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バグったゲームデザイン

ゲームデザインではユーザーを狙った感情を導くために「現実の模倣・再現」「一般に浸透している遊び」「ヒトの欲」などを利用します。

たとえば「アイテム購入(買い物の模倣)」「レベルアップ(成長の模倣と記号化)」「敵の撃破(破壊欲)」「3すくみ(じゃんけん)」「役を揃える(トランプ・麻雀)」「探索と発見(支配欲)」など…

日々発売されるゲームやゲーム業界関係者の研究、一般ユーザーの忌憚なき感想によって「ユーザーを楽しませる仕組み」がどんどん発見されています。

ですが、ふと思ったのです。

これって、誰かの用意した考え、ルール…『常識』に縛られてない?

何かを考える時、前提として既にあるものを利用するのは効率的ですが、どうにも堅苦しくて居心地が悪い時があります。

自由な発想をしたくとも、初手から「何か」に絡み取られている。

そうであると分かっているのであれば、あえて「奇妙なアイデアの出し方」を演じてみるのはどうでしょうか。

ゲーム業界風に言うなら…バグったゲームデザインです。

バグ1:反転


「セオリー」を反転させてみましょう。

お金を払ってアイテム購入 ⇔ お金を払うとアイテムを失う
敵を倒すと成長する ⇔ 敵を倒すと弱くなる
敵を踏んで倒す ⇔ 敵を踏んで復活させる
アバターはゲーム進行に影響しない ⇔ アバターがゲーム進行に影響する
ボタンを押し続けるとチャージ ⇔ ボタンを押し続けるとクールダウン
コンボをつなげるとハイスコア ⇔ コンボをつなげるとスコアダウン

バグ2:入れ替え

「要素」を適当に入れ替えてみましょう。
ただし、実際のゲーム画面をイメージしながらリソースを入れ替えます。

【宝箱】を【カギ】で【開ける】と【アイテム】が【入手できる】
→【ロケット】を【火】で【あぶる】と【雨雲】を【呼び寄せる】

【宝珠】を【7つ】【集めて】【魔王】を【倒す】【聖剣】を【作る】
→【かき氷】を【1万】【踊らせて】【師匠】を【笑わせる】【盆栽】を【育てる】

…自分でやってみながら、脳みそを無理やり振り回す感じが難しいですね。
「ここから何か生まれるはずはないよ」という声が聞こえてくるのですが、すぐに常識に戻ろうとする意志を捻じ曲げることで、アイデアを出す集中力が高まる気がしました。

バグ3:順番を変える

普通なら1→2→3…と流れるところを、3→1→2…と適当な順番に変えてみましょう。

1:敵を倒す
2:お金を手に入れる
3:ショップに行く
4:アイテムを購入する

3:ショップに行く
1:敵を倒す(店員を倒すゲームなのかな?)
4:アイテムを購入する(奪っている…)
2:お金を手に入れる(全て奪っている…)

風来のシレンのショップ?

1:敵にエンカウントする
2:戦闘開始
3:敵を倒す
4:経験値を得る
5:レベルアップ
6:スキルを覚える

5:レベルアップ
2:戦闘開始(レベルアップがトリガーなのかな?)
1:敵にエンカウントする(バトルフィールド内で小規模戦闘がある?)
6:スキルを覚える(戦う中で強くなる)
4:経験値を得る(リアルタイムに経験値を得る?)
3:敵を倒す(そもそも戦闘のみのゲームなのかも?)

6のシステムはサガシリーズですね。
レベルアップをトリガーとした戦闘開始は目にしたことがありません。

まとめ

何を言っているのやら、という話ではあるのですが、こうした脳の筋トレもたまには悪くないのではないでしょうか。

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