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子供を持たない結婚生活のゆくえ


結婚したら、次は子供を、というのは「夫婦にとってごく普通の流れ」。

だから周囲も、結婚後に「子供は?」と、無責任によく聞く。

それぞれが、どんな背景を持っているかも知らずに、もちろん悪気も無く。


子供を持たない結婚生活


私達は、夫と私の二人の家族だ。

そして、二人の毎日を楽しんでいる。

私は専業主婦で、時々仕事もしたりする程度。ちょっとぐうたら気味。

夫の休みが取れれば、国内外の旅行に出かけたり、一緒に日本に里帰りもしている。

はたから見ると「子供も持たずに、自分たちの好き勝手して、遊びまわっている夫婦」だ。


私達の事情


私は40歳を越して結婚した。夫は5歳下なので30代。

実は私はかなり以前に、卵巣嚢腫で片方の卵巣の手術をしている。

付き合い始めに、お腹にある傷と一緒に、夫には一応伝えていた。

「年齢的なこともあるけど、子供を持つことは可能かもしれないけれど、不可能かもしれない。」

私は、可能なら彼の子供が欲しいと思っていた。初めての気持ちだった。

彼の答えは「No Problem(問題ない)」だった。

その後、日本に来て私の家族に挨拶した際、私が席を外した時家族に、「私達は子供は持たない方向で考えている」と話してくれていたそうだ。

私にプレッシャーがかかるのを心配したらしい。(過去も言われていたし、実はその前に孫を!とかなり言われて、少し悩んでいたのを話していた。)

そして、彼の親にもそれはしっかりと伝えていたらしく、親戚の集まりなどで誰かが子供のことを私に聞いてきた時には、義両親が飛んできて「それは二人の問題!」とぶった切ってくれた。(苦笑)

「もしかしたら?」という時に産婦人科に行った際、彼は真剣に「もし子供がいたら、(教育環境の良い場所へ)引っ越そう。」と言っていたのを聞いて、いいお父さんになるんだろうな、と少し申し訳なく思った。

なかなか恵まれず、私は化学流産や残留流産手術も経験した。

私の手術の時には、私よりも心配そうにしていた。夫はトイレに行くのも忘れて、私が目覚めるまで手を握ってくれていた。

夫は同僚から不妊治療の話も聞いていて、女性側にすごく負担がかかるのを既に知っていた。かかりつけの婦人科医からも難しいことは聞いていた。

結婚してから、私の通院にも都度付き添ってくれて、女性の体調についても自分でもいろいろ調べてくれてもいた。(たまに私より詳しい。)

私は、私の家族や義両親(超子供好き)のことを考えたりして、「もう少し早く出会って、子供が持ててたら…」と悩んで、眠れない時期もあった。

私がうだうだしているのを知ると、夫は私を外に連れ出してくれた。

私達は、これまで保護猫を引き取って育て、最近見送った。今は保護猫団体に時々寄付をしながら、次の保護猫との出会いを待っている。

子供を支援する募金には、できる限り普段から積極的に協力もしている。

アラフィフになった私に、もう子供は来てくれそうにないことは暗黙の了解で分かっている。私自身、最近やっと諦めがついた。

「二人で楽しく生きていくために結婚したんだよ。」

病院の帰りに言われた言葉は、いつも私の気持ちを支えてくれている。


全てを急かされる、女はつらいよね


恋愛、結婚、妊娠…と、とかく女性は急かされる。

でも、「何でもいいからとにかく早く」できるものではない。

そして、女性一人の力で全部できることではない。

自分の中で迷い、持っている主義・主張と戦い、いろんな葛藤や紆余曲折をすることもあれば、年齢のリミットだけではなく、身体の状態一つでも変わってくる事情に右往左往される。

恋愛も、結婚も、妊娠も、どれも大変なのだ。

そして「女だから」と言う理由で、何でもできると思われたら大間違いだ。

社会人としても人としても、きちんとやろうとしたらやっぱり努力が必要。

それに加えて、妻になるにも母になるにも、一緒に立ち向かえる相手がいないと、大変なことだと思う。


実は元々、夫は「女性の気持ちが分かって、先回りして細やかに対応してくれる」こんなにできた男性ではなかった。(苦笑)

ということで、次回は「そんな男性とのおつきあい」について書いてみたいと思う。



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