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初回お試しキャンペーン男子 〜マッチングアプリde婚活もどき日記54〜

土曜日に会ってきたTさん(仮)の話です。

アプリ上での印象は「礼儀正しくはあるが、やたらと卑屈で絵文字バリバリのメッセージを送ってくる変な奴」でした。

実際に会ってどうだったか……を一言でまとめると、
「優良初回お試しキャンペーン」。

「こいつにするか、今後一生鼻呼吸できないレベルの花粉症になるか、どっちか選べ」
と神様に言われたら、まあもしかしたら選ぶかもしれん。という感じ。

今までに顔合わせした男子を並べると、

Tさん(今回)≒ Nさん(3回デート後、時々LINE)>>>>>>>>>> Sさん(自分優先、食事中スマホ)>Pさん(1時間遅刻でほぼ謝罪なし)

という感じ。


駅の改札口で定刻合流し、「どこかカフェでも入りましょうか」と歩き出した時が一番楽しかったです。

目元は好みだったし(+口元となると少し評価は下がったが、まあマスク効果についてはこちらもよう言わん)、プロフ通り身長180越えだったので、
「やっぱ高身長はいいね〜並んで歩いててときめくわ〜」と、前回のSさん(160台半ば)と比較してほくほくしました。

そんな感じで、滑り出しは良かったのですが。

カフェでオサレな飲み物を頼み、マスクとって世間話をするうち、

Tさん「プロフィール写真がボンヤリしてたんで会うまで不安でしたけど、年齢より下に見えますよね。経歴もしっかりしてるし可愛らしいし、アプリなんかじゃなくても普通に付き合えそうですけどね〜」

と、特に頼んでもいない講評タイムが始まった……本人的には褒めてるつもりかもしれんが、

まず「年齢より下に見える」→こちらの「年齢」をどう捉えてるかが透けて見えるわな。

「アプリなんか」→アプリ=人類ヒエラルキー最下層の溜まり場的な認識?

自分も使ってるくせに、どんだけ偏見持ってるんだっつーの。

まあプロフに「友人/先輩に紹介されて始めました!」(=俺の意思で始めたわけじゃありません!)とか書いてる奴、多いもんな……テンプレかってくらい。

うちの職場には、アプリでの出会いから結婚して円満らしい人もおるがな。
(※この日記シリーズ上初出情報だと思うが、これを根拠に続けている面もある

何より、人にはそれぞれの事情ってもんがあんだよ。
何歳で、いつどこで何してようが勝手だろ。
悪気はないかもしれんが、「この年齢の女なら特定の相手がいて然るべき」っていう固定観念の持ち主であることがバレバレやぞ?


——といった感じの脳内検討会を繰り広げていたら、こんなことも言ってきた。

Tさん「これ、個人的に重要ポイントなんですが……歩く時とか手を繋いだり腕を組んだりして、くっついてくれる人が好きなんですよね。そういうの、抵抗ないですか?」

はぁ……まあ、『抵抗』といったほどのものはないですが……。
そうしたいと思う相手と、しかるべき状況においてであれば、そのような行動に至る可能性はあると思いますが、それを常時期待されるとなると、しんどいかもですな——みたいなことを、しどろもどろに答えました。

(今のところ、そんな相手は二次元にしか存在してないからな……うちの本丸の近侍ですが……)とまでは言わなかったが、まあ正直、鬱陶しい話である。


そんな話をしているうちに昼になったので、移動してランチへ。
ちなみに私は「原則、飲食代は自分で払う」を信条としているのだが、

このTさん、「気持ちは嬉しいですが、僕は女性にお金を出させるのが大の苦手なんです!」と、こちらがテーブルに現金を置いても全力で押し返してくる人であった。
もちろんありがたいっちゃありがたいが、この辺にも昭和の価値観を感じる……。

なお、食事中の会話は

「中学の頃に○○癌が見つかって、5年前に再発したので手術して全部取ったんですよ〜」

だの、

「この右腕、すごいでしょ? 3年前、工場のローラーに挟まって骨まで見えちゃって、リハビリに1年近くかかって……」

だの(袖をまくった腕には亀裂のような跡が残っていた)、

「前々から●●障と言われてて、『そろそろ目の手術受けないと、本気で失明するよ』って医者に言われててですね〜。でも流石に目にメスを入れるって怖くて放置中」

だの……なぜか突然始まる大病自慢?
つーかそれ普通にやばくない???
と突っ込みたくて仕方ないようなネタのオンパレードであった。

病気を理由に断るつもりはないが——でも私、病院嫌いやしな……できるだけ、病院に関わることなく生きていきたいというのはある……それ以外の条件が揃っていたら、別に病気でも構わんのだが。

この他にも、家で飼ってるウサギとチワワの相性が最悪だとか(なおウサギは引っ越した友人から押し付けられたらしい)、そんなほのぼの話も聞きましたけどね……。

食べ終わった頃に店が混んできたので「出ましょうか」となった。

「この後どうしますか?」と訊かれて「人多くなってきたし、今日はここで解散でもいいですかね〜」と投げたところ、「そうですね」と思っていたよりあっさりめの、

「お話できて楽しかったです。他にもやりとりしている人いらっしゃるんですよね? もし2回目OKなら、連絡もらえたら嬉しいです」

との返事。

おお……カフェ代・飯代全部出してくれたのに、このままサッパリお別れでOKってか?

引き止め・勧誘一切なし?


なんと模範的な初回無料キャンペーンか……!

と、感心しながらバイバイしました。

帰りの電車でお礼くらい送ろうかとは思ったものの、それが「2回目OK」と取られたらちょっとなぁ……との思いから、感謝の気持ちは心の中に留めておきました。

もしアプリにお相手レビュー機能があったなら、☆5つ付けるんですけどね。
価値観と話の内容はともかく、紳士的対応に関して。

(しかし、そんなもん実装したら運営会社が大変だろうな)


さて、次はまだ見ぬUさん候補探しの旅です。

詳細はまた別で書きますが、このTさんの同期たち——と勝手に呼んでいる、年末からアプリでメッセージ続けていた数人——は、
やりとり開始から1週間が経った時点で返信をやめました。

「1週間も話したらネタ尽きるわ! それでも『会いましょう』に進む気配なく、ダラダラ続ける意味って何??? 有料チャットサービスでも申し込んどけや!

……という気分です。

現場からは以上です。

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