いい女になりたくてジェルネイルを始めた私だが。
数年ぶりに自爪に戻した。
今の職場がネイルOKだったので毎月お店でジェルネイルをしてもらっていた。
通っている美容室の一角でスペースを間借りしていたネイリストさん。
今では立派に店舗を構えて独立している。
私の妹が子猫を保護した時も真っ先に名乗り出てくれて引き取ってくれた。
ネイル中はいつも猫の話で盛り上がっていた。
そんな空間がとても居心地が良く、ここ数年は毎月欠かさず通っていた。
指先が綺麗に整えられて彩られていく様子はとても女子力が高まる。
私の場合、ネイルをすると言うよりもネイリストさんに会いに行っていると言った方が正しかったかもしれない。
いつもなら当日までネイルのデザインをあれこれ画像検索して悩んでいるのだが今回は予約の前日に、
「オフだけお願いします」
と連絡をした。
ネイリストさんはどう思っただろうか。
だが、ネイリストさんは何も悪くない。
ただ私がジェルネイルを辞めたかっただけなのだ。
お金を払ってサービスを受ける。
決めるのは客の自由だ。
なのに何故かとても罪悪感を感じてしまっている。
ネイリストさんにも生活がある。
しかし私も余裕がある訳ではない。
散々悩んだ結果、ネイルを辞めるという選択に至った。
次の予約は未定である。
指先が少しだけ寂しくなった。
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