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ゴールが定まって、自分のものさしができると他者との比較に悩むことが減る

思い返すこと数年前。自分はどの方向に向かうべきかもわからないまま、渇いて渇いて仕方がない自分自身を満たしてくれるものを求めて目隠しをしたまま走り、何度も転んだり人にぶつかったりし続けていました。

そんな目的地不明の全力疾走に身を投じることになったのは、大学1年の夏休みに参加した「海外ビジネス武者修行プログラム」というベトナムのお店で活動して新企画を実践するインターンがきっかけでした。武者修行は当時で運営開始から4年が経過して3000人近い学生が参加したインターンで、各タームごとに「優勝」チームと「企画の採用」チームを選んでいました。でも、自分が参加したタームは「優勝なし」「採用なし」という史上初のズッコケを。結果発表に行くまでもなく、2週間のインターン期間中「ビジネス」という場に置ける自分の無力さを日々感じ続けていたため、「成長しないといけない」と脅迫観念に似た想いに突き動かされることになりました。

自分が何をしたいのか、どうなりたいのか、というゴールもあやふやなままに、ただただ「挑戦して成長できそうな場所」に飛び込み続けました。(今思えば洗脳に近いような)自己啓発セミナーに参加をしてみたり、営業インターンでお客さんと会社とに迷惑をかけたり、意識高い団体に属したり、イベントにいろいろ顔をだしたり。「研究者になりたい」と思って入学した大学の授業もそこそこに、「ビジネス」の場における成長を求めてひた走り続けました。

結論から言えば、どれも裏目に出てばかりでした。
睡眠時間を削って色々なことに挑戦しても、1個1個の質はどうしても低くなるし、そもそも眠いし、自分のことしか考えられないし。

場だけを求めていたのだから、毎回向かう方向はあっちにいったりこっちに行ったり。まるで、目隠しをしたままにマラソンをしているようでした。


「ライアンはとことんテイカー(taker)で、人から奪うことしか考えてないよね」

なんてことも営業インターン先の学生に言われたりしました。
常に「満たされたい」と思って生きていたのだから正鵠を得た指摘でした。

そんな目隠しマラソンを続けた自分でしたが、今ではだいぶ満たされて、落ち着くことができました。その要因は2つあります。

本題 やりたいことが明確になったから。
色々詳細は省きますが、大学3年の頃に「南極に研究者として行きたい」という原点回帰の目標がストンと腹落ちしたことをきっかけに目指す方向が定まりました。方向が決まったことで、自分の中にものさしが生まれて、現状の立ち位置がある程度わかるようになりました。そうして、何をどのくらいするべきかが分かったことで矢鱈と走ることがなくなりました。

加えて、それまではSNSにいるキラキラと活躍しているように振舞っている同年代全員と――その分野を問わず――比較をし自分に足りていないものをあげつらって自分を傷つけがちだった状態が終わりました。自分という存在の境界線がハッキリしたことで「人は人、自分は自分」というのがわかるようになったのです。これも焦りの感情を刺激しづらくなることに繋がるので、精神の安定に欠かせなかったと思います。

オマケ 自分の得意不得意を検査で明らかにしたから
武者修行を通じてできた友人の勧めで、WAIS-Ⅳという知能検査を受けてみることにしました。その検査は、その人の得意なことや不得意なことを定量的にIQとして示してくれる検査です。これが効果てきめん。それまでは、漠然と「能力不足だ!」と思っていた部分が自分の脳の特性から生じていたことや、逆に言語処理能力に関してはめちゃめちゃ得意としていることが明らかになりました。

ダメだと思っていたところは、認識して、生活の工夫をすることでミスを減らす。得意なところはもっと活用するにはどうしたらいいのかを考える。
そうすることで無駄に自分自身を傷つけることがなくなりました。

そういったことで精神が安定してからは、人の話を傾聴できるようになったし、能力不足でクヨクヨすることがほとんどなくなりました。
とはいえ、自分のクソ真面目なところや完璧主義なところには相変わらず振り回されています。そこを緩和していくのがこれからの目標。

もし今、昔の僕と同じように目隠しマラソンをしている人がいたら、自分自身のやりたいことを見つけるようにしてみてください。それが見つかれば、今身を焦がすように襲っている焦りの感情から解放される道につながるはずです。その答えはきっとあなた自身の中にあるので、心の自分の小さな声に耳を傾け、実際に行動をするようにしてみてください。

知能検査とかは絶対に全員に必要とは言いませんが、大学のカウンセリングルームとか心療内科とかで受けれると思うので機会があれば受けてみることをオススメします。

頂いたサポートは、南極の植物を研究するために進学する大学院の学費や生活費に使わせていただきます。