼で5万円火葬支援パック実現には霊柩車取得が絶対条件と分りました。

ネットで検索、霊柩車を造る会社のホームページにも料金は無く「お問い合わせください」の文字ばかりです。

施行依頼してた葬儀社の長男に聞くと新車価格の倍だと思えば良いと言われましたから300万円の車を霊柩車に改装すると600万円一番安いのは軽自動車の改装ですが運転手しか乗れません。

中古車は無いか捜し始めて1か月後、何気なくYahooオークションを見てると官庁オークションに淡路島で使用してた遺体搬送用寝台車2台を発見、入札方式で落札できませんでした。

更に1か月ほど経った頃オークションで霊柩車を発見、現在価格15万円と手が出せる価格、ただ中古車が気になります。

俺「中古の霊柩車って何となく怖くねぇ」

千明「何がですか?」

俺「中古車って霊が着いてる感じするじゃん」

千明「でも一度でも使えば中古車ですよ」

俺「あー言われてみればそりゃそうだ」

この会話で購入計画スタート、翌日も翌々日も価格変動はありません。未体験ながらオークション購入計画を伝えます。

俺「数日15万円で変動してない。明日は終了30分前に集合して終了1分前まで静観、1分切ったら2万円上乗せすれば楽勝で買えるだろ?」

千明「うんそうですね。ワクワクします」

終了当日朝7時30分パソコンを立ちあげ現在価格を確認、相変わらず15万円のまま変化なく間違いなく20万円以内で買えると確信する。

ところがオークション終了10分前には20万円の値がつき、予想より高くなりそうだが30万円には届かないはずと自分の心を落ち着け静かに1分前を待つ。

別窓で開いたカウントダウン表示60秒前を確認すると現在価格+2万円で初めて入札するが『あなたより高額な入札者があり入札できません』の文字に慌てて何度かクリックを重ねるとようやく「あなたが最高額入札者です」の文字

俺「おー、俺が最高入札者だってさ、でも286,000円になってるぞ」

千明「あれ、時間も増えてますよ」

俺「時間?」

見ると残り6分もあるので説明文を確認すると残り5分を切って入札すると5分間自動延長される旨の記載、最短5分待たなければ買えないのです。

オークションの仕組みは理解しましたが、予想に反し想定内の30万円を超えたところで暫し考え込みます。

すると隣の椅子に座って観戦してた千明が突然大きな声で叫びます。

千明「あ、もう時間が無い終っちゃう。終わっちゃった。買えなかった」

俺「喧しいな、何騒いでるんだよ」

千明「買えなかったじゃないですか」

俺「何がだよ」

千明「オークションに決まってるじゃないですか!」

確認するとモニターを2台使用しており、真正面モニターは普通だけど千明の前にあるモニターのカウントダウンページは「終了」の文字、途中更新されないままだったと分りました。

俺「まだ終わってねぇよ、ほら」

更新すると残り4分ほどあると分ったようで安堵の顔を見せましたが念の為に今の状況での思いを聞いてみます。

オークションの仕組みは理解しましたが、予想に反し想定内の30万円を超えたところで暫し考え込みます。

すると隣の椅子に座って観戦してた千明が突然大きな声で叫びます。

千明「あ、もう時間が無い終っちゃう。終わっちゃった。買えなかった」

俺「喧しいな、何騒いでるんだよ」

千明「買えなかったじゃないですか」

俺「何がだよ」

千明「オークションに決まってるじゃないですか!」

確認するとモニターを2台使用しており、真正面モニターは普通だけど千明の前にあるモニターのカウントダウンページは「終了」の文字、途中更新されないままだったと分りました。

俺「まだ終わってねぇよ、ほら」

更新すると残り4分ほどあると分ったようで安堵の顔を見せましたが念の為に今の状況での思いを聞いてみます。

車体落札価格403,000円+リサイクル料10,010円+陸送料20,000=総額433,010円で霊柩車落札できましたが、実際は病院内、施設内で霊柩車まで遺体を運ぶストレッチャーが無いと用が足りません。

事前確認したサイトに行くと『即決20万円+送料』のストレッチャーが落札されておらず送料込20万円で交渉できました。

費用は確認した通り千明の口座から霊柩車430,000円引き出し振込を済ませ、続いて20万円を引出そうとしますがATMが作動しません。

『あれ? もしかして故障?』と思いましたがATMで引出せる限度額が1日50万円と言われました。

千明の意気込みも分り翌日には支払いを済ませ、霊柩車とストレッチャーが届けば目標設定から3年目『5万円火葬支援パック』が実現します。

この時点で車に詳しい人なら「はぁ?」と思われたでしょうが、ガソリンさえ入れれば動き、ナンバーは陸運に行けば発行されると思ってました。

車好きの方なら『馬鹿じゃねぇの』と思われるでしょうが、車に関心が無ければこんなもんです。

車と言えばサラリーマン役員時代、都内で行われたトレードフェア(即売会)まで自分の車(クラウン)に部下4人を乗せて出掛ける直前のことでした。

部下「トランク開けて貰って良いですか」

俺「あいよぉ」

車から降りて鍵でトランクを明け皆のカバンを入れると出発です。

下道を走り高速道路に入ると1人の部下が不思議そうに聞きます。

部下「部長は何で鍵で開けたのですか?」

俺「ん? トランクのことか?」

部下「はい」

俺「何でって言われてもなぁ、鍵で開けねぇでどうやってあけるんだ?」

一瞬の静寂のあと車内は爆笑「だと思った」の声も聞こえましたが、キョトンとしてる僕に先ほどの部下が口を開きます。

部下「運転席の何処かにトランク開けるボタンありませんか?」

俺「運転席の周辺は見た事ねぇな、ガソリンの蓋開けるボタンはあるけどな」

途中サービスエリアでトイレ休憩、部下がボタンでトランクを開けるのを見て驚きました。ガソリンが入ってれば動くと思ってる奴ですから、霊柩車を走らせるのに許可が必要など考えもしませんでした。

2-8 霊柩車は一般貨物運送事業許可が必要と知り愕然

霊柩車の引き渡しは30台程の美容室駐車場、搬送車両から降ろすとナンバーは無く道路は走れず駐車場の奥に停めて貰う。

事務所で領収書や引渡し書類を受け取ると、運んでくれた霊柩搬送専門会社の方が確認してくれました。

男性「初めての霊柩車ですか?」

俺「はい、5万円火葬支援パックの完成に霊柩車は必須なんです」

男性「5万円火葬ですか?あり得ない料金設定ですね」

俺「そうですね、でも葬儀屋がしたい訳じゃないし支援目的ですから」

男性「素晴らしい、ところで一般貨物運送事業許可証はありますか?」

俺「なんですかそれ?」

説明をまとめると、緑ナンバーの霊柩車は国土交通省発行の一般貨物運送事業の許可が必要で、預貯金額や車庫、休眠室、設備など結構面倒な手続きがいる。

手続後は横浜の関東運輸局で筆記試験80点以上で合格、その後登録免許税12万円を払い車道を走るには最低3ヶ月、長いと半年掛ると言われ愕然がくぜんとする。

俺「ちょっと待ってください。建設会社とか土建業者で土砂とか運ぶダンプカーやトラックは白ナンバーですよね。運送会社は運んでナンボだから緑色のナンバーは理解できますけど、葬儀屋は死体運んでナンボじゃないでしょ。白ナンバーで良いんじゃないですか?」

男性「おっしゃる通り2011年現在なら白ナンバーでも違法ではありませんが数年後は緑ナンバーに統一されますから出来れば今の時点で緑ナンバーを取得されたほうが良いですよ」

俺「納得はできませんけど、おっしゃる通り緑ナンバーにします」

手続が終わると改めて霊柩車を確認、真黒で顔が写るほどピカピカで鏡のような輝きですが3か月も雨ざらしのままでは艶は無くなります。

ネットで屋根がテント張り組立式駐車場を購入しましたが空っ風の強い群馬で飛ばされ大きな事故になったら大変と言われる。

仕方なく霊柩車をテントでキャラメルのように包んで雨風を凌ぐ事になりました。この霊柩車はホームページ掲載のNHK動画に出てくるものです。

2人とも車に関心ありませんが当時は他の仕事を持たない千明に勉強して貰い横浜で試験を受け見事に一発合格でした。

年が明けいよいよ霊柩事業の許可がおりる2月、5か月振りに車体を包んであったテントを取り去ると暫し呆然ぼうぜんとします。

来た時は真黒ピカピカツルツルの車体だったピッチピチ娘が、わずか5ヶ月後はテントでこすれた車体はグレー!?にも見え、近くで見るとシワシワの老婆のように変貌した姿に溜息しかでません。

それでも気を取り直してエンジンを掛けようと乗り込みキーを回す。前を見ると千明が満面の笑みで見てます。されど車はウンともスンとも言わずバッテリーご臨終の瞬間でした。

バッテリーを交換、仮ナンバー取得して専門業者で磨いて貰い、車で5分ほどの距離にある群馬陸運支局で初めてのユーザー車検に挑戦、寄せ集めのタイヤ交換を指示され購入して履き替えると緑ナンバーを付けた霊柩車の完成です。

自社に戻ると初めてストレッチャーの作動練習、圧倒的シェアの米国ファーノ社製のストレッチャーは見た目安っぽいけど構造は良く出来ており体重150㎏の巨漢でも問題ない頑丈な作りです。

使用前は建築現場で組み立てる足場のような印象で、高くても数万円だろうと思ってましたが上下の定価70万円もします。

更に棺専用上部20万円、身体の下で縦割りにできるスクープストレッチャー20万円と中古でも結構な費用が掛かります。

初めは僕がストレッチャーの動きを確認しながらゆっくり霊柩車に出し入れを何度か練習すると次は千明が練習を始めます。

霊柩車からストレッチャーを引き出した瞬間『ガッシャーン』と凄い音がして振り返ると、手前の脚は出てますが故人の頭側の脚が出ずそのまま落下した音でした。

もし遺体が乗ってたら頭部は結構な衝撃になるでしょう。

千明「あれ、おかしいなぁ、代表の練習で見た通りにしたんだけどなぁ」

俺「故人乗せてたら大変なことなるぞ」

千明「ですよねぇ、もう一度やってみまーす『ガッシャーン』あれ、なんでだろう。分ったゆっくりやれば良いんだ」

何が分ったのか、ゆっくりと引き出すと『ガッシャーン』当人は何故か分らないといった顔で首をかしげてます。

俺「もしかして、レバー握ってねぇか?」

千明「最後までしっかり握ってます」

俺「だからだよ」

千明「へっ?・・・・」

安っぽい喜劇のような失敗練習があって正確な取り扱いを学ぶ、千明の失敗と成長を目の前で見て失敗とは成長の過程であり致命的で無ければ恐れず挑戦する姿勢はとても大事と改めて思えた瞬間でした。。

また大柄な故人はストレッチャーから布団への移動はかなりの腕力と腰への負担が大きいと分りスクープストレッチャー購入しました。

警察署の冷蔵庫で保管された死体は直接棺に入れる事が多く、棺専用ストレッチャー購入で千明への負担軽減です。

2008年6月の法人設立から3年後、東日本大震災発生の10日前2011年3月1日、最大目標『5万円火葬支援パック』がいよいよスタートです。

2-9 初めての5万円火葬支援パックは巨漢で葬祭扶助

5万円火葬支援パック完成の翌朝3月2日、以前連絡を頂き伺った事のある筋ジストロフィーの方から電話が入ります。

自分の世話をしてくれてる方の息子が亡くなり、お金が無いのでお願い出来ないかとの電話、ドライアイス15㎏を持ってご遺体がある隣接市自宅に向かいます。

到着すると簡単な挨拶を済ませ布団に寝てる故人を見ると『で、でかい!』布団の上からでも分る巨漢で棺に入るか不安でお母さんに聞きます。

俺「お母さん息子さん大きいけど身長と体重分る?」

母親「確か背は185cmくらいで体重は150㎏くらいかな」

昨夜突然の逝去で警察が入り明け方に全て調査が終了すると、介護で世話してる人に電話しての流れだと分かりました。

死体処置のため掛布団を取ると警察の人が胸前で合掌を組んでくれたようですが、このままでは肘が邪魔で棺に入りません。

俺「お母さん、体格が良過ぎて棺に納まらないから紐か帯みたいな物ある?」

2階から帯揚げを持って来てくれたので合掌を解き両腕を身体の前でクロスするように巻き付けた姿勢で帯揚げで縛り隙間にドライアイスを置きましたが隙間だけで1本2.5㎏6本が納まります。

俺「火葬だけのお葬式で良いんですね?」

母親「うん、うちは生活保護でお金無いからね」

俺「ん、生活保護って自分だけ? それとも息子も含めた世帯?」

母親「息子の分も支給されるから世帯だと思うよ」

俺「なら費用は役所から出るはずだよ」

福祉課担当者と死体検案した医院名を聞くと、すぐ市役所に電話、担当者の在席確認と状況説明と30分後に伺う約束をする。

車内から検案した医師に検案書料金を確認4万円と分り、市役所の帰りに寄ると伝え、既製品で一番大きな6.5尺特大棺の注文と火葬予約も済ませます。

市役所の担当者に葬祭扶助の依頼と必要書類の確認と火葬予約状況説明をする。

担当「葬祭扶助の実際は宗教者への謝礼など認めておりません」

俺「あー、そうですよね。今回は直葬ですから問題ありません」

担当「はい、それとドライアイス等も認められておりません」

俺「ん?・・・・、あ、そうですか」

死体腐敗防止で使用するドライアイスの使用が認めてないなど絶対にありません。今は知識の無い担当者への説明より火葬準備が大事、そのまま医院に行き4万円立替て死体検案書を受取り戻ります。

自宅に戻ると検案書費用、特大サイズの棺も全費用が葬祭扶助で賄える旨を伝え、検案書に必要事項の記入と捺印をして貰い再度市役所で火葬許可証の発行を待って戻ると火葬の流れを説明します。

俺「火葬時間は明日朝10時、30分前には斎場到着です」

母親「友人には朝10時に来てくれるよう言えば良いんだね」

俺「それでは間に合いません。朝8時30分自宅集合9時30分には斎場到着、それと大きいから男性10名ほど頼めますか?」

母親「はい,そこは大丈夫です」

俺「これだけ大きいと食べる量も多いですか?」

母親「そうねぇ3人前は普通に食べるね」

一旦事務所に戻り3合のご飯を炊き1個を2枚の海苔で包んだ大きなおにぎりを2個作って故人の枕元に置きました。

翌朝は近所の人達が集まってくれ、みんなで納棺すると『ミシミシ』と嫌な音はしましたが何事もなく霊柩車に乗せる際、近所の人が言います。

男性「この辺りじゃ霊柩車に乗せる前に3回棺を回すんだよ」

俺「えっ、慣習でしょうが何かあったら大変ですから今回は中止してください」

男性「まぁそうだよな、落としたら大変だからな」

霊柩車に乗せると前が浮くのが分るほどでしたから慎重に運転して斎場に到着、通常90分の火葬時間が2倍の180分、その後1,000件以上の火葬で最高に時間が掛った火葬でした。

あ、追伸ですが葬祭扶助利用時に於けるドライアイス使用は当然承認でした。

2-10 何もしない葬式と無信仰者とは

設立3年目、特別養護老人ホームに入所中の父親の体調が思わしくないとの事で相談に来られた女性、希望など聞きますが要領を得ません。

手元を見ると要らない項目らしき物がびっしりと書かれたメモのようでした。

俺「ごめん、話の要領を得ないけどもしかして何もしなくて良いって事ですか?」

女性「はい、そうなんです」

俺「なら最初からそう言えば良いのに何かわけでもあるんですか?」

女性「一般的な葬儀屋さんは中々理解して頂けないものですから――、」

俺「僕は無信仰だからどんな宗教も価値観も色メガネで見ることはありません」

女性「そう言って頂けると助かります」

俺「信仰があるなら信仰の作法で葬式すれば良いし、無信仰者なら宗教儀式は不要ですから火葬だけでも充分です

女性「あー、なるほどぉ、言われてみればそうですね」

俺「でしょ。いずれにしても家族が納得して法律違反で無ければ問題ない」

女性「なんだか気が楽になりました。ご理解頂いてありがとうございます」

俺「あはっ、理解してませんけど希望が何も要らないならそれで良いんです」

女性「そうなんですか・・・」

俺「先ほどからお話しを聞く限り多分――、クリスチャンですよね?」

女性「はい、その通りです」

俺「これは僕の感覚ですが信仰とは『生きる指針』だと思ってます。だから家族も含め自分以外の他人に迷惑を掛けない限り、何を信仰しても自由なのが信仰の自由であり無信仰者もまた然りです」
 
女性「はい、そうですね」

俺「で、葬式ですが個人的には宗教儀式ではなく人生をともにした家族や仲間とのお別れの時だと思ってますので死後より存命中が大事です。家族を筆頭に支え合った仲間達と互いに感謝を伝えあい、家族や仲間達に感謝を伝え、今生の別れを受け入れるのが葬式だから、死後に騒ぐ必要はなく、死後は故人との思い出に浸り、温かく送れたら最高の葬式だと思う」
 
女性「納得させられる言葉ですね」

俺「ただね、死後の葬式は今生の別れを受け入れる意味で大事だけど、残る家族の生活はもっと大事、家族が絶対にしてはならないのが、金銭面を筆頭に無理、世間体、見栄、虚栄などです。でも葬儀屋、菩提寺を筆頭に家族から金を巻き上げる事しか考えてない人ばかりの日本で家族の事情と都合と価値観で尚且つ生活が守れる葬式をと思うと難しいのが現実、だから葬儀支援センターを立ちあげたんですよ。あなたの家族が思うような葬式をすれば良いし、そのお手伝いが我々に出来るなら可能な限りのサポートをしますから安心してください」

女性「ありがとうございます。ぜひ入会させてください」

俺「了解です。話だけ聞いて、すげー立派な人間と勘違いさけると困るので言っておきますが、父親の死から偶然の始まり、ぶっちゃけ僕の意思より強い流れに逆らえず嫌々始めたのが本音なんですよ」

女性「あはっ、正直な方で返って好感が持てます。宜しくお願いします」

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参考資料(お時間のある時にでも読んでみてください)
あんしんサポート葬儀支援センター  
代表ブログ 葬儀支援ブログ「我想う」


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