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【ちょっと人生に疲れたら...】anyakoと読もう!大人の絵本かん/002/100万回生きたねこ

突然に始めました、人生に疲れた大人の皆さまに
贈りたい絵本を勝手に語る企画。

第2回はやはり...愛をテーマに行きましょう。

先日、奥さまを亡くされた歌舞伎界きっての伊達男、
市川海老蔵さんの会見。

麻央さんが自分と同い年ということもあってか、
今見返しても涙が出てきます...。

そして、思い出したのがこの絵本。


【002】100万回生きたねこ【テーマ•愛、美、人生】
作•絵 佐野 洋子

私が一番、哀しくて、美しいと思う絵本の1ページ。

一番美しいと思う女性

(絵本では白いねこ、という表現)

が描かれている1冊。

何故、主人公である百戦錬磨、あらゆる人に愛されても

自分しか愛したことのなかった

伊達「ねこ」は白いねこを愛したのか。

白いねこは、ねこの地位•名誉や経験、「りっぱな」見た目でなく

真っ直ぐに本当のココロのみを見ようとしたからではと思う。


私が愛するまち、神保町をふらりしていたら、

ふとこの絵本の作者である、佐野洋子さんのエッセイ

「佐野洋子の単行本 本の雑誌社」に出逢った。

その中の、「美しい人は立っていなさい」というコラムで、

往年の大女優グレタ•ガルボについて書いてあって、

はっと思う。

そうか、佐野さんの代表作「100万回生きたねこ」の

マドンナ...白いねこは

きっとガルボが演じた「椿姫」だ、と。

愛する人の腕の中で愛されたまま、美しいまま死ぬ。

これ以上の幸せがあるだろうか。

現代的アレンジの椿姫だと思う映画「ムーランルージュ」でも、

「この世の最高の幸せ...それは誰かを愛し、愛されること」
(The greatest thing you'll ever learn, is just to love and beloved in return.)

という言葉が出てくる。

洋子さんのエッセイでは、

「我々はもはや本当に美しい人というものを見ることが出来ない。

...(中略)私の時代にもその様な人は居なかった。」

とあるけれど。

私は会見で海老蔵さんの口から語られた、

「愛してる」と言って亡くなった麻央さまに

お悔やみではなく

「本当に美しく幸せなかた 私もそんな風に死にたい」

という賛辞を贈りたい。

皆さまは...あんな風に死の間際に「愛してる」と

言えるお相手、見つけましたか?

(もちろん、ねこのようにヒトの子供たちは勝手に独立していけないから

残された海老蔵さんのご心労は想像するに余りあるけれど...。

私が奥さまであれば、やはり「誰か見つけて」と伝えたい、かな。)

そんなことふわふわ思いながら、洋子さんのエッセイを

読み進めた本好きの私は、こんな1節にぐっさり刺された。

「...車の運転が出来て本好きな女は全部離婚している」

...免許取ろうと思ってたところだけど...! 









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