見出し画像

[僕、最強だから]フッ素化の必要性

みささんお久しぶりです。青茶です。
やはり毎週月曜日投稿になりそうです。改めてよろしくです!
さて、今週は有機化学と薬剤を半々にしたような内容で参ろうかと思います。気になっている人もいると思いますが、[僕、最強だから]の意味は何なのか、と。某高専の先生のファンかな?と思う人もいるかもしれませんね。
大丈夫です。ちゃんと説明します。
今回のテーマは「フッ素化」すなわちF(フッ素)についてのお話です。
これでわかりますかね…?そうです、フッ素は電気陰性度(電子を引っ張る強さ)が最も大きい原子なんです。だから「最強」なんですね〜。

  1. フッ素化のメリット

  2. フッ素化されている薬剤の例

  3. まとめ


1. フッ素化のメリット

まず、フッ素という原子について軽くお話します。
第17族2周期に当たる、原子番号9の原子であり、前述した通り電気陰性度が最も強い原子です。高校で教わった時は、熊みたいな扱いをされてました(ちなみに酸素は横綱扱いでしたよ笑)。

AGC化学カンパニーより引用

ではフッ素化とはなんたるかについて説明します。
簡単にいうとC−H結合の水素をフッ素に置き換える、すなわち置換してCーF結合にすることがフッ素化です。では、なぜ置き換える必要があるのか。
それは、先ほどから言っている通り電気陰性度が大きく関わってくることになります。電気陰性度とは、電子を引っ張る強さを表しているんですよね。
そうすると、CーF結合においてC(炭素)が電子を持っていかれる側、F(フッ素)が電子を引っ張る側となり、炭素が+(正)に近い状態、F(フッ素)がー(負)に近い状態になります。ちなみにこのことを、「分極」という言い方をしますね。そして「分極」をすると+に近い(δ+と表します)水素がδーであるフッ素と強くはないものの結合をとることが出来るんですねえ。ちなみに、このような結合は「水素結合」と表します。

化学のススメより

そして、この「水素結合」を利用することによって、薬の薬効に関する生化学的な性質に劇的な影響を及ぼすことが出来るんですよ!
それと同時に、水への溶解性や細胞膜の透過能力など医薬品の物理的性質を変化させて、身体への取り込み方にも影響を与えます!
さらにさらに、CーF結合は代謝による切断に耐え、薬をより長く身体の中にそのままの形で保つことができ、薬の効力を強めることが出来るんです!
その結果、現在上市されている薬の20%もが、CーF結合を含んでいます。
これにはびっくり仰天!やはり薬といえど「有機化学」なんですねえ…!

2. フッ素化されている薬剤の例

さて、少し有機化学から外れ薬剤の話に移ります。
フッ素化されている薬剤の中で1つだけ紹介しますね。
それは…なんと…ランソプラゾールです!
え、なにそれ?という人のためにも説明するので安心してください!

KEGG Drug より

上の画像がランソプラゾールの構造式です。よくみてください!
右下にフッ素がいますよね!3つも!
そうです、これこそがフッ素化合物。
じゃあ、ランソプラゾールってどういうお薬なの?って思いますよね。
これは、プロトンポンプ阻害薬(PPI)と呼ばれる胃のお薬です。
主に消化性潰瘍の治療薬として使われることが多いと思います。
ちなみにプロトンポンプ阻害薬の働きは、胃酸が出るのを抑えることです。
もちろん、ランソプラゾールの他にもありますよ!
もしかしたら、皆さんも飲んだことのあるお薬かもしれませんね。
そうすると、フッ素が入った化合物を飲んでいることになるんですよ…!
先ほどのお話を聞くと感銘を受けませんか?笑

3. まとめ

さて、今週のお話はこれにておしまいです。
長文にお付き合い頂きありがとうございました!
来週は、有機化学から外れたお話をしようと考えています。
だって、ネタが尽きるんだもん。笑
ということで、皆さんからリクエストがあれば是非コメントに記入して頂ければと思います。よろしくお願いしますね!
では!See you again…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?