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ケン・ウィルバーのインテグラル理論解題

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私はケン・ウィルバー理論の研究・実践を30年来続けている。ウィルバーは、すでに高い世界的評価を受けている思想家だが、日本ではまだまだ認知度が低いようだ。 そこで私は、このマガジン… もっと読む
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記事一覧

「シンギュラリティ」か「オメガ・ポイント」か

暮れから正月にかけ、二つの出会いが相ついだ。 ひとつは6~7年ぶりの再会。この再会には「…

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ウィルバー理論解題(その8):ホロンの20原則(12)

さて、今回はホロンの20原則の最終回である。 「20あるはずなのに、まだ12番目だけど・…

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ウィルバー理論解題(その7):ホロンの20原則(9~11)

今回は、ホロンの20原則のうちの9から11を解説する。 9.どのレベルのホロンを消去して…

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ウィルバー理論解題(その6):ホロンの20原則(3~8)

前回、ホロンの原則1~2をご紹介した。 1. リアリティを構成するのは、モノでもプロセスで…

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ウィルバー理論解題(その5):ホロンの20原則(1~2)

ケン・ウィルバーは、様々な分野の専門家や研究者たちが、この世のすべて、森羅万象、一切衆生…

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ウィルバー理論解題(その4):「ホロン」~そもそもの発端

さて、前回ウィルバー理論の概論の概論(全体のオリエンテーション)を示した。 今回から「概…

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ウィルバー理論解題(その3):ビッグ・ピクチャー

今回は、ケン・ウィルバーの「インテグラル理論」に関する、おそらくもっとも短い要約になっている。ウィルバー理論について15分で学びたい、という人にはうってつけの記事だ。 ■ウィルバー理論を一言で言うなら・・・ケン・ウィルバーという稀代の哲学者・思想家がやろうとしている(やった)ことを、一言で言うとどうなるだろう。 まず、もっとも広い意味で言うなら、「永遠の統合学」の確立ということではないかと思う。 もちろん、私はこの言葉をオルダス・ハクスリーの「永遠の哲学」のもじりとして使っ

ウィルバー理論解題(その2):この世はすべてホロンでできている

ひとつの思考実験を試みてみよう。 想像してみていただきたい。 物理学者、生物学者、人類学者…

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ウィルバー理論解題(その1):志向的一般化

■ウィルバー理論を一言で言うと「志向的一般化」私は、「ウィルバーと私(その1)」において…

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ウィルバーと私(その6):映像で解説

「自分はどうも文字を読むのが苦手で・・・でもケン・ウィルバーという思想家については勉強し…

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ウィルバーと私(その5):ウィルバーの世界的評価

■ウィルバーの世界的評価ケン・ウィルバーは現存する最も特筆すべき傑出した、世界最高峰の思…

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ウィルバーと私(その4):影の投影

私が最初に読んだウィルバーの著作は「無境界」だった。今から30年近く前の話だ。 この本は…

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ウィルバーと私(その3):ウィルバーとヒルマン

私がウィルバーと出会ったのは30代後半だったと記憶しているが、ちょうど同時期に決定的な出…

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ウィルバーと私(その2):ウィルバー理論の不備

この「ウィルバーと私」というシリーズを続けるにあたり、全体の「地図」代わりに、ウィルバー理論の不備な点、いわばインテグラル理論の必ずしもインテグラル(統合的)ではない部分を、まず最初に概観しておきたいと思う。 ●「タイプ論」の不備 ウィルバーが提唱するインテグラル理論(特に人間学としての統合理論)のもっとも基本的な概念として「AQAL」というのがある。これは、All Quadrants(全ての象限)とAll Levels(全てのレベル)の略だが、私はこの「L」の部分に「Li