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舞台『レイディマクベス』

『合理的にあり得ない』がきっかけで、天海祐希さんをとても好きになりました。
ドラマでのお芝居、番宣や取材記事で垣間見られるお人柄、天海さんを知れば知るほど惹かれて、そして知れば知るほど、どうしても生のお芝居が観てみたい、と思いました。
幸運にもチケットを手にすることができ(毎日何度もリセールを確認したりチケプラトレードに申し込んだりしました、諦めなくて本当によかった…)、すこしまえに念願叶って『レイディマクベス』を観てきました。観劇したあと、メモしたことの記録です。


…本当にすごかった……(語彙力)

難解で膨大な台詞一つ一つの美しさと、それが生きて届いてくる感じに圧倒されたし、ものすごく異空間なのにとても現実と地続きで、自分ともいろいろ重ねて考えてしまい、たくさん心に残るものがあった。

母になったことで失くしてしまったものを愛するマクベスに求めたり、それがマクベスを追い詰めてしまうことをわかっていながらそうするしなかったり、それを娘のせいにしてしまってうまく愛せなかったり。
私は全然すべてを理解はできていないけれど、
レイディのことがとても愛おしくて仕方がなかった。

ちょうど今観ているドラマで「女であること」や「性別」のことを考えたりしていたけれど、
レイディは女であることを嘆いたり恨んだりしている感じはしなくて、すべて受け入れて誇り高くある気概も感じて、だからこそ、そのどうしようもなさが哀しくて、美しくて。

これは天海さんだからこそのレイディだなぁ。と思った。後方席だったので細かい表情などはわからなかったけれど、その佇まいや所作や声色や纏う空気、誰もを惹き付ける気品高い美しい強さと、どこか儚い弱さと哀しい愛おしさが共存していて。レイディの一言目の台詞を聴いたときの、心震える体感が忘れられない。

そしてマクベス役のアダム・クーパーさん、日本語と英語を織り混ぜた台詞が素晴らしかった。マクベスの内面の葛藤みたいなものを、こんなふうに表現できることに心打たれました。
マクベスとレイディのコンテンポラリーダンス(というのかな?)はあまりに美しかった……。

私が観劇した日は、カーテンコールが4回(たしか)、最後は自然と会場中がスタオベでした。
天海さんは舞台をあとにするぎりぎりまで客席に向かってたくさん手を振ってくださって、なんかもうそれで泣いてしまった…大好きです……

舞台の開幕前に、テレビ番組(NEWS23)で天海さんがお話しされていたことがとても心に残って、何度も何度も観ていますが何度観ても泣いてしまう。「どうしたって自分を責めてしまう人たちのことを、もっと世間がおおらかな目で見てあげられたら。」こういう天海さんが演じたレイディだからあんなに愛おしかったのだなと思う。
また必ず天海さんの舞台が観たいと、心から。

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