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全国公開規模の大型映画作品が、いきなり配信へ。映画『劇場』についてのニュースの衝撃。劇場公開はミニシアターが支える。


何が衝撃的か? 

本日のニュースで下記の記事を目にしました。             

「AmazonPraimeVideoで全世界独占配信開始!」とありますが、そもそも4月17日に全国でロードショー予定だった作品がいきなり配信されるという。同時にユーロスペースを中心に20館ほどのミニシアターでも上映されるそうです。事実、映画『劇場』の公式HPのTHEATER欄は先日までは、全国の劇場リストが2~300館載っていたと思うが、今はミニシアター作品のようなリストに更新されている。ブロックバスター作品の劇場公開をミニシアターが支えている。

北米でのブロックバスター作品のいきなり配信

北米では、4月10日に本来劇場で上映するはずだった『トロールズ ミュージック★パワー』がこの状況下で配信に踏み切って1億ドルの収益をあげている。(1億ドル越えは、ヒット作品の一つの指標とされている)

日本での劇場公開と配信の状況

日本では、想田和弘監督『精神0』が劇場公開できなくなり「仮設の映画館」を立ち上げて配信に踏み切った。これはお客様が配信で映画を観るのだが同時にリアルの映画館を選んで劇場にも収益が分配される。映画『劇場』でこの分配をもししたらかなりのお金が製作委員会の収益から劇場に流れてしまうので、今回は、そもそもの想定していた劇場上映を取りやめ他のだろう。


1次、2次、、という「ウインドウ」の考え方

映画ビジネスにおいてよく「ウインドウ」という言葉が使われます。「窓」ですね。苦労してまず映画を作ったり買い付けてきます。それを劇場公開、DVD・配信、放送といくつものウインドウで売り上げをあげていき収益をあげて回収する1粒でなんども美味しい、仕組みが近年は崩壊してきて「垂直的」に立ち上げる傾向が強かったのですが、ここにきて劇場ファーストが、配信ファーストに。。『あゝ、荒野』などは劇場公開の前に配信を行ってますね。


今後の劇場と配信の共存、行方は?

コロナ禍、世の中のライフスタイルの変容、劇場で公開するように設計されている映画作品、、。今までは「劇場公開が一番最初である」という大前提。今後はどう変化していくのか注目です。ユーザーにとっては選択肢が増えることはいいことだと思うのですが、「劇場」という「場」の見直し、特異性、を再認識して行かないと、ただの「ハコ」装置として見られ流されてしまう危険性があると思います。(私は、映画館が好きなので肩入れしますが、もっともっと映画館の文化・芸術的価値を認識し共有していかなければ。。)




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