古着で初イベント参加成功!
こんにちは、古着屋closet museumの館長ことビレです。
普段事務員として働く傍ら、webでヴィンテージの服を中心に販売しています。
▼なぜそうなったかの経緯はこちら
いつもお店用のTwitterでは「博物館の館長」という世界観を守る丁寧な話し方を心がけてるのだけど、ここは舞台裏。
一つの古着屋を切り盛りしている人間としてリアルな話をしていければと思います。
◆さて!
タイトルの内容に触れていきましょう。
そうなんです、リアルイベントに参加したのです!
▼参加したイベント
今回は池袋で開催しているフリーマーケットに参加しました。
結構ゆるっとしたもので、古着・新品・不用品・ハンドメイドなど、出店できるジャンルはほぼ自由。
参加した理由としては、
・今までwebで購入してくださった方に実際に商品に触れてから購入する機会を設けたい
・知名度のなさが課題だったショップに、新規顧客流入の1つとして取り入れたい
・イベントの雰囲気を純粋に楽しみたい
などがありました。
いやでもさ、思い立ったのがイベント開催の1ヵ月前なんだよ。
計画性というか……もうちょっとこう……
でもひらめきと持ち前の衝動性をもとに、イベントに参加したいということを表明すると友人が手伝いを申し出てくれました。
この2人はいつもcloset museumのPV撮影に付き合ってくれたり、お店の商品を購入したりと懇意にしてくれています。
そこからはマッハで仕入れをこなし、資材を購入し、友人はポスターと名刺をデザイン+印刷してくれ(天才か?なんでそんなスキル持ってる?)当日に挑むことができました。
持つべきものはフットワークの軽い以心伝心のともだち!
◆参加してよかった、良すぎた
ここからはイベントで起きた、私にとって忘れられない出来事の備忘録。
いざ自分たちのブースを開いて9:30からの開場を経ると、朝にも関わらずたくさんの人が訪れていた。
が、よく見るとご年配が多くガチガチの地元民であることがわかります。当たり前だよ、サンシャインまだ開館してないんだもん。
そこから立ち止まる人はほぼおらず、覚悟はしていたもののこりゃ閑古鳥状態か~?と冷や汗の止まらん私。
私だけならまだしも、今日は2人も友人がスタンバってくれてるのに一枚も売れないとか誰も興味を示さないとかになったら気まずすぎる。
10:30頃になると、なんと別の友人が一人来てくれて差し入れを渡してくれました。しかも「似合うやつある?買いたいんだよね」とチャイナベストを購入。
もうこれで今日は一着確定になって心底ほっとした。
久しぶりに顔も見ることができてうれしかったし、サプライズだったから喜びも二倍だった。
これから観劇に行くということで、楽しんで~!と送り出した。
友人に会えたことでほっとして、なんとか声出しとかもできるようになってきた。
ちなみに友人たち(かたやアパレルかたやコミュ強)は初めからめちゃくちゃ声掛けしてくれていた。何やってんだ私は。
そこから何人も玄人っぽいおじさんたちがかわるがわる商品をチェックしていく。
見るのは決まってオニキスの新品ネックレスと豚革の新品ショルダーバッグ。多分業者で、買い付けをしていくのだと思う。
中にはルーペでじろじろ見たり「これって台座シルバー?」とか「いくらで購入した?」とか聞いてくる人もいた。
これは物の価格を測るお決まりのワードなので適当にはぐらかしておく。
せっかく気に入ってくれる人がいるようにセレクトしてきたのに……という気持ちで情報はなるべく開示したくなかった。デザインで買え。
結局、500円に値切ろうとしてきたおじさんに内心キレながら、多めに提示した金額から仕方なく数百円下げたようにみせながらもともと決めていた定価を提示して購入させた。
マジで値札つけてなくてよかった。あと台座は多分シルバーメッキ。
でもこれはバイヤーがみんな目を留めるような商品を私は仕入れてきているということで、アパレル経験者でもないのにすごくないか?!?!?!と自画自賛してしまった。
友人たちが休憩がてら朝ごはんを食べてくるということでブースを離れた後、一人の女性が現れた。
普通に声掛けをしたのだが、次の瞬間museumの服を着ていることに気が付き「アッ?!?!うちの服着てくださってるんですね?!」とでかめの声を裏返しながら挙動不審になってしまった。
※感動と緊張と衝撃で正確に覚えていないので、言葉は補完しながら書きます。
「closet museumさんの世界観がすごく好きで……ブログも読みました」
「ありがとうございま……えっブログも?!?!?」
ブログはサイト内で公開しているもので、世界観に浸ってもらえるようにちょっと小説風になっているもの。
まさか読んでくれている人がいて、なおかつイベントの告知を見て現場に来てくれる人がいるとは思っていなくて二重三重に衝撃を受けてバカみたいな反応しかできなかった。
「このコート、ブログに出てきたやつですよね」
トルソーに飾っていた『灰かぶり』のナポレオンコートを指して聞いてくれた。
おいおいおいちゃんと読み込んでる~~~~~~~!!!!!!
サイコ~~~~~~~~~~~!!!!!!!!
内心クソオタクになり散らかしながら必死に平静を装う。
彼女はブラウスを数枚見比べながら、「パーソナルカラーってよくわかっていなくって。多分イエベ春かブルべ夏だと思うんですけど」と控えめに聞いてきた。
太陽光の下で見る限りそれはおそらく当たりで、彩度はやや高め明度高めのものがお似合いになりそうだ、ということを伝えた。
真っ白とクリーム色のブラウス二枚を軽く顔の下に当ててチェック。
やはりクリーム色のほうが顔色がよく見える。
彼女はブラウスを取り置きした。判断が早い。
次に、コートをじっくり見た。試着していいかとお尋ねになったのでもちろんもちろん!と食い気味に羽織らせた。
なんかこの流れもブログの内容と一緒でウキウキしちゃうね。
彼女はすごく華奢で、ほっそりした手足と胴が際立っていたので骨格ウェーブかナチュラルであろう、と踏んだ。
が、本人の認識は骨格ストレートだったようでこのコートが似合うかどうか不安と仰せだった。
いやもう見るからにめちゃくそ似合っていた。
なんて言うわけにはいかないので、ウエストのシェイプがボディラインにもすごく似合っていることを伝え、姿見がないので携帯のカメラをお借りして全体の姿をチェックしてもらった。
彼女自身も細く見えることを喜び、中に着込んでも大丈夫なので冬も着られそうだと購入に踏み切ろうとしていて、会場をぐるっと見てからでも問題ないですよ!と慌てて待ったをかけた。
普通に考えれば買ってもらえばいいじゃん、なのだが、こういうイベントに来るのも初めてだと言っていたし、なにせこのコートは今日持ってきている商品の中で一番高額なものなので冷静な気持ちで購入してほしかったからだ。
(私は物欲に任せた衝動買い大好き!)
彼女は会場を巡りに旅立ち、入れ替わりに友人たちが帰ってきた。
私は興奮気味に先ほどいらしたお客様の話をして盛り上がった。
そのあとしばらくすると彼女は戻ってきて、コートを購入することにしたと仰った。
そして、花柄のワンピースを手に取って「これもすごく気になっていて」とはにかんだ。それも私の一押しです!!!!
ただこのワンピースはアシンメトリーで短い方はかなり短いし長い方はくるぶしくらい長い。
彼女は短い方の丈を気にしていらしたので、ショートパンツやペチコートのレースをチラ見せしたりして履けますよ!と提案した。
しばらく悩んでいたが、タイツとか履けば気になりませんよね、と意を決して購入をお決めになった。
ひとめぼれしたとおっしゃっていて、私も仕入れの時にひとめぼれをしていたので恋愛観が一緒だなあ(?)と思って嬉しくなりながら友人に袋詰めをお願いした。
合計で3点もお買い上げいただいて、本人も「まさかこんなに買うとは思ってなかったです」と、でも嬉しそうに帰っていった。
またお願いいたします!!!!!!
その後、大学の友人が訪ねてきてくれた。
久々に会うのと、勝手知ったる相手で緊張もほぐれた。
男女ペアだったので内心おいおいデートか?とニヤニヤしていた。
しゃべっている間に横でいつの間にかシャツが一枚売れていた(?!)
友人スタッフたちの接客スキルが高いので「今日着てきているスカートに合わせられますよ~」などとコーデの提案をして購入までこぎつけていた。
すごすぎんだろ。
会場で初めて店の服を見る方にも良いものだと思っていただけたとわかったので、それもすごく励みになった。
私の友人が立ち去ったあと、友人スタッフの方の友人が訪れた。
骨格のこととかわからなくて~と言っていたので軽く骨格ナチュラルであること・顔が甘めなのでフリルもおすすめできることなど話しつつ、結果レースフリルのブラウスを購入いただいた。
このあとご友人が再度いらっしゃってワンピースを購入なさっていったのだが、なるほどと思ったのが「道の向こうから見ていて、ハンガーラックのワンピースがすごく目に入った」とおっしゃっていたこと。
フリマはだいたいシートの上に直置きで販売する事が多く視線は下に向かうが、歩いている時は当然自分の身長の高さで物を見ている。
その視線上に商品が入ればおのずと目につくため、ハンガーラックやトルソーの持ち込みを提案してくれた友人には感謝の一言。
その後、中年の男性が訪れた。地元の方だろうか。
正直古着に興味がありそうな服装の方ではなかったのだが、当日持参していたショルダーバッグのうち、巾着の方を手に取った。
「これ、どのくらい入る?」
「長財布は入りませんが、スマホやハンカチとか小さなものは意外と入りますよ」
答えると、おじさんはフゥン……という感じでもう一つの豚革バッグを手に取った。そっちは巾着の方よりもう一回り半くらい小さい。
あとコロンとしていてかわいい感じだ。
「じゃあこれ」
小さい方買うんかい!!!!!!!
おじさんは、後からやってきた連れのおじさんに「仕事で使う」とバッグを見せていた。確かに、小さい鍵とかペンとかを入れるにはいいかも。
見せて報告しているのがかわいかった。
次に来たのはご年配の女性。
ベロアリボンにモチーフがくっついたブローチを見て悩んでいる。
「ブローチ集めてるのよね、付けないで飾ってるだけなんだけど」
コレクションするのも立派な楽しみ方だ。
私もアクセサリーやブローチはいくつあってもいいものだと思っている。
女性は一度ブースを離れたが、結局お戻りになってブローチをお迎えしていった。彼女のコレクションケースの中で胸を張っていてほしい。
先ほど訪れたmuseum利用者とは別の方がお連れ様といらした。
「ワッフルみたいなカーディガンと……」と、以前購入してくださった商品を自らおっしゃって、一緒に住んでいるお連れ様とシェアするお洋服を選んでたくさんお買い上げ。ありがとうございます!
お顔を拝見したときに、あのお洋服も今日お買い上げのお洋服もなんてお似合いになりそうなんだろう!やっぱりおしゃれな人は自分に似合うお洋服がわかっているんだな~……なんてしみじみ思った。
お洋服をシェアするのもサステナブルだし仲良しで幸せな行為だと思う。
もうそろそろ14時を回る頃。会場は15時に終了となるので14時半には片づけを開始しなければならない。
お洋服たちは前述のとおり順調にお迎えをいただいており、商品陳列はまばらになってきていた。
そこにご夫婦がやってきた。奥さんはハンガーラックにかかっているチャイナモチーフの花柄ワンピースが気になっている様子だ。
このワンピースは開場してから様々なお客様が気になって見ていったが、サイズが小柄な人向けなのでなかなかお迎えが来なかった。
「こちらはオーダーメイド品で、その方に合わせて作られているので少しタイトですが、世界に一着しかありません」
私が説明すると、奥さんはますます迷っている。
すると旦那さんがすっと財布を取りだした。
「買ったらいいじゃん。買ってあげるよ、これおいくら?」
わ~素敵~とか思いながら2800円ですと答えると「大した値段じゃないし着てみたら?」と懐の深い(ダブルミーニング)旦那さん。
「でもこっち(紫の花柄のブラウス)もかわいい」
「どっちも買ってあげるって。はい」
イチャコラデート会場~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!
たっぷり夫婦の愛を堪能してうっとりしていたところに、別の夫婦が来場。
友人夫婦だ。なんとゴディバの差し入れを持ってきてくれた。できる。
お買い物デートのついでとのこと。お熱いことですね!!
しかも、わざわざmuseumで購入したワンピースを着てきてくれていた。
え、今度から購入した服着用してきた方には何か特典つけようかな……みんな着てきてくれるじゃん……
着用写真を懇願して撮らせていただいた。
話はそれるが、私が着ても映えない洋服は少なからずあり、museumで着用イメージをすべての商品に付けることができないのはそのためである。
その人にカチッとはまった服はとても輝くことを知っているので、ベストなステータスではない私が着た写真で、なんかイマイチ……と思われたら元も子もない。
なので、その服を気に入って、検討して、決断して購入したお洋服を着て輝いているモデルさんの存在は大変貴重でありがたいことなのである。
閑話休題。
だいぶすっからかんになった売り場から、奥さんはブラウスを購入してさっくり帰っていった。行動力の化身である。
さて14時半、片づけを開始した。
するとあまりにも協力者の友人たちが有能すぎてあっという間に片づけが終わってしまった。
荷物をまとめて、じゃあ打ち上げの店決めますかと言っているところにもう一人友人が小走りで近寄ってきた。
museumで!こないだ買ったばかりのセットアップ!着てきてる!!!
なんか私の知らないところで着てくるようにって指令が出てたんかな?
「間に合った~時間勘違いしてました」
彼女は用事の合間に駆けつけてくれたのだった。
まだ商品残ってますか?と買う気満々の言葉にニヤリとして、キャリーバッグからベレー帽を取り出した。闇商人か。
彼女はちょこんと帽子をかぶって鏡で二三度チェックしたら「じゃあこれください」と即決。
「museumで買い物する人即決多くない???」(友人A)
いやほんとに。物欲即決型の人が多くて私も気持ちがいいです。
そして、私は彼女に「絶対好きなお洋服があるブースあるんです!行きましょ!!」と半ば強引に別のブースにある、一人のお姉さんがやっている古着屋さんに連れて行った。
このお姉さんとは当日会場で知り合って、というか私が一方的にお店の服の雰囲気にひとめぼれして、名刺とか渡してゴリ押しでお知り合いにしてもらった。この日以降関係が発展するのだが、詳しくは長く語りたいので別の機会に。
数分後。彼女はめちゃくちゃに似合うジャケット、マジで今日着てきてたかな?と錯覚するレベルのものを購入してほくほく一緒に戻ってきた。
即決型すぎて友人ABともに笑っていた。
しかしながら、基本的に古着はまた後での出会いが無いものと言える。
私もよくいく古着屋で、気になるけど保留して翌日やっぱり買いに行こう!と行ってみたら売れてしまっていたなんてことがあった。
現行品とは違う一期一会の世界。ひとめぼれ・運命の出会い・電撃が走る・直感。いずれも信じて間違いない。
その時を逃すともう二度と出会えず、後悔することになるのだから。
◆総括
イベントは無事終了、撤退も完了。
打ち上げで飲む酒もうまいことうまいこと。
右腕左腕となって働いてくれた友人たちへの感謝も尽きない。
繰り返しとなるが、参加してよかった。
リアルイベントでなければわからなかったお客様の気持ちや、初めて出会うお客様たちとの交流。
会場の賑わい、ワクワクした前日までの準備。
closet museumを始める前の私では知りえないことがたくさんあった。
もしwebでのみ販売をしている個人の古着屋さん(に限った話ではないが)がいれば、ぜひ小さくてもいいから何かのイベントに出ることをお勧めする。
きっと新しい道が拓けるだろう。
closet museum
◆ほんとにリアルな話
いいことばかり書いたので、ちょっと赤裸々な話を。
商いをするにあたって大事なこと。そう、お金である。
イベント一つに出るにも事前の準備費用や参加費用の捻出がある。
元手がないと参加することもできない。
とはいえ、私は低コストを心がけて100均を存分に活用し、時にはモノタロウとニトリ、Amazonを利用した。
私が購入した備品を列挙しておくので、どなたかの役に立つと嬉しい。
計:10,640円
なんだそれくらいで足りるのか、という感じだが、買い集めると大変なんだよ~~~!何があればいいのかとかわかんないしさ~~~!
イベント参加前は結構museumの資金がかつかつで、一万円出ていくのもシビアな問題だった。
けれど、参加したことで結局倍の倍以上の売り上げを達成したことで資金は一気にゆとりを取り戻した。
リアルイベントは新規顧客の流入元を増やすのも目的だったし、広告費込みと考えるとインプレッションとコンバージョンを考えればおつりがくるくらいのもんである。
伸び悩んでいる人は投資として思い切って参加費用を捻出してみるのもアリだと思う。
赤裸々な話をしたところで、今回はPCを閉じようと思う。
(筆を置くって表現は適切じゃないもんね)
次は古着の目利きや、新しい出会いについて記事を書きたいな!
それでは、またここでお会いしましょう。
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