意識的にしているわけではなく、
意図的にしているわけでもなく、
ただ自然な仕草とその佇まいだけで、
そばにいる人にたよりにされる力を持つ人がいる。

あの人に頼んだらなんとかしてくれる。
あの人についていったら道に迷うことは無い。
あの人の言葉を聞いていたら元気になれる。

そんなたよりになる人は、
特に特別なことをしているわけではなく、
ただそれまでの人生と価値観の積み重ねで、
そんな力を作り上げてきたのだろう。

人が恋に落ちた時、
その理由のひとつに、
どこかたよりになる人だからというもあるだろう。

何をしてくれるのではなく、
何かをお願いしているのではなく、
ただそばにいるだけで、
どんな不幸も不運も寄せ付けない安心感に包まれる。

気持ちでもたよりになれる人に、
体までもたよりにできるなら、
それはもう離れられないということ。


お互いに裸になって、
唇を重ね、体を重ね、
交わって、官能の渦に巻き込まれていくときは、

どんなに凄いところまで連れて行かれても、
あなたとだったら大丈夫と感じている。

あなたが私の胸にすがる時、
あなたが私をたよりにしているのがよくわかる。

あなたのこと、
たよりにしているから、
どこにでも連れて行って、と。