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"RIALTO"の事。

1991年結成、アルバム2枚と短命に終わったバンド”Kinky Machine”。グラム・ロックをル-ツとした勢いのあるギター・サウンドは、当時ブリット・ポップ前夜の青田買いの渦中だったUKに於いて、そこそこのヒットを放ったものの、自身も公言する様に、他のバンドからは結構浮いていて、違和感を持った彼らは、アルバム2枚で早々と解散。メンバーだったLouis EliotとJonny Bullが中心となって1997年に結成されたバンドが”Rialto” でした。

1997年に"Monday Morning 5.19"というトンデモ無く良い曲をシングル・リリース、翌年に名曲シングル”Untouchable"、これらを収録したデビュー・アルバム”Rialto”をリリースします。映画的なサウンドを作り出すというコンセプトで作られたこの作品は、様々な情景が目に浮かぶ様な、映像的でロマンティックな哀愁漂うサウンドと抑揚のあるメロディによる非常に内容の良いもので、口の悪いUKプレスや評論家の評判も上々でした。しかし、実にタイミングが悪い事にバンドが所属したEAST WESTとELEKTRAのアメリカ資本による買収劇から、UK方面の経費削減の憂き目に遭います。日本とドイツだけは契約の関係かEAST WESTからオリジナル通りのジャケットでリリースされますが、本国UKを含むそれ以外の国では、Warner傘下のChina Recordsからで、アルバムのイメージとはかけ離れた暗~いジャケットでのリリースでした。

それでも、彼らは大学などを回って熱心にギグを重ね、自主制作でミニ・アルバム”Girl On A Train”を完成させます。サウンドをエレクトリックに推し進めた好盤でした。が、インターネット配信で”Gimme Music”から発表しますが、時代に合わなかったのか早過ぎたのか、売れる訳がなく...。セカンド・アルバム制作に漕ぎ付ける頃には、メンバーが次々と去り、2001年にセカンド・アルバム”Night On Earth”をリリースして解散しました。

バンド解散後、Louisはソロ名義で活動しますがパッとしなかった様な...。優れたサウンドと独自性と革新性を持ちながら、運命に翻弄された気の毒なバンドでしたが、彼らが残した作品は現在も残っていて、だからこそ、忘れてほしくないバンドで、是非聴きつづけて欲しいと思います。

粒ぞろいの曲が多くて困りますが、今回は、彼らの代表曲と言える超名曲を。

” Monday Morning 5.19” / Rialto

#忘れられちゃったっぽい名曲

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