セラムン二次創作小説『Baby Panic(ジェダレイ)』





side ジェダレイ


「ご懐妊ですね。おめでとうございます。現在14週になります」


ここの所体調が悪く、もしかしてと思い亜美ちゃんの紹介で婦人科に見てもらいに来ていた。


和永も体調が思わしくない私を心配して彩都さんに相談していて話が早かった。


当の本人である和永が分かって無いのに何故か普通に亜美ちゃんから婦人科を勧めてきて若干怖かったけど。


やっぱり妊娠していた。


勿論嬉しいけど、自分のお腹の中に命が宿っている実感が湧かなくて何処か他人事に思える。


自分が母親になると言う事も想像出来ない。


幼い頃に母と死別して多忙の父に連れられ火川神社の宮司をしていた祖父の所で暮らしてた私は、母との記憶が余り無く、ちゃんと母親が出来るか不安が先行していた。


ちゃんと自分に母親がつとまるだろうか?

子育てできるだろうか?

ちゃんと愛情を分け与えられるだろうか?

愛情表現が分からないし母親ってどんなものかも分からないから不安な事だらけ。


そんな事を考えながら帰路に着いていてハッとなった。


また悪い方に考えてしまっていた。私の悪い癖だ。


うさぎや和永に出会って変わったと思ってたけど、中々抜けないでいる。


まだ産んでもないのに悪い方に考えるのは胎教にも悪い。


彼ににどう伝えようか考えながら帰る方が楽しいはず。


そんな事を思っていると火川神社に着いてしまった。


いつもなら慣れた火川神社の大階段が体調と不安な心のせいで凄く辛く感じてしまう。


一段一段確実に体に気をつけながら登っていくと和永がソワソワしながら待っている姿が目に入ってきて少し笑顔になる。


病院について行きたがっていたのを静止して家で待っててもらっていたけど、心配して落ち着かなかったんだろうと思うと診察室には入らないまでも着いてきてもらえば良かったかもと少し後悔した。


向こうも私に気づき、慌てて駆け寄ってきた。


「お帰りレイ。大丈夫だった?」


まだ妊娠の可能性や婦人科に行ったとは言ってないから不安そうに体調の心配をしてくれる。


「大丈夫よ。問題ないわ。心配してくれてありがとう、パパ」


少し遠回しに妊娠した事をほのめかしてみる。


「そっか、良かったー。…ってパパ?へ?」


いつもは名前を呼び捨てにしているから違和感だったのか素っ頓狂な返事が返ってきた。


「そうよ、あなたパパになるのよ。出来たの、赤ちゃんが。14週目ですって」


「えぇぇ~うわぁぁぁ~マジか!?おめでとうレイ」


「ありがとう」


ありきたりに伝えたけど無邪気に喜んでくれてひとまずホッとした。


「安産祈願しないとな!それは俺に任せろ!あっ!安産のお守りも!幸いここは神社だから何でも揃ってるぞ。名前も決めないとな。男の子かな?女の子かな?女の子ならレイに似て美人だろうなぁ~変な男がよってきたら困る」


和永は美奈が昔言ってた通り、婿養子になってタダで神社で働いてくれている。


はしゃいで凄く喜んでるのを見て、ちゃんと母になれるかと不安になってた心がみるみる晴れて行く。


多かれ少なかれみんな不安と戦ってるんだから出来る限り考えない様にして楽しい事を考えよう。


産まれるまでにしなきゃいけないことや買い揃えなきゃいけないものもあるし忙しくなる、悩んでる暇はないわね。


皆にも報告しなくちゃいけないし、特に亜美ちゃんにはお世話になったし早く報告してあげないと。


「そうだレイ、衛達にも報告していいか?特に彩都には相談に乗ってもらったから早く報告してやらないと。」


「そうね。私も亜美ちゃんにお礼を兼ねて直接会って皆にも報告しようと思ってるから、彩都さんには和翔からお礼言っといて貰えると私も助かるわ」


「分かった。俺もアイツらと直接会って報告するよ」


「ありがとう。お願いね」


同じ日に別々の場所でそれぞれ報告する事になった。


side うさぎと四守護


数日後、いつもの喫茶店で美奈達と待ち合わせ。


成人して各々仕事をしてみんな結婚もして5人揃う事は以前と比べると本当に少なくなってしまった。


こういう大切な話がない限り滅多に5人で会うこともなくなってしまった。


亜美ちゃんは医者で土日祝や昼夜関係ない生活、美奈も夢だったアイドルを経てバラエティ番組に引っ張りだこの芸能人で忙しくしてるし、まこちゃんは花屋とお菓子屋さんを経営して大忙し、うさぎは一足先に子供を産んで子育ての真っ最中で働く余裕もない。


第一あのうさぎよ?衛さんが働かせるわけないわ。色々心配で仕事も手につかないと思うと同情案件ね。


私はずっと火川神社で働いているからみんな暇な時は近況報告兼ねて遊びに来てくれるけど、学生時代と比べるとめっきり減ってしまった。正直、寂しい。


だからこういう報告はみんな集まってちゃんと面と向かって報告しておきたかった。


美奈達と会う前に少し時間を早めて亜美ちゃんと会う約束をした。


オーダーしたレモンティーを飲みながら待っていると亜美ちゃんがやって来るのが見えた。


「レイちゃん、遅くなってしまってごめんなさい」


「大丈夫よ。仕事大変そうね?無理しないでね」


「そうね、ありがとう。レイちゃんの方こそ気を付けないと!一人の体じゃないんだし」


心配したら逆に心配されてしまった。

婦人科の先生に聞いたのかしら?


「そうね。亜美ちゃんの言う通り妊娠してたわ。15週目に入った所」


「おめでとうレイちゃん」


「色々してくれたのに報告が遅れてごめんなさいね。直接会って報告とお礼がしたかったの」


「いいのよ。レイちゃんにも子供が出来て嬉しいわ!」


「ありがとう。私にもってどういう事?」


「実はね、私も今妊娠しているの。21週目よ」


「えぇぇ!?そうだったの?おめでとう」


だから最初から婦人科を紹介してくれたのね?


「ありがとう。相談された時真っ先にレイちゃんももしかしてって思ったのよ。間違ってなくて良かったわ」


頭が良くて優秀な医者な上に自分も妊娠しているから症状聞いてすぐにわかったのね。体調が似ていたのかしら?流石亜美ちゃん、頼りになるわね。


「うさぎちゃん達には?」


「皆にも今日言おうと思って連絡したから、もうすぐ来ると思うわ。その前に色々お世話になったから先に亜美ちゃんには報告しておきたくて。でもタイミングが少し前なだけでごめんね」


「そうだったのね。大丈夫、気にしないで。みんなと久しぶりに会うの楽しみね!」


笑顔でみんなとの再会を楽しみにしている亜美ちゃんを見てホッとした。


「そうね。亜美ちゃんの方こそはみんなに報告は?」


「私もまだ言えてない。今日みんなに言う事にするわ。レイちゃんの方が先でいいから気にしないで」


そんな話をしているとまこちゃんが到着した。


「レイちゃん、亜美ちゃん久しぶり~」


挨拶しながら亜美ちゃんの横に座る。


「話ってなんだい?」


「美奈とうさぎが来たら話すわ。何かオーダーしたら?」


このふたりが時間通りに来た試しがない。


美奈は多忙なスケジュールの合間だから仕方ないとしても、うさぎは何でいつもこんなに遅いのかしら?子育てってそんなに大変なのかな?あのちびうさなんだから手はかからなさそうだけど、ドン臭くて天然だから?


そんな事考えてるとうさぎと美奈が一緒に到着した。


「ごめんごめん遅くなっちゃって~、てへへ」


「いいわよ。いつもの事だから」


うさぎの遅刻癖は一生治らないと諦めてる。


「私も遅くなっちゃった。収録が押しちゃって…。慌てて走ってきたら同じく走ってるうさぎを見かけて一緒に来たの」


そう言いながら空いている私の隣に美奈とうさぎが座ってきた。


「相変わらず忙しそうね、売れっ子芸能人は」


「マネージャーがやり手でね~仕事いっぱい取ってきてくれるのよ。楽しいから有難いわ~」


「すごい活躍してるよなぁ~流石美奈だな!所でレイちゃん、みんな集まった事だし、そろそろ本題の話にいかないかい?」


美奈とうさぎの到着で漸く5人揃い、報告する時が来た。みんな私にすっごい注目してる。


「あのね、私今妊娠しているの。15週目に入った所よ」


一気に必要な事を報告するとみんな驚いた顔をしていたけど、みんな笑顔になって「おめでとう」と祝福してくれた。


「レイちゃんもとうとうママになるのかぁ~分かんない事あったら何でも聞いてね!私、先輩ママだから」


「ありがとう。分からなくなったら相談乗ってね」


得意気に言ってくるうさぎだけど、ちゃんと子育て出来てるのか不安。


「和永っち喜んでたでしょ~?色々目に浮かぶわ」


「喜んでたわ。名前決めなきゃとか、性別どっちかって色々はしゃいでた」


「和永さん、いいお父さんになりそうだもんな」


「子育て協力してもらわないと」


黙って聞いていた亜美ちゃんが、一段落したところで報告があると口を開いた。


「実は私もね、妊娠しているの。私は21週目よ」


亜美ちゃんの突然のカミングアウトに3人とも驚きながらも喜んで祝福していた。


そりゃそうよね?一気に2人も妊娠報告だから驚きも2倍よね。


「おめでとう亜美ちゃん!亜美ちゃんもママになるんだね~」


「Wおめでたか~。そうと知ってたらケーキ焼いて花束も持ってきたのにぃ~」


「2人の子どもは同級生って事になるって事よね?」


「そういう事になるわね!でも美奈達ももしかしたら可能性なくも無いんじゃないかしら?」


「どういう事?」


「生理や妊娠って周りや親しい人に伝染るって言うじゃない?心当たり無い?」


そんな事考えもしなかったけど、確かに生理に関しては心当たりがあった。みんなと被ることもしばしばだった。


と言う事は全員妊娠してる可能性があるって事?子供達も同い年になるって凄いわね。


「言われてみれば最近生理遅れてるな~と思ってたけど…マジ?忙しくて体のバランスおかしくなっただけかと思ってた…」


「私も最近食欲なくて…」


「私は無いな~。今生理中だし」


驚いた!美奈とまこちゃんは心当たりがありそう。うさぎは全く違うみたいだけど、偶然でももしそうなら凄いわね。母親になるタイミングまで同じなんて運命感じるわ。


「じゃあまこちゃんと美奈は病院で1度見てもらった方が良いかもね。レイちゃんも紹介してあげたのよ。2人にも紹介するわよ?」


亜美ちゃんの営業力に感心する。


「もし美奈P達も妊娠してたらみんなの子供が同級生なのか、羨ましいなぁ~私もみんなと同い年の子供が欲しいな…」


うさぎが残念そうに言う。


「今から頑張ればうさぎにも可能性あるわよ?」


「そっかぁ~美奈Pあったまいい♪」


美奈の提案に喜ぶうさぎ。

こればっかりは運だと思うけど、亜美ちゃんの説を信じればもしかするともしかするかも?


この後も色々トークが弾み、みんなに子供が出来たら中々遊べないからと言って喫茶店を出てレストランに移動し夕飯を一緒にとって時間の許す限り遊んだ。


夜は和永が衛さん達と会う約束をしていたし、ちびうさはうさぎの両親に預けて見てもらっているとの事でみんなも自由な時間が出来ていた。


久しぶりに5人ゆっくり出来る時間が出来て凄く楽しかった。


side 衛と四天王


レイと同じ日の夜、衛達といつものバーで待ち合わせ。


面倒を見て貰った彩都にお礼を兼ねて報告をと思い、衛達より少し先に会う事にしていた。


カクテルを飲みながら待っていると彩都が来た。


「お待たせ」


「久しぶりだな!この間は相談に乗ってもらってサンキューな。レイもお礼言ってた」


「良いのよ。亜美に話通しただけで私は特に何もしてないし。で、どうだったの?わざわざ呼び出すって事は、そういう事?」


亜美ちゃんに聞いているのか話が早い。


「そういう事って?亜美ちゃんに全部聞いてるのか?」


「いい報告なんでしょ?」


「ああ、その通り、レイは妊娠してる。確か15週目に入った所だったはず」


「そう、おめでとう。あんたが父親ねぇ~」


喜んでくれたが、嫌味な言い方も忘れない彩都に少しイライラする。


「どうも。頑張って子育てするよ」


「私も父親になるんだけどね?新米同士ね」


「ふーん…って、えぇぇ~?お前ん所の亜美ちゃんも妊娠してんのか?」


余りにも驚き過ぎて大声を出した勢いで飲んでいたカクテルが横に入って盛大にむせてしまい、バー全体に響き渡りマスターや他の客に迷惑をかけてしまった。


「ちょっとあんた大丈夫?驚き過ぎ!」


いや、普通に驚くだろ?驚かない人がいるなら是非会ってみたい。


しかも更っと何でもない風に言ってるけど、大分凄いこと発表してるが本人に自覚ないのか?亜美ちゃんの天然が移ったか?


「驚くだろ?何普通に発表してんだよ」


「そっちも子供出来たっていうから」


「それとこれとは別だろ?ともあれおめでとう」


「ありがとう」


そう言いながらお互い飲んでいたカクテルグラスをを傾け祝福の乾杯をする。


話が一段落したところに公斗が入って来た。


「2人とももう来てたのか?早いな」


「時間の融通効くからねぇ~。あんたん所の美奈子、すっかり売れっ子芸能人ね~テレビで見ない日ないわ」


「火川神社にもほとんど来なくなったからレイが寂しがってたな。その代わりテレビすっげぇ見るようになったけど」


「マネージャーがやり手で1日に何本もこなしてる。体力お化けだが流石に忙しいと心配になる」


そう言いながら席に座り、ウォッカをオーダーする公斗。


お互いの仕事の近況報告をしつつ談笑していると慌てて衛が入店してくる。


「遅くなってすまない」


「仕事忙しいんだろ?大丈夫だ。勇人もまだだしな」


医者で忙しい衛は時間関係なく忙しく、愛妻家で子煩悩な事もあり休日は家族サービスで中々会う暇がない。


勇人は青年実業家で色んな会社を起業して、まことちゃんの花屋とケーキ屋のオーナーもして大忙し。どんだけ働くのが好きなんだよアイツは…。


しばらく待っていると漸く勇人が現れる。


「すまんすまん、遅れた!って俺がドンケツ?」


笑いながら謝ってきたけど、絶対そんなにすまないと思ってないだろう事が見て取れる。


「仕事だろ?仕方ねぇよ」


「で、和永の話ってなんだ?もうみんな聞いたか?」


「いいやまだ聞いてない。お前が来るまで待ってたんだ」


「で、話ってなんだ?」


一番遅くに来たくせにせっかちな奴だ。


「驚かないで聞いてくれ。レイが妊娠した。今15週目に入った所だ」


驚くなと言ったが、やはり3人ともすっげぇ驚いていたが同時に祝福してくれた。


「そっかーお前パパになるのか?レイちゃんの代わりに神社の仕事頑張れよ」


「育児仲間が出来るってうさが喜ぶな」


「しっかりレイさん支えてやれよ」


三者三様の言葉が返ってきた。


「彩都は驚かないんだな?」


勇人がすまして聞いていた彩都にすかさずツッコミを入れる。


「先に聞いた。それにうちの亜美も妊娠してるから」


またサラッと何でもない風にカミングアウトしてる彩都に呆れてしまった。


案の定、3人とも驚き過ぎてカミナリに撃たれたみたいに固まってしまった。


「彩都ん所も赤ちゃん出来んのか?」


勇人が聞き返す。


「そうよ、今21週目」


「2人同時にパパか。凄いな」


「そう?妊娠や生理って親しい人に移りやすいって亜美が言ってたから普通の事だと思ってたけど」


またサラッとトンデモ発言してきたよコイツは…。


俺も衝撃だったけど、3人も衝撃を受けて驚いてる。


「マジか?そんな話初めて聞いたぞ」


「まぁ私もこの間初めて亜美から聞いたんだけどね?勇人たちの所も妊娠してる可能性あるんじゃない?それぞれ嫁に聞いてみたら?」


もしそれが本当で他の3人の所もそれぞれ妊娠していたらみんな同時に父親になるってことか?凄いな…


「あぁ…うちは可能性低いな」


1番可能性の高そうな衛が残念がる。何でだ?


「何でだよ?やって無いのか?子育てでやらせて貰えずご無沙汰ってか?可哀想に…」


勇人って奴はストレートに聞いてデリカシー無しか?


「いや、ちゃんとやってるよ。心配はいらない。ただ、ちびうさだけでも苦戦してるから2人目が出来ないようにゴム付けたり、極力中出ししないよう配慮してる。2人目欲しいけどもう少し先でいいと思ってる。うさの負担は増やしたくないからな」


なるほど相変わらずうさぎには紳士で優しい奴だな、感心するわ。


「そうか残念だな。美奈子は忙しくしてるから特に変化は無いが…聞いてみるか」


「何だ普通にラブラブかよ。まことは最近食欲ないって言ってるな。そういう可能性が高いってことか?」


勇人の所は心当たりがあるらしい。


「勇人達の所も妊娠してたらうち以外は同級生か…俺も今から頑張ればギリいけるか?」


「おぉ?頑張って仕込むか?」


衛の所も2人目欲しがり始めた。

うさぎが欲しいなら余裕だな。


俺ら男性陣は年齢バラバラだからどっちでもいいが、女性陣はみんな同い年だ。子供も同い年で同じ学校に通わせたいに違いない。


「今日の昼はレイがみんなと会って話してるから同じような話しになってるかもな?」


「かもね?話は早そうね」


その後改めて5人で祝福の乾杯をして久しぶりの5人での再開にトークに花が咲きしばらく話し込んだ後お開きになった。


凄い展開になったけど、報告が出来て一安心だ。


後は公斗と勇人の所の結果がどうなるかと衛の所…だな。


side 外部家族


せつなさん達に報告する為、4人で暮らしている豪邸に来ていた。


客室に通され、紅茶とクッキーを出され飲んでいるとみんなが入って来て椅子に座った。


うさぎ達に報告完了した次の日、みちるさん達にも報告しようと4人が空いてる日をLINEで聞いてみた。


みちるさんとはるかさんはそれぞれ演奏とレースの為海外を転々とする忙しい日々で中々日本にいないけど、せつなさんは都内の天文台で働いているし、ほたるちゃんは私が通っていたTA女学院に通っている素敵な女子高生になっていた。


海外に行ってるみちるさんとはるかさんはちょうど休暇が貰えて、久しぶりに日本に帰ることになっていたらしく私が連絡すると会えるのが楽しみだと言ってくれた。


待ち合わせはせつなさん達が今も4人で暮らす豪邸。デス・バスターズ戦後ずっと4人一緒に暮らしているらしく私達以上に仲がいい気がする。


最もはるかさんとみちるさんは仕事の関係上ほとんど家と言うか日本にいないけど、みんなでしっかりほたるちゃんを育ててて偉い。


「久しぶりねレイ、元気してた?」


「はい、一応元気です。みちるさん達は海外飛び回って忙しそうですけど元気でしたか?」


「ああ、暇より忙しい方がいいからな」


「ほたるちゃん、TA女学院はどう?」


「先生は厳しいですけど、みんな優しいし制服は可愛いので満足です」


「ほたるに合ってるみたいで毎日楽しそうに行ってるわよ」


近況報告に花が咲く。暫く他愛もない話をした後みちるさんが聞いてきた。


「ところでレイの話したい事って何かしら?」


話が脱線して一瞬何しに来たか分からなくなりそうになってたから聞いてもらえてありがたい。


「実は私、妊娠したんです。今18週目に入りました」


妊娠の報告をすると驚きながらも4人とも喜んでくれた。


「まぁ素敵!おめでとうレイ」


「レイ、おめでとう。これから忙しくなるな」


「おめでとう!子育て大変だけどレイなら大丈夫!頑張って!」


「新しいセーラー戦士を継ぐ命の誕生ですね。おめでとうございます」


それぞれの祝福してくれる。


忘れていた訳では無いけれど、はるかさんみちるさんせつなさんの3人はほたるちゃんを赤ちゃんから育て上げた子育ての大先輩だ、うさぎよりはよっぽど頼りになると思ってしまった。


「良いわねぇ~子育て♪私もまた子育てしたいわ」


「僕はもう勘弁だな。大変だったし変化について行くのがやっとだった」


「ほたるの成長は目まぐるしかったものね。でも私も楽しかったわ。いい経験だった」


「3人とも酷い!」


3人とも苦労してたんだなと会話でみてとれる。


赤ちゃんだったはずのほたるちゃんに再会した時セーラーサターンで戦い散っていったあの時と変わらない成長した姿であの時は凄く驚いた。


「ねぇねぇレイ、もし子育て嫌になったらいつでも言ってね?代わりに育ててあげるわ」


「おいおいみちる、ほたるの時はあっという間で消化不良だったからってそりゃ無いだろ?冗談キツいって…」


みちるさん、よっぽどほたるちゃんの時は子育て短か過ぎたのか、それともはるかさんとの同性婚で子供が生まれることがないからか言動がおかしくなってる。


「私もまたじっくり子育てしたいわ。ほたるの時はあっという間で余裕無かったもの」


せつなさんまで頭おかしくなってる。


「もぅ、悪かったわね!空気読まずに恐ろしいスピードで成長してしまって!」


ほたるちゃんは何も悪くないのに謝る始末。


みちるさんもせつなさんもこんな事言ってるけど、これでも私のこと応援して気を軽くしてくれてるのよね?


お陰でちゃんと母親出来るか悩んでたけど気持ちが軽くなった。




おわり


実写版レイちゃん役の北川景子チャンが第一子妊娠と聞いて書いたお話です。
今回、第二子妊娠と聞き、おめでとうございます。
きっとどちらに似ても、男の子でも女の子でも可愛いんだろうなと思います。



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