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ゲームデザイン:反応の種類

ゲームは「インタラクティブなメディア」


ゲームは「インタラクティブなメディア」です。
※インタラクティブ=双方向性、対話性

メディアコンテンツでは、内容を利用者に一方的に与えるのではなく、利用者の働きかけにより刻々と内容が変化することをインタラクティブであるという。

インタラクティブ(対話型 / 双方向型)とは - 意味をわかりやすく - IT用語辞典 e-Words

ユーザーが入力した内容がゲーム側で処理され、モニターなどを通じて出力を返す。簡単に言えば、何かすればモニターの中の世界が変化する…「反応を返してくれる」のがゲームというメディアの特徴です。

ゲームではプレイヤーが能動的に操作を行うことで、映像や音声がリアルタイムに変化していく点にあります。このようにユーザーがゲーム機やスマートフォンの画面を見ながら、対話をするような形式で操作を行う形態をインタラクティブと呼び、ゲームではこの状態が高度に活用されています。

ゲーム開発のパイプライン | Autodesk :: AREA JAPAN

このプレイヤーとゲームの相互干渉,インタラクティブ性を持ち得ることこそがゲームの特徴であり特殊性なわけです。

【島国大和】ゲームと他のメディアは何がどうちがうんだー!というお話 (4gamer.net)

「反応」という言葉の曖昧さ

ゲームは「インタラクティブ=反応を返すメディア」とも言えます。

ゲーム開発では多種多様な問題が発生しますが、多くが「反応不足」から生まれます。(反射神経の話ではありません)

敵にダメージを与えたかどうか分からない…
敵を踏みつけても気持ちよくない…
キャラを移動させるとなんとなくひっかかった感じがする…
強いボスを倒したのに報酬がしょぼく感じる…

これらはすべて「反応不足」から生じています。
しかし、「反応」という言葉で一括りにできるでしょうか?
おそらく別の要因、別の言葉を思い浮かべたのではないでしょうか。

フィードバック、リアクション、レスポンス、リワード…

「反応」は多くの意味を集めた言葉です。
問題が起きた際に適切に対処できるよう、「反応という言葉を解体し、用途ごとに区分け」してみましょう。

ゲームが他の娯楽と異なるのは、インタラクションを提供することですが、プレイヤーが期待する方法やプレイヤーが必要とする方法とは異なるなど、間違った方法でインタラクションを提供すると、人々はあなたのゲームをプレイしてイライラしたり、さらに悪いことに、あなたのゲームをまったくプレイできなくなったりすることを意味します。

インタラクションデザインパターンによる使いやすくアクセシブルなゲームの設計 (gamedeveloper.com)

反応1:リアクション

まずは「リアクション」について考えてみましょう。
「reaction」「リ・アクション」…つまり「動作を伴った反応」です。

実際のゲーム要素としては以下のような内容が挙げられます。

  • 敵にダメージを与えた際のノックバック

  • 草むらを歩いた際に「草のエフェクト」が飛び散る

  • タルを斬りつけると派手に壊れる

  • 歩いているNPCに接触すると、うろたえながらバランスを崩す

ゲームをプレイしていて「入力に対して刺激が乏しい」と感じたら「リアクション不足」かも知れません。

まさしくワンダーという名前のとおり、これはプレーヤーに大きな驚きをもたらしてくれる。2Dアクションはどうしても画面が地味になりやすい傾向があるため、こういった変化でつねにプレーヤーの心を動かそうとするわけだ。

11年ぶり「マリオ」新作、遊んでわかる高評価の理由 よく考えられた「人の心を動かすデザイン」 | ゲーム・エンタメ | 東洋経済オンライン (toyokeizai.net)

反応2:フィードバック

仕事で「フィードバックをもとに改善する」という使い方をする際、フィードバックとは「反応」というよりは「情報」です。フィードバックは「情報を主とした反応」と言えます。

実際のゲーム要素としては以下のような内容が挙げられます。

  • 敵を攻撃した際のダメージ表示

  • NPCに話しかけた際の会話

  • 課題クリア時のゲームの進行程度情報

ゲームをプレイしていて「過程がつまらない」「進んでいるのか分からない」と感じたら「フィードバック不足」かも知れません。

――ダメージのポップアップを表示することにした理由は?
辻本:よだれを垂らしてるからスタミナ減ってるとか、足を引きずってるから弱ってきてるな、といったようにモンスターを見ていろいろな情報を受け取ってほしい、というのはこれまでと変わらずあります。ただ、これまでは初めてプレイする人から「攻撃が効いてるのか効いてないのかよくわからない」という意見が多かったんですね

現代の技術で最高のものを「モンスターハンター:ワールド」インプレ&インタビュー (ign.com)

反応3:レスポンス

「response」も多様な意味を持ちますが、ここでは「コントローラーの入力に対する画面出力の感触」をレスポンスと呼びたいと思います。

実際のゲーム要素としては以下のような内容が挙げられます。

  • 移動挙動

  • パンチやジャンプといったアクションの発動までの時間

  • メニューの展開速度、アニメーション待ち時間

ゲームをプレイしていて「触っててストレスが溜まる」「ラグい」と感じたら「レスポンス不足」かも知れません。

格闘ゲームはとにかくキャラクターを気持ちよく動かすジャンルだと思っていて、そのノウハウを格闘ゲーム以外にも使えるのではないかという気持ちはずっと持っていました。キャラクターを動かすこと自体はほぼ全てのゲームジャンルに共通するので、そこに格闘ゲームの持つ「気持ちよさ」のノウハウを入れ込もうと考えたんです。

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まとめ

  • ゲームはインタラクティブなメディアである

  • インタラクティブは「反応」とも言いかえられる

  • 「反応」は大きくて曖昧な言葉である

  • 「反応」はたとえば「リアクション」「フィードバック」「レスポンス」に分けることができる

ここで紹介した以外にも「リワード」や「エフェクト(影響)」など、他にも区分けできる「反応」があるかも知れません。

おまけ


実に大事な考えだと思いましたのでご紹介…

私は思うんですけど、
インタラクティブな娯楽の強さって、
遊んでから、10年とか15年経って
思い出すことだと思うんですよ。

ゲーム機の電源を入れてもらうために。 - ほぼ日刊イトイ新聞 (1101.com)

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